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RPA導入事例:住友林業

2018.02.13

  • RPAの導入背景

「技術が進化しているのに、頭を使わない作業が増えるのはなぜなのか」と住友林業のシニアマネージャーを務める成田裕一さんは4年前のある出来ことでそう思った。

2013年、丁度全社がMicrosoft Officeのバージョンアップを行っていた。互換性問題でExcelファイルがきちんと新しいバージョンでも動作するよう、事前にファイルを確認しなければならなかった。当時集めたExcelファイルの数は5000も超えたことに成田さんは驚かされ、スタッフが月半分以上の時間をExcel作業に使っていることに気づいた。IT技術を使って業務進化しようとしているが、業務の時間が減らず、むしろITがらみの作業が増える一方だという事実から、成田さんは本格的に効率向上を図ろうとした。

成田さんはIT部門の中にチームを作り、技術を使って作業時間短縮の方法を模索していた。解決方法を探していた成田さんが2年前、IT展示会で出会ったのがRPA テクノロジーズの「BizRobo!」だった。このサーバー型のRPAを使い、自動化が実現し、さらに他の部門や会社全体にすぐ普及できる。しかも当時「ノンプログラミングでロボットを開発できる」という宣伝があり、成田さんはすぐこのRPAツールの可能性に確信し、導入活動に入った。

  • RPA投資への説得

RPAを導入するには、コストも高ければ直後利益を出す訳でもない。会社を説得するために、成田さんは慎重に検討し、以下のシナリオを提示した。

ステップ1:社内の生産性を上げる。それだけでも費用は十分にペイできる

ステップ2:社内実践でノウハウを蓄積した後には、グループ会社に展開し、グループ全体の生産性を高める。

ステップ3:RPAで作ったロボットを外販する。これで収益も挙げられる。

また、失敗し時のことを考え、最初はRPA製品を購入するわけではなく、レンタル契約する型になった。

成田さんの努力により、導入が本格的に動き始めた。

  • 非エンジニアが主導したRPA開発

早速、住友林業情報システム社内での検証を開始した。最初は即効性のあるロボットを開発し、知識やノウハウを蓄積する狙いであった。また、「ノンプログラミングでロボットを開発できる」を検証するため、開発者をSE以外のスタッフにした。

そして、3人のメンバーが選出され、「業務効率○○時間の効果出すこと」という目標も与えられた。目標の設定し、ロボット化する前と後で作業時間がどれほど短縮したか、短縮した時間を人件費に換算すればそれぐらいのコスト削減が実現したのかを可視化にした。

開発チーム3人は「現場の役に立ちたい」と競争しあい、高いモチベーションを保ち、開発を進めた。1年をかけてデータ収集、書類のデジタル化、定期メール配信など26業務、70以上のロボットが開発され、月に約160時間の作業時間が節約できた。

  • 即効性のあるロボットを短期間で導入できた理由

成田さんの話によると、こんな短期間で成果が上げられたポイントは「業務全体を見直すのではなく、作業の部分最適をすること」だった。

業務全体を最適化しようとしたら、どうしても業務の関連部署の方々を集め、ミーティングから始まる。すると、部門それぞれの立場から「マニュアルはあるの?」「この業務の意味は?」というような質問が繰り返され、話が進まなかった。

成田さんは方法を変え、具体的な作業に集中した。効率化したい業務があったら、そのプロセスに沿ってそれぞれの担当者に作業にかんして詳しくヒヤリングをする。チェックリストを作り、作業の各ステップ内容と時間、繰り返し状況などを可視化する。このプロセスで、「すぐ自動化できる作業」があれば、即効でロボットの開発に取り込み。こうして、無理に業務全体を自動化するわけではなく、できるところから少し少しロボット開発をする。結果、3日間ほどの開発で、30分の業務が2分となる。積み重ね、短期間で即効性のあるロボットがたくさん開発され、業務時間が大幅に短縮された。

このやり方はもう一つのメリットは、開発者が「必ずしも業務プロセスを理解しなくてもいい」。もちろん開発者が業務全体を理解していたら一番だが、これもまた時間かかるし、開発経験の豊富なエンジニアしか対応できないため、コストも上がる。一方、成田さんの方針であれば、開発難易度とコストも高くないし、短期間で即戦力となるロボットが開発できる。

  • ロボットの履歴書と出勤管理システム

RPAの導入が順調に進み、社内各部署からロボット開発の依頼が殺到した。成田さんの開発チームも正式に「ロボ・ラボ」という名称に変更した。しかし、成田さんはすぐロボットの管理とメンテナンスに膨大な時間が必要となり、このまま開発が進まれたらロボットの運営が難しくなるということに気づいた。よって、現在ロボ・ラボは「ロボットを管理する仕組み作り」に力を入れている。

ロボットを効率的に管理するには、擬人化管理システムが作られた。すなわち、人間の勤怠管理のように、ロボットは現在どこで稼働中」なのか、いつまでメンテナンスをするのかを可視化できるシステムを開発した。こうして、一つのロボットが現在、どんな状況にあるのかを詳しく把握できるようになった。

擬人化管理の理由は大きく二つある。一つは改修履歴と稼働場所をわかりやすくするためであった。

ロボットはWebやExcelなどの操作を自動で行うことになり、ベースの仕様に変更があると作動できなくなる不具合が発生するリスクがある。そのため、ロボットそれぞれの機能、変更の履歴、働く場所など人間の履歴書のような情報を常に把握しておかないと管理するのが難しくなる。履歴書で管理すれば、システムに改修が加えられたら、その改修の影響を受ける可能性のあるロボットを抽出し、動作確認をすることがより簡単にできる。さらに、各ロボットのエラー情報を開発者に知られる「上司ロボット」も開発された。あるロボットが正常に稼働できない場合、この上司ロボットが情報を開発者に送り、対応の要請をする。

もう一つの理由は、「そのロボットを単なるソフトウェアとはみなさず、あえて人間に置き換えてみたほうが、管理方法をイメージしやすいのではないか」という成田さんの考えだった。

誰かが病気などで休むと、部署内の誰かがその仕事を分担しなければならない。人間にしては当たり前の話だが、ロボットでも同じことができるようにならないといけないと成田さんは気づいた。ロボットを人間にイメージして管理すると、この考え方がわかりやすく、従来の勤怠管理の仕方で数多くのロボットを管理することもイメージしやすいであろう。

  • RPAはITの開発基盤になる

RPA将来の可能性に関して、成田さんは「ITシステムの開発基盤にもなりうる、「世間ではユーザー部門主導で導入するケースもあるが、むしろIT部門が積極的にリードしてRPAを導入したほうがいい」と考えている。

現在、各企業はクラウドサービスを導入しているが、汎用なサービスであり、自社の業務に最適化していない。すると複数のクラウドを活用する場合サービス間を取り持つ作業を人が行うことになる。

例えば、経費精算のクラウドサービスと会計システムを利用する場合、金額などの項目の転記が必要となり、このプロセスでは上司の承認も含まれる。このシステムを効率化するには膨大なコストをかけて新しいシステムを開発しなければならない。しかし間にRPAを入れれば、実はより簡単かつてコストで実現できる。RPAはクラウドサービスと様々な業務アプリケーションを繋ぐ「ハブ」となると成田さんは考えている。

「即効性」を出すための方法を考え抜いて試し続け、経験から得た知見は、他の導入検討企業に惜しみなく共有している。「ステップ3」に入った成田さんのもとには今や、さまざまな企業が相談に訪れるという。

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