fbpx
■サイト内検索:
 

RPA Biz > RPA > RPA導入の進め方~事例から見るノウハウ・必要ステップ(1): 最初の業務分析・棚卸

RPA導入の進め方~事例から見るノウハウ・必要ステップ(1): 最初の業務分析・棚卸

2018.05.08

RPA開発前に業務分析が必要な理由

今回のシリーズでは、RPA導入を検討されている企業様に対して、必要となるアクション、各種成果物のイメージをお伝えしていこうと思います。まず、RPAの導入を進めるに際し、

 ・どの業務がロボット化の対象となるのか?

 ・具体的にどのくらいの業務量削減は見込めるのか?

 ・導入に際して、人間側の業務はどのような変更が強いられるのか?

このあたりの、ポイントを抑える事が開発開始前に重要となります。これらの点を踏まえずに闇雲に開発を進めても、「手間はかかったが大した効率化になっていない」とか「業務手順が大きく変わってしまい、現場の社員から不人気で使ってもらえない」といった現象が起きてしまいます。このような事態を避けるために、RPA導入前の業務整理・分析は欠かせません。

今回のブログでは、特にこの業務分析フェーズの最初の段階を扱いたいと思います。

開発前段階におけるRPA導入の進め方

 

 (1)RPA導入に向けた業務分析に入る前の初期コミュニケーション

また、この前工程の業務分析フェーズは、コンサルタントと経理、人事総務などの現場担当者とのヒアリングセッションを通じて行われます。これは、上記論点を明らかにするのが第一目標ではありますが、実は隠れた目的もあります。それは、コミュニケーションを通じて、現場担当者様にプロジェクトの趣旨を理解してもらい、協力関係を築くことRPAに対する理解を深めてくれることにあります。

RPAも大きな括りで言えば、BPR、つまり業務改善・効率化の一種です。このカイゼン活動を続けていくには、現場の協力が無ければ不可能であることは自明の理でしょう。実際にRPAによるロボットと共に協働していただくことになるのが、経理財務や人事総務、営業事務といった現場の方たちです。この現場の協力を得られるかどうかで、ほぼプロジェクトの成否の半分以上は決まると言えるでしょう。

 

「プロジェクトの趣旨を理解してもらい、協力関係を築くこと」

これはプロジェクトの趣旨を分かりやすい言葉(キャッチフレーズ)にして伝えることから始まります。このタスクは社員に対して説明責任のある経営陣、トップからコミュニケーションをとるべきです。当たり前ですが、メッセージの受け手の印象は、「発言内容(=コンテキスト)」、「発言者」、「タイミング・場所」で決まります。特に同じ内容であっても、誰からの発言かによって、社員はそのプロジェクトの本気度を測ります。トップの本気度の低さを見透かされるようなコミュニケーションでは、現場は動きません。

特に、業務改善や効率化の施策は、現場にとって人員削減の伏線のような捉え方をする類のものです。そういう趣旨ではなく、あくまで、今いる人間の社員の残業時間を減らし、定型のルーチン作業からなるべく解放し、本来すべき頭の使う業務に専念してもらうためのプロジェクトであることをしっかりと謳うべきです。近年よく標語として使われている「働き方改革」のコンセプトを踏まえるのも有効です。

そのようにトップからプロジェクトの趣旨・目的を伝えていただき、より具体的な業務整理・分析フェーズに入ったら、コンサルタントは再度同様の説明を現場の方一人ひとりに対してしていきます。このようなコミュニケーションは繰り返すことが大事です。トップからのメッセージ+現場での分析フェーズでのコミュニケーションを繰り返すことで、協力体制を築いていきます。

 

RPAに対する理解を深めてくれること」

経理財務や人事総務といった管理部門の方たちは、その専門分野のプロフェッショナル性で採用されており、RPAによるロボットについての知識はもちろん最初はお持ちではありません。意識の高い、一部の社員の中には、既に文献で調べていたり、もしかしたらご自身でいくつかのフリーツールで試されている方がいるかもしれませんが、多くの現場の社員の皆さまは初めて聞くことが多いと思います。

ここで大事なのは、「答えは現場が持っている」という姿勢です。実際、経理財務や人事では比較的、各会社で行っている業務内容、使用ツールにバラツキは少なく、コンサルタント側である程度RPAの適用領域の目途が立てやすい部門ではあります。ただ、それでもイメージとしては、60~70%程度は企業横断的な汎用的RPA30~40%はその会社固有のRPAを開発することになるケースが多いです。必ず少なくとも2~3つの良いアイデアは現場担当者様から挙がってきます。この時に、「RPAでできること・できないこと」をしっかりと担当者様に伝え、一緒にロボット化のアイデアを考えていくという姿勢が非常に重要になってきます。

RPAの仕様、できる事・でき無い事を伝えるに際して、パワーポイント等による言葉で伝えるのも一般的で効果が見込める手法ですが、百聞は一見に如かず、簡単なデモをお見せするのをお勧めします。画面上で勝手にロボットが作業していく風景は、一般の社員の方たちからすると目新しく、興味を引くことでしょう。好奇心から会話も弾むと思います。その上で、冷徹に「できること」と「でないこと/苦手なこと」を伝えていくのが効果的です。

  

パワーポイント(PPT)によりRPA説明資料例

 

 RPAデモの例

 

 

参考リンク; RPAで課題解決できることとは?

