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地方自治体におけるBPO【vol.6】・・・RPA

2018.10.16

目次

  1. 債権の種類
  2. 滞納処分
  3. BPOについて
  4. RPAの適用について
  5. まとめ

 

 

 

 

 

【前回の記事はこちら】 

地方自治体におけるBPO【vol.5】・・・RPA

 

 

これまでBPORPAについて述べてきましたが、具体的に私が知る範囲でお伝えしたいと思いますが、

民健康保険の給付などはシステムなど確認する点が多いため、

書き上げるのに時間がかかりそうなので徴収部門を中心にしたいと思います。

 

 

はっきりとお伝え出来ない部分もあるので、

BPOについてより詳しく知りたい方はご連絡を頂ければ幸いです。

 

 

 

 

1.債権の種類


 

地方自治体で業務上発生する債権は、公債権私債権があります。

 

公債権の中でも強制徴収公債権非強制徴収公債権に分かれます。

 

 

強制徴収公債権非強制徴収公債権私債権は、

 

発生効果回収消滅

 

以上の4つのポイントで分かれます。

 

 

 

強制徴収公債権とは、個別の法令の根拠規定により、市が滞納債権について地方税法の例による

滞納処分(給与・預貯金・不動産などの差押えや担保権の実行など)を行える債権

 

例:市税・後期高齢者医療保険料・介護保険料・保育料・国民健康保険

 

 

 

非強制徴収公債権とは、強制徴収公債権とは異なり、個別の法令に根拠規定がないため、

滞納処分が行えない債権

 

例:行政財産使用料・し尿収集手数料・生活保護費返還金

 

 

 

私債権とは、契約などの当事者間の合意(私法上の原因)に基づき発生する債権

 

例:市営住宅使用料・奨学金返還金

 

 

 

公債権と私債権の違いは、その債権の発生原因が、公法か私法かの違いです。

 

強制徴収公債権と非強制徴収公債権は滞納処分差押・換価・配当)ができるかどうかで分かれます。

 

 

 

 

2.滞納処分


 

一般的には、人の財産を差し押さえる場合、

裁判所に行って民事執行手続きを行い、国が差し押さえるという流れになっています。

 

 

強制徴収公債権はそのような手続きをせずとも、

督促状1通送って納付がなければ、地方自治体自ら差押を実施することが可能な債権です。

 

テレビ番組で市役所の職員が差押を実施しているシーンなどが放送されることがあります。

 

 

私自身は徴税吏員(市職員で公法上の判断ができるもの)でもないので、

そのような場面は立ち会ったことはございませんが、

差押から戻ってきた職員を見かけることは多々ありました。

 

 

一つの自治体で差押を実施しなければならない債権の数(対象者)は何万とあります。

 

しかし、実際は何万もの対象者の財産を差し押さえることは難しく、

差押対象者数を減らすために、様々な働きかけをしています。

 

 

 

 

3.BPOについて


 

差押対象者数を減らすための働きかけの1つがコールセンター(アウトバウンド)による電話催告です。

その次に文書催告です。

 

 

徴収部門の職員は、滞納者に電話もしくは書面にて納付するよう働きかけることが日々の業務です。

職員が電話催告する自治体は少なく、文書催告がメインとなっています。

 

BPOで民間委託する場合、コールセンターによる電話催告、事務センターによる文書催告です。

 

コールセンターであれば1日のコール件数は100~200件ぐらい、

事務センターであれば文書催告作成件数は50~100件ぐらいが、目安かと思います。

 

コールセンターのコールをRPAではなく、ロボットにさせたことがありますが、

効果があまり芳しくなかったため、

コールセンターの自動化というのは少し停滞していると聴いています。

 

 

RPAと相性の良いのは文書催告だと思います。

 

 

基本的な業務の流れとして、対象者(滞納者)一覧リスト滞納者の画面を見て、文書催告の可否を判断し、

Excelや債券回収システムに内蔵されている文書作成のフォーマットを使って

催告文書を作成する、というのが大まかな流れです。

 

 

対象者一覧リストの作成は、自治体の職員が抽出しているケースや民間業者(債権回収システム会社)

に委託しているケースもありますが、基本的にリストが出来上げるのが遅いです。

 

