2019.07.31
デジタル分野で活躍する人材を育てるために近年情報の授業が実施されているのは誰もがご存知の話かと思います。
小学校でパワーポイントを使ったプレゼンテーションや、高校生でHTMLのタグ打ちでホームページの制作を授業で実施することは10年以上前からあるかと思います。
また授業ではありませんが、情報分野を専門としない大学の研究でもLaTeXで資料作成を求められることがごくわずかですがあるようです。
このように、情報分野を専門としない学生にもITに当たり前のように触れる機会が多いなか、情報内閣府の統合イノベーション戦略推進会議は2019年3月に設定した、デジタル社会の基礎知識である「数理・データサイエンス・AI」に関する教育の目標から、今後学生がプログラミングに触れるのはもちろんのこと、より発展してAIやブロックチェーンなどの最先端の技術を開発する未来が期待できるのではないでしょうか?
(以下抜粋)
デジタル社会の基礎知識(いわゆる「読み・書き・そろばん」的な素養)である「数理・データサイエンス・AI」に関する知識・技能、新たな社会の在り方や製品・サービスをデザインするために必要な基礎力など、持続可能な社会の創り手として必要な力を全ての国民が育み、社会のあらゆる分野で人材が活躍することを目指し、2025年の実現を念頭に今後の教育に以下の目標を設定:
(以上抜粋)
さらに、小中学校に対する目標・取り組みも発表されました。
(以下抜粋)
(以上抜粋)
高校生から基礎的な教育を実施することはもちろんのこと、小中学校に対して児童生徒一人一人がそれぞれ端末を持ち、ICTを十分活用することのできる、ハードウェア・ネットワーク等の環境整備を達成するため、クラウド活用、低価格パソコンの導入、ネットワーク・5G通信の活用を視野に入れた検討を行っていることが注目すべき点ではないかと思います。ある大学の情報系の専門科目ではWiiリモコンを使った課題を出すことがあるようですが、今後ゲーム機やスマートフォンを使ったプログラミングや簡単なゲームやツールを制作するといった課題が小中学校で実施されるような日がくるかもしれません。
近年日本の高校生プログラマーが企業で活躍する事例が見られます。
「高校生でドワンゴのエンジニアに!?山中勇成氏の人生を変えた、14歳でのプログラミングとの出会い。」https://careerhack.en-japan.com/report/detail/146
高校1年生でドワンゴにエンジニアとしてスカウトされ、アルバイトを始めた山中勇成氏。
山中氏は中学2年生の頃放映されていたドラマブラッディ・マンデイの天才ハッカーである主人公に憧れ、C言語のテキストを買って勉強を始めたのがきっかけだったと語っています。
現在は大学卒業後サイバーエージェントで活躍しているようです。
「天才はこうやって育つ——Appleが認めた高校生プログラマーの日常」
https://www.buzzfeed.com/jp/yuikashima/yuji-sasaki-is-a-programmer
Appleが開く開発者向けのイベントWWDCにスカラシップとして日本人の高校生が招待されました。
「1億調達した16歳天才プログラマーは日本復活をかけて東京で戦う」
https://www.businessinsider.jp/post-107078
この記事の中で当時16歳の山内奏人CEOは「東京のGDPは世界一で、巨大市場にも関わらず、圧倒的に日本のキャッシュレス化は世界から遅れている」ことを指摘しており、スマートフォンにインストールすれば、店舗は専用端末を導入せずとも、顧客のカード決済が可能になるアプリ「ONE PAY」を開発しています。
なお、海外では、15歳の時に自作のニューラルネットワークを構築したことがある高校生がAIに関する論文を発表しました。
「17歳の高校生が人工知能の研究論文を発表!その驚きの内容とは」
https://aizine.ai/paper-0331/
彼らが初めてプログラミングに触れた時期は様々ですが、小中学生の頃に初めて触れたというのが多いようです。
小中学校でプログラミングに触れる機会が増えることで、学生時代から企業で活躍するだけなく、論文の投稿などで評価される事例もより多くなるかもしれません。