fbpx
■サイト内検索:
 

RPA Biz > RPA > RPAで課題解決できることとは?

RPAで課題解決できることとは?

2018.02.08

 「働き方改革」という言葉が声高に叫ばれていますが、業務量がすぐに減ることはなく、どうにかして業務効率化を図る必要があると頭を悩ませている方は多いのではないでしょうか。業務自体を見直すというのも一つの手だが、ツールの力を借りるという手もあります。そのために有効な手段としておススメなのがRPAです。
 RPAとはRobotic Process Automation(ロボティックプロセスオートメーション)の頭文字をとったもので、Blue Prism社が使い始めたのが最初だと言われています(ガートナー社によるとBlue Prism社は世界のRPA市場を占める3強のリーダ群のうちの一つ)。機械型ロボットが工場で生産業務を行うのと同様に、ルールエンジンや人工知能(AI)などを活用したソフトウエア型の仮想ロボットがパソコン上のルーティンワークを代行・自動化する概念と説明されています。
 もっと簡単に言うと、エクセルでいうところのマクロです。あらかじめ記憶させておいた動作をRPAは自動で処理してくれます。マクロはエクセルでできる範囲内でしかルールを覚えさせることができないですが、RPAは、得意・不得意はあるものの、パソコン上でできる操作についてルール化されていれば記憶して、自動処理を行うことができます。一般的にRPAは定型作業が得意なため、バックオフィスで行われる作業に向いていると言われるが、それ以外のことができないわけではないです。使い方次第では広い汎用性が認められています。今回は、RPAで業務効率化をどうやって図るかについて説明しましょう。
 例えば、生命保険の申し込みをする際に顧客は保険会社が作成した申込書に必要事項を記入します。保険会社は申込書に書かれた内容を手入力でパソコンに打ち込み、打ち込まれた内容を別の担当者が確認するという業務プロセスがあったとします。どんなにタイピングが早い人であっても、処理が必要な申込書の枚数が多くなれば、全てを処理するのに時間がかかるし、入力ミスや入力漏れなどミスの可能性も高くなります。人によるダブルチェックを経ていたとしても大量のデータを処理する場合はミスが増えやすくなるのは自明のことです。
 RPAを使うと、入力作業をあっという間に自動処理してくれます(手書きの申込書の場合、RPAだけで業務を処理することはできないため、画像認識ソフトであるOCRを使ってまずは申込書に書いてある内容を読み込む必要がある)。定型的な入力、確認作業のルールをあらかじめRPAに覚えさせておきます。その際にAという欄にチェックがあればBという動作を行うが、Cという欄にチェックがあればDという動作を行う、というように、条件分けによる別動作を覚えさせることも可能です。入力内容や申込書に不備がなければ基幹システムへ入力し、入力作業が完了すればその旨をメール等で知らせてくれます。不備があったものについても通知するようにルールを覚えさせておけば、担当者は不備があったものだけをチェックするだけで良いです。複雑な判断を伴うような作業についてはRPAは不得意なので人で行うことになるが、ルール化できるようなものであれば、RPAが判断することもできます。
 このような業務にRPAを導入することによって某生命保険会社では80人で担当していた業務を十数名でこなせるようになったとのことです。単純に人的リソースが減っただけではなく、業務時間の短縮及び業務内容の高品質化も図れたとのことでRPAが強力なツールであることが実証されました。
 他にも、社内にある名簿と外部データを仮名氏名、漢字氏名、生年月日などで照らし合わせ、契約の有無をチェックする業務をRPAが代行するようになり、事務工数の40%が削減され、ミスも減ったという事例が報告されています。
 RPAが業務効率化に資するといわれる理由はいくつかあります。
 まず一つは、RPAは大量のデータであっても人間が処理するより早く処理することができるという点です。また、大量に素早く処理できるだけでなく、ミスがないことも特徴です。業務の特性上、人が行わなければならない業務もあり全てをRPAに代行させるわけにはいかないが、それでも作業工程数は減るため、人的リソースを他の業務に配分することができ、業務効率化が図られます。
 続いて、RPAはシステム開発とは異なるため、コーディングが不要で必要なときにロボットに必要な業務を代行させることが可能である点がメリットです。専用のシステムを開発すれば業務効率化は図られるため、RPAである必要はないが、システムを開発するには時間と費用がかかることが大半であり、システム開発をしている間にそのシステムは不要になったというケースも想定されます。しかし、RPAなら必要なときに必要な業務のみを代行するようロボットに覚えさせれば良いため、迅速な対応が可能です。そこで業務効率化という点だけに着目すればシステムを開発するのと何ら変わりはないが、即効性の点でRPAに軍配が上がります。RPAが代行するシステムが複雑でなければ、導入にかかる時間は数週間程度であり、少しずつ導入範囲を広げていくことも可能です。また、RPAにルールを覚えさせる場合、IT関係の知識がなければ各ベンダーが開催している研修会などに参加して学ぶ必要はありますが、RPAの種類によっては数日間の研修で一定の操作を身に付けることができるため、技術者を別途雇用する必要がないのも魅力です。
 RPAは金融業界で使用されてましたが、今やその適用範囲をどんどん広げています。例えば、経理システムと調達システムがそれぞれ独立したものである場合、システム間のデータ連携を人で行っていたものをRPAが代行し、データを一度入力すれば後はRPAが自動的に処理することも可能だ。経理システムや勤怠管理システムなどは、多くの企業が利用しており業界に左右されるものではないため、どの業界でもRPAの導入が可能です。交通費などの経費精算や勤務時間の管理などRPAが代行できる作業は多いです。ルーティンワークが一つの部門に集中している企業ほど、RPAの効果が出やすい傾向にあるともいわれています。
 昨今ではITツールの進化が目覚ましく、現段階ではRPAが不得意とする業務であっても数年のうちには不得意ではなくなっている可能性もあります。業務量をすぐに減らすことは難しいがツールの力を借りれば、人の業務量を削減することは可能です。働き方改革が声高に叫ばれている今こそ、ITツールを利用した業務効率化を実現化すべきタイミングなのかもしれないですね。

topへ
© RPA.biz