エラーも多く、毎月発生する業務なのに、フォーマットが決まってないせいか、

分析データを作るのに時間がかかったりしています。

 

 

画面を見て判断する場合、一定のルールに基づき

それに該当するかしないかをBPOオペレーターが滞納額、接触回数、接触内容などを

一定のルールに基づいて文書催告の可否判断をします。

 

 

文書催告が可能と判断した場合、

BPOオペレーターがExcelで作成された文書催告用のフォーマットに

債権回収システムのデータをコピーアンドペーストしたり、

債権回収システム上で文書催告を作成したり、

 

債権回収システムによって業務フローは千差万別ですが、

人海戦術である程度の件数をこなしているような状態です。

 

複数の団体の情報を知っていますが、非効率極まりないやり方でやっています。

 

 

大体おおよそこのような流れの中で、RPAを使って運用できる場面があります

 

 

 

 

4.RPAの適用について


 

まず対象者一覧リストの作成です。

 

滞納者を抽出し、抽出した滞納者からある一定条件(生活保護受給者や死亡など)

の対象者を除いていく作業です。

 

抽出条件に誤りがあって、

BPO業者のところにリストが来るまでに時間がかかりすぎてしまうことが良くありました。

 

 

難しい内容ではないのですが、Excelが苦手な職員が作成したり、

担当職員が長期休暇などで別の担当者が臨時で作成した場合、

1週間ズレることがあり、徴収計画も遅れてしまうことがあります。

 

 

滞納者一覧リストの作成方法は、Excelにあるデータをフィルタで加工する業務であり、

RPAに作成してもらった方が早いのではないかと思う業務の一つです。

 

 

 

また1人の担当者で作成してブラックボックス化し、リカバリーに時間がかかります。

 

このブラックボックス化は地方自治体では多々あります。

結局ブラックボックス化を防げないのであるならば、

RPAでブラックボックス化した方がいいのではないかと思えてしまいます。

 

変えることができないことに時間を費やすよりそれを前提で組み立てた方が早いと思います。

 

 

 

文書催告の可否については、判断の分かれるところですが、

RPAに一定水準は抽出させても良いのではないかと考えています。

 

50件に1件程度、判断に悩むものがありますが、

それ以外は一定のルールのもとに判断は可能であり、その抽出は可能かと考えています。

 

この点の運用について一定のルールを策定する点がポイントになるので、

優秀な職員、徴収率の高い他の自治体、優秀な社員がいる民間事業社などに聞くとよいかと思います。

 

 

 

文書催告の作成については、RPAで対応できるかと思います。

業務改善好きな私が担当したとある自治体で、生産性を10倍ぐらいに上げたことがありますが、

せいぜい10倍程度しか上げることができません。

 

生産性を上げる最大のネックになっていたのが、作業の大半を占めていたコピーアンドペーストでした。

 

 

自分でRPA導入後の試算してみたら、生産性が100倍くらいになりました。

 

いつもコピーアンドペーストを頑張っているBPOオペレーターの腱鞘炎も緩和するのにと思いつつ、

BPOオペレーターの仕事を奪いかねないと思い、その思いを封印した記憶があります。

 

 

 

 

5.まとめ


 

色々な債権回収システムを使って業務をしてみましたが、

地方自治体に使われているシステムや人そのものが、やはり旧態依然としており、

工夫できる部分はかなりあります。

 

 

私自身、必要があればクライアントに対してハッキリと物を申すので、

結果的に組織を変えていただくこともいたしました。

 

目的があり、その目的を達成するために必要な作戦や戦略を考えます。

 

RPAはツールの一種であり、目的達成のため、

その経過で楽をするためのものであり、手段の一つです。

 

RPA導入を目的としてしまっているような発言をする人が多々見受けられる業界です。

 

 

 

RPAの導入目的は、

 

生産性を上げ、付加価値活動時間の生成、

 

この2点を目的とし、その目的を明確に民間事業社に伝えるべきだと思います。

 

 

民間事業社はRPA導入を目的とし、

生産性を上げる、付加価値活動時間の生成、

この2点を目的にしていない事業者が多いので、

 

RPAというツールが話題になっているこの数年、

地方自治体の民間事業者を見抜く力が求められているように思います。

 