 

(2)RPA導入に向けた初回業務ヒアリング ~ まずはRPAに拘らず現状業務を客観的に分解

それでは、いよいよRPA導入に向けた業務分析に入ります。ですが、ここで重要なのは「いきなりRPA対象業務の深堀りは行わない」ということになります。急いては事を仕損じる。つまり、まずは通常のBPRの手法を用い、ヒアリングを通じて平易に現状業務を分解・整理していくことを優先します。まずは全体像を抑えてから細部に行く、これは客観性を担保しなければいけない業務コンサルにとって必須の姿勢です。

まず、プロジェクト進行上の効率化を考えて、既存にあるマニュアル、SOP、タスクリスト、フロー図等を現場担当者様より提出していただきます。上場企業であれば標準フローを定めたマニュアルやSOPを持っている可能性が高く、またそうでなくとも、経理部門等は月ごとのルーチン業務が多く、かつ月締めの関係で日ごとのマイルストーンはが重要になってきます。即ち、そのような業務においては、月ごとに「今月すべきこと」のタスクリストをしっかりと作っているケースが多く、そのような一覧表も業務理解に役立ちます。大事なのはまずは、対象部署の業務全体を網羅した資料を手にいれることです。経理財務や人事はある程度行っている業務は推測できるので、コンサルタント側でたたき台を作ってのディスカッションも可能ですが、総務となると各社によってかなり行っている業務がことなってきます。この場合は、やはり現状業務のリストは現場側で用意してもらうほうが望ましいでしょう。

実際にはこの初回ヒアリングでは、現場部署側の既存資料を使ったディスカッションを行うことが多いですが、コンサルタントは、次フェーズに必要となる「RPA用業務リスト」の成果物イメージを念頭に置きながらディスカッションをリードする必要があります。現場から出された既存資料は、それはそれで有用であり、ディスカッションの呼び水とはなりますが、RPA対象業務選出用のメッシュになっているわけではありません。また、業務時間等の情報が抜けていたりします。むしろ●営業日内にする、といったリードタイムの記載が多い印象でしょうか。従って、次フェーズでより詳細にRPAによるロボット化機会を探っていく上で、コンサルタント側で、新規に書き直す必要はどうしても出てきます。現場担当者に余裕がある際は、そのRPAプロジェクト用の業務リストに書き直してもらうことをお願いすることもできますが、実際はそのような余裕は現場担者様にはないのが実情のようです。一旦、既存資料だけを共有して、そこでヒアリングを1回行い、コンサルタント側でRPAプロジェクト用の業務リストに書き直した上で、ロボット化機会をより精査する2度目のセッションを行う、といった方法がとられます。

 

既存業務情報の例

 

 

 ヒアリングの際には、以下の点を特に重要視して聞きます。

 ■業務フロー上の5W1H

  ・Who:業務担当者

  ・What:何の業務を

  ・When:いつ

  ・Why:なぜ/何の目的のために

  ・Where:どこで

  ・How: どのシステム/ツールを使ってするのか

 ■業務の複雑性(RPA導入の難易度)

  ・対象部署内における担当者ごとの手順のばらつき

  ・業務ルールの脆弱性、例外処理の多さ(フローの分岐の多さ)

  ・業務フローを標準化する際のリスク・ボトルネック

 ■業務量、リードタイム、発生タイミング

 

 

「業務フロー上の5W1H

まずは、RPA対象の有無にかかわらず、広く浅く業務フローを聞きます。この際に重要なのは5W1Hの視点、間接業務であればWhere(作業場所)は事務所になるのはほぼ自明なので、特にWho(誰が)、What(何の業務を)、When(いつ)Why(なぜ)、How(どのシステム/ツールを使って)の4W1Hが重要になります。Whyについてはなおざりになりがちですが、これは「そもそもその業務がいるのか?代替できないか?」というBPRの視点を入れる上で非常に重要になりますRPAの目的は業務量削減にありますが、何もロボットだけに効果を限定する理由は、経営層にも現場にもありません。また、RPAを導入する段階になったときに、人間側の業務手順も変更しないといけないケースも出てきますが、その業務フローの変更の正当性・可否を判断する上でも、その業務の目的(Why)を聞いておくことは重要です。

