2020.04.14
データテーブルやエクセルの表のようなデータの集合体を処理する際に便利なOrchestratorの機能「Queue キュー」を使用したロボットの作り方について何回かに分けて開発現場で使用した例をもとに解説していきたいと思います。
今回はキューとトランザクションについての説明と、キューの作成方法と画面の解説をしていこうと思います。
ざっくり説明すると、無期限にデータを保管できる収納機能といえます。
キューに格納されたデータをロボットが処理を実行しその実行結果や実行日、実行ログ等をOrchestratorより確認できます。
そのためOrchestratorを使用されていて且つ大量データの処理を行う場合は、キューを使用すると処理対象のデータ管理や結果確認等が簡単に行えるかと思います。
もう少し細かくキューについて説明していきます。
顧客データや商品IDなど様々なデータ項目の事をキューアイテムと言います。
このキューアイテムは、Studioアクティビティ「キューに追加 Add Queue Item」を使用してデータをセットすることができます。
Studioアクティビティ「キューを取得 Get Queue Items」等を使用しキューアイテムの処理を行うとトランザクションになります。
図を使って説明すると下記のように上から下に向かって処理が進み、その過程でキューアイテムからトランザクションへと移り変わります。
この例では処理対象データをエクセルより取得し、取得したデータをキューに追加します。
キューに格納されたデータはキューアイテムとなります(未処理のデータ)。
次に格納されたキューアイテムをロボットが処理を行うとトランザクションとなり、処理結果やステータスがトランザクションに追加されます。(処理済みのキューアイテム)
よりキューとトランザクションについて詳しく知りたい方はこちらをご確認ください。
キューとトランザクションについてイメージがついてきたでしょうか?
続いてはキューを使用する場合に必要なロボットの処理をあげていきます。
業務の処理を除いた場合ざっくり分けると下記の2つの処理が必要になります。
――――――――――事前準備――――――――――
・Orchestrator上のキューに格納する先(収納スペース)を作成
――――――――――キューにデータを追加――――――――――
――――――――――トランザクション処理――――――――――
よくあるパターンは、キューにデータを追加処理とトランザクション処理でロボットを分けることが多いです。
理由は、処理データが追加されるタイミングと、実際にデータを処理するタイミングが異なる場合が多いためロボットを分けて実行する方が、実行ロボットを長時間専有せずに済むからです。
始めに処理データを格納するキューを作成しましょう。
Orchestratorにログインし管理画面(ダッシュボード)を開いてください。
左側のメニューバーのオートメーション>キューを開きます。
表示された画面には、作成したキューの一覧が表示されここから実行結果やステータスを確認することが可能です。
右上にある+(追加)ボタンをクリックすると、キューの新規作成画面が表示されます。
【必須】名前:キューの名前
【任意】説明:キューに格納するデータの説明文
【任意】一意の参照:
はい:追加されるデータに一意の参照を設定するように指定できます。
いいえ:重複した参照を持つデータをキューに含めることができます。
【必須】自動リトライ:
はい:エラー(アプリケーション例外)発生時に再試行を行います。
いいえ:いかなる場合でも再試行を行いません。
【必須】最大リトライ回数:エラー(アプリケーション例外)発生時に再試行する最大回数。
上記の項目を入力後、「追加」ボタンをクリックすると新しくキューが作成されます。
キューの処理終了後に各データの実行結果を確認する場合はロボットの実行ログから確認するよりも、トランザクションを表示から確認するとわかりやすいと思います。
次はトランザクションの確認方法について説明していきたいと思います。
「トランザクションを表示」より、かくトランザクションの実行結果や実行日などが確認できます。
表示方法はキューの管理画面の対象トランザクションが格納されているキューの右側にある「…」(その他のアクション)をクリックし「トランザクションを表示」をクリックすると各トランザクションの詳細情報が表示されます。
トランザクションの一覧ページです。ステータスや実行ロボット、実行日などを確認することができます。
より詳細情報を確認したい場合は、対象のトランザクションデータ行の右側にある「…」(その他のアクション)より「詳細を表示」をクリックします。
対象のトランザクションの詳細、コメント、履歴を確認することができます。
今回はキューとトランザクションについてとキューの管理画面についてご紹介しました。
開発者以外の方でもトランザクションの実行結果を確認する機会があるかもしれませんのでここでご紹介した方法は覚えておくと便利かもしれません。
次の「キューの使い方は?」では
・キューにデータを追加するロボット
・トランザクション処理を行うロボット
の簡単な作成方法についてご紹介いたします。
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