 

 

 

 

地方自治体におけるBPO【vol.5】・・・RPA

2018.10.01

 

 

【前回記事】

地方自治体におけるBPO【vol.4】・・・オペレーター側

 

 

 

 

これまで、BPO委託業者と自治体側、更にはオペレーター側について述べてきました。

 

 

50団体ぐらいの自治体にRPAの導入を検討しているか確認したところ、

半数以上の団体から担当者レベルでは検討したりしているようです。

 

 

しかし、課内会議や予算作成などの具体的な検討レベルまでに入っていないことも多いようです。

 

 

 

1.RPAとは

 

 

RPAとは、Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略語で、

それに近しい単語として、RDA(Robotic Desktop Automation:ロボティック・デスクトップ・オートメーション)

という言葉も出てきて、混乱もしてしまうかもしれません。

 

基本的には同じRPAという認識で問題ないかと思いますが、

RDAはデスクトップにいるロボットで、RPAはサーバーにいるロボット

そのような認識で良いかと思います。

 

 

RPAを分かりやすく言うと、自分が楽するための道具です。

 

 

例えば、通販のコールセンターであれば、商品の注文をメールで受け、

それを受注システムに入力する作業、全てRPAがやってくれます。

 

今書いているコラムをロボットが書いてくれると非常に楽ですが、

ロボットには考える力(AI)はないので、残念ながら自力で書くしかないわけです。

小説自動生成プログラムなるものは色々あるようです。

 

 

RPAについては、本ブログで様々な内容で書かれていますが、イメージすることが難しい方は

 

Youtubeで【RPA】で検索し、尚且つフィルタで時間を【短い4分以内】に選択してください。

 

2分前後の動画が、RPAの実際動いている動画です。

 

長い動画については、企業の宣伝部分もあり、

RPAが実際動いている動画が確認することができますが、肝心のみたい動画を探すのに面倒です。

 

 

 

 

2.BPOとの相性

 

 

現在、地方自治体の多くが、BPOを利用しています。

BPO対象業務として、前回もお伝えした

 

フロント業務(受付・窓口)、バックヤード業務(事務)、および中間業務(コールセンター・カスタマーセンター)

 

に集約されるかと思います。

 

なぜ、この3つなのかというと、業務の多数が単純定型業務という認識であり、

低コストで委託できるBPO業者に委託しやすいという判断のもと、委託されています。

 

 

単純定型と言っても、実際は失敗している地方自治体も多く存在しています。

 

また、単純定型に分類できない業務も含まれているケースもあります。

 

 

単純定型業務と言っても、人間はミスする生き物ですから、ミスは必ず生じます。

人はそのミスに気付かないまま、処理を続けてしまいます。

 

ロボットの場合は、エラーが生じると教えてくれます。

ロボットがミスする場合、それは人間の指示ミスになります。

 

 

 

BPOコンサルタントや戦略コンサルティングファーム出身にBPOセンターの管理を任せて、

失敗したこともあります。

 

人を管理する、殊にBPOに従事する人間を管理するというのは至難の業です。

 

BPOとして合格水準に達している地方自治体BPO案件があれば、

20件中1件あれば良い方かと思います。

 

残りの19件は残念ながら合格レベルには達しません。

それでも許されるのが地方自治体BPOです。

 

実際、地方自治体BPOでやっていることは、

単純定型業務でありRPAの対象領域が多くロボットで十分出来る業務が多いのですが、

残念ながらロボットではなく、人がやっています。

 

むしろ人よりもロボットにやらせた方が良い場合などが存在します。

実際、BPOの現場にいるとRPAをうまく活用すれば、

人がやるべき業務に専念でき、より良い効果が出ることでしょう。

 

 

 

 

3.BPOの導入

 

 

地方自治体BPOの導入が活発になってきたのはこの数年です。

まだ未導入の団体もかなります。

 

窓口業務だけで見ると、政令都市や中核市レベルだと8割ぐらい、

それ以外の自治体では2割ぐらいが導入済みです。

 

 

ある程度の規模がないとスケールメリットが少ないため、

小規模の地方自治体にとっては窓口業務の導入は難しくもあります。

 

 