また、Howの「どのシステム/ツールを使ってするのか」という視点も特にRPAのプロジェクトでは重要になってきます。なぜなら、ロボットはシステム/ツールの種類により可動性が強く依存されてしまうからです。経理の場合は、まず会計システムが挙げられますが、その他にも開発ソフトウェアの資産計上のために勤怠データの使用もでてきます。また、経費申請や通常の請求書の支払申請ではワークフローシステムが使われているでしょう。また、自社から顧客に対する請求書発行業務にもシステムが使われているケースもあります。人事では、勤怠システム以外でも、採用管理や、内部の人事評価でSaaS型のクラウドサービスを使っているでしょう。営業事務ではセールスフォース等のSFAを使った顧客情報入力業務や、営業進捗のレポーティング業務が挙げられます。これらシステムの周辺領域として、おそらく各社独自にExcelでの管理帳票を作られていると思います。このシステムtoシステム、もしくはシステムtoエクセルの領域が、RPA導入の一大機会となりますので、特に注意が必要です。システムによってはRPAが上手く作動しないものもあるので、何のシステムを使っているのかの情報は必須で取得します。

 

「業務の複雑性(RPA導入の難易度)」

次に、対象業務の複雑性、RPA導入する際の難易度についてヒアリングを通じて推し量ります。まず、現時点において社員側で作業の手順が異なっており、定型ルールが未だ定まっていないケースがあります。この場合、RPAの導入以前に、まずは人間側のフローを標準化する必要があります。これは経理部や人事総務部内の作業手順だけの問題であれば比較的容易に標準化できるものだと思います。ベストプラクティスをしていると思われる熟練者にヒアリングし、その方のフローを標準とする考え方が一般的です。

次に、業務ルールの脆弱性、例外処理の多さ(フローの分岐の多さ)を精査します。業務ルールが定まらない理由としては、経理財務や人事総務と言ったRPA対象部署以外の要因が働いていることが多いです。つまり、事業部側や取締役など上層部の方たちの業務手順・やり方がコントロールできず、それが故に例外処理が多数発生しているケースです。このような自部署以外の領域を標準化する話になると、変革の負荷は高くなります。この場合、後フェーズで分析する削減時間見積との見合いで社内協議する形となりますので、ROI的な視点、費用対効果の観点を持つことが社内を動かすうえで重要となります

上記のような業務の複雑性を聞いていくうえで、仮に業務フローを標準化する際にどのようリスクがあるのか、ボトルネックは何かを確認します。先述したように事業部側や上層部に業務の仕方の変更を迫る場合、これら外部の社員、取締役に負荷をかけることになるかもしれません。もしくは、何か新しいシステムを導入することになっており、そのシステムの仕様が決まらないうちは、どのような標準化がいいのか決まらない、といったケースもあります。その場合は、新システムの仕様決定というのはボトルネックとなり、それまではプロジェクトが進捗できないと言えます。

 

「業務量、リードタイム、発生タイミング」

この「業務量、リードタイム、発生タイミング」については、5W1HのWhenにも通じる項目ですが、特にRPA導入検討において重要な点になりますので、改めて取り上げます。業務量は、FTE(Full Time Equivalent)という言葉や、単に業務時間という言葉で表されます。FTEは例えば1人月=1 FTEと換算し、対象業務がそのうちどの程度を占めているかを表します。ただ、一般的に現場では扱いにくいコンセプトですので、ここでは普通に●●時間といったような業務時間を使うことが多いです。この場合、一般的に毎月●●時間というように均すのが一般的です。例えば、週に3時間の業務量であった場合は、3時間×4週=12時間/月というようにします。また、四半期に1回の業務で6時間かかる場合は、6時間÷3か月=2時間/月といような計算をします。

ここで大事なのは、この業務量の概念とリードタイムの概念とを混同しないことです例えば、ある業務が月初から5営業日以内に終わらせるものだったとしたら、リードタイムは5営業日となりますが、業務量は必ずしも5人日とは限りません。5営業日の中で他業務もしている可能性は有りますし、また実は複数名でその業務を対応しているケースもあります。現場担当者様にヒアリングをする際には、その点をしっかり説明して回答して頂くことが求められます。

次に、発生タイミングについてですが、例えば毎日なのか、毎週なのか、各月か、半年に1回なのか、などを明らかにします。基本的にRPAに向いているのは高頻度の単純作業です半年に1回であったり、年1回であったりする業務は、そもそも次の発生時にルールが変わっている可能性も高く、ロボット化が難しかったりします。また、半年・年1回の業務だと月に均すと実はそれほど業務量がなかったりします。このように低頻度の業務はなかなかRPAの対象とはならないのですが、但し、それが年度末であったり組織改編のタイミングであったりと、他業務の負荷も高く人員リソースがひっ迫してしまう時に発生する業務であればRPAの対象として有望となりえますこれは月に均すと大した削減時間にはならないかもしれませんが、決算報告のタイミングが早くなったり、社員の負荷感の軽減・深夜残業の抑制等、時間削減以外のメリットが訴求できる可能性があります。その場合は、その点を注記しておくと良いと思います。

 

次のコラムでは、この初回ヒアリング終わったあと、2回目の精査ヒアリングの話に移ります。乞うご期待ください。

 

RPA導入の進め方~事例から見るノウハウ・必要ステップ(2): 2回目業務ヒアリング~RPA機会の精査・深堀り

 

2019年5月に東京ビッグサイトで開催される展示会への出展が決定しました。

期間中は、RPA導入に関する無料相談会を実施いたします。無料相談会のご予約はこちらまで。

topへ
© RPA.biz