あくまでも個人的感覚によりますが、小規模自治体では、

窓口業務より税金や保険料の徴収系コールセンターなどを積極的に導入している傾向があります。

 

それは単純に貸金規制法が改定され、債権回収系の業者が積極的に働きかけた結果、

 

元々そのような税金などの徴収の為のいわゆるアウトバウンド発信業務、

そのような業務を自主的に行っている職員の方は一部であるくらいで、

 

あまり徴収系(債権回収)業務に力を入れてないため、

そのようなノウハウが地方自治体にはなかったためです。

 

 

日本年金機構が徴収系業務を

「外部に代替的に委託した」という背景も恐らくそういうことだと思われます。

 

また、窓口業務と言っても、フロアで来庁者を窓口に誘導するフロア係のみを場合もあれば、

正規職員が本来すべき内容までを委託しているケースまで、

かなり幅が広いので、一概に窓口業務と言っても、やっている業務範囲はかなり違います。

しかも、所管課の方針によって変わります。

 

実際、地方自治体が

フロント業務(受付・窓口)、バックヤード業務(事務)、中間業務(コールセンター・カスタマーセンター)

のうち、嘱託職員、臨時職員、または正職員が行っていた業務を民間事業者に委託する際、

 

自労連(日本自治体労働組合総連合)などの組合から反発も多く、

総務部の部長などはかなり折衝に苦労したと聞き及んでいます。

 

 

苦労して導入したBPO、それを地方自治体がやめる、

そういう選択肢は簡単に取りえないことでしょう。

 

 

実際に導入初年度の総務部長にお聴きすると、

成功して本当に良かったと感謝のお言葉を頂戴したことがあります。

 

 

 

 

4.RPAの導入

 

 

実際、既に導入しているBPOをそのままRPAに変えるということは現実的に不可能です。

 

地方自治体BPOの目的の一つに雇用機会創出があり、そのような考えのもと、民間業者に委託しており、

働いている方の雇用の機会を奪ってまでRPAを導入しようとするのは、さすがに私個人でも反対します。

 

しかし、実際やっている業務そのものはRPAができる領域である。

 

実際、下記の業務については民間委託されてはいますが、RPAとの相性は非常に高いです。

 

 

●市民課窓口で転出届などを受けとり、行政システムに登録する。

●住民票の写しの請求書に基づいて住民票を発行する。

●国民健康保険の申請などを国保用のシステムに登録する。

●後期高齢者医療保険の申請などを後期用のシステムに登録する。

●介護保険の申請などを介護用のシステムに登録する。

●税金や国民健康保険料の文書催告を作成する。

 

 

しかし、RPAを導入しやすい業務だからといって、

現状それらの業務に従事している人たちが存在している限り、

それらの人達の雇用の機会を奪うことは出来ません。

 

一方、人が行う業務はミスが付き物です。

 

自治体BPOの現場では、業務の複雑化や従事者の高齢化が進んでおり、

人的ミスの発生比率はこの数年でかなり高まっています

 

 

国民健康保険、後期高齢者医療保険、および介護保険、

この3つの業務に関しては制度の改定により複雑化しているため、

正規職員の多くが敬遠する部署でもあります。

 

 

特に国民健康保険と後期高齢者医療保険の申請関係では、

運用上、委託の限界ラインを越えてしまっていました。

 

実際、BPOに従事しているオペレーターの年齢層が上がり、

ラジオボタンの選択ミスが日常茶飯事でした。

 

また、国民健康保険課の多くは、

給付、賦課、収納(徴収)の3部門に分かれており、

3部門の横のつながりが希薄で、部門ごとの運用の差異に振り回されることなどもあります。

 

 

RPAを導入することで運用の差異をなくすこともでき、

BPO従事者の業務を窓口での対応時間を増やすことに使うことで、

より良い市民サービスが出来るのではないかと思います。

 

 

 

5.まとめ

 

RPAを導入すれば、現在委託している業務のレベルを2段階は上げることが可能となります。

 

 

私が担当していた、国民健康保険課、納税課、収税課、債権管理課、介護保険課

などの具体的な運用面については次回に述べたいと思います。

 

【次回記事はこちら】

次回記事は10/16 09:00アップ予定!!

 

 

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