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AI導入を前提としたRPAの構築

2019.03.15

 

 1.はじめに

RPA元年といわれた2016年から早3年。金融機関における業務効率化で高い実績を挙げたのを皮切りに、多くの企業で導入が進み、話題に事欠かないRPAテクノロジー。

 

一定の作業ルールを基に定型作業を自動で繰り返す「Class1」に対し、非定型業務の自動化を可能にする「Class2」の実現も、近年期待が高まってきています。

 

 

反面、多くの企業でRPAの導入が進む一方で、当初ロボットによる置き換えを期待されていた「自動化可能な定型業務」のうち、約20%しか自動化が達成されていないといわれる現状があります。

 

原因は、定型業務と言いながらも、部分的に人が介在するなどして作業ルールに収まりきらない「例外処理」が多く発生しているためであり、それによりRPAによる働き方改革、デジタルレーバーの実現を阻害されているのです。

 

こうした「例外処理」をRPA×AIの組み合わせで対応できるようにするのが、「Class2」での自動化。近頃は、このような高度化したRPAソリューション、いわば「自動化対象業務の拡大」が大きなトレンドとなっています。

 

 

 

2.AIの搭載で変わるRPAソリューション

「単純作業の業務自動化」を第一段階(Class1)とすると、AIの搭載はそのNEXT STEP、「経験・ノウハウに依存する業務の自動化」です。

ディープラーニングや自然言語・画像・音声処理を搭載することで、構造化されていないデータからの情報取得や、蓄積された情報からルールを作成した上での処理業務、はたまたナレッジをベースとした問い合わせ対応など、自動化領域がぐんと広がることになります。

 

 

一般的なRPAツールは、頭脳に当たるAI機能を本来有していません。

RPAツールベンダーの中には、積極的にAI機能を取り込んで製品をリリースしているところもありますが、すべての要件をカバーできるものではないため、自動化対象業務によって柔軟に組み合わせが可能なRPAツールとその業務にあったAI技法を選択することが必要です。

 

 

 

3.業務分類と対応AI

以下、自動化対象業務とそれに見合ったAI技法の組み合わせの例です。

 

  • 条件をパターン化(定型化)することが可能な業務⇐ルールベースAI

より単純な作業、ルール化可能な業務については、ルールベースAIを用いて自動化が可能です。

 

ルールベースAIとは、判断を要する処理に際し、ある条件に対して行う処理を予め登録しておき、ロボットに対応させるものです。プログラムとしては、「Ifthan~」といった基本的なIf文形式のものが該当します。

If文やSwitch文を使用して場合に応じた処理方法を記述しておけば、状況に応じた判断を指定しておくことが可能に。加えてこうした構文に「else」を用いることで、条件に当てはまらない場合のアクションを選択することができるようになっています。

 

設定するルールの数が、Excelでテーブル化できるレベルであれば、マクロやVBAプログラムで簡単に作成が可能。こうした処理をRPAで実行する際は、RPAツールにキーボード・マウス操作のみを設定し、ルールのコーディングについてはExcel等の表計算ソフトに記述し参照するようにすれば、多くの判断を要するデータ処理が可能になります。

 

 

  • 複雑な判断材料を持つ業務⇐推論エンジン

推論エンジンは、ルールベースを発展させた知識ベースのインプットを基にワーキングメモリを利用して推論を可能にしたものです。

 

あらかじめ可能な限り知識ベースにルール群を登録し、一方でワーキングメモリを独立させて、課題に関するファクトデータや特徴を表すデータを格納しておきます。こうすることで、知識ベースのルール群とワーキングメモリに蓄積された情報を推論エンジンが照合し、回答を吐き出すシステムです。

 

前述したルールベースAIのほぼ断定に近い回答から、推論エンジンではやや抽象的な内容の判断も可能になるのが特徴であり、事象に対する判断としてある種曖昧性・不確定要素を持たせることで、より人間らしい動き・思考を実現しています。

 

これにより、断定しにくい判断がつきまとう業務・処理についても自動化できる可能性が広がりました。

 

 

  • 知識のストックを必要とする業務⇐機械学習

蓄積された知識を基に判断を要する業務は、最新のデータを常時リアルタイムで追跡・追加し、それらを判断材料としなければならないため、機械学習を用いることがあります。

 

一口に機械学習といっても、それは特定のプログラム/アルゴリズムを指すわけではなく、様々な技法があります。

たとえば、対象範囲の中で似ている性質の集合データを取り出す手法である「クラスタリング」。

Try & Errorを通じて「現時点で価値を最大化できる行動」を学習する「強化学習」。

さらに、最近画像認識やデータマイニングに用いられる「ニュートラルネットワーク」。

 

「ニュートラルネットワーク」は、その名の通り神経伝達の仕組みを倣った手法で、学習によりデータの相関性(シナプスの結合強度)を変化させ、問題解決能力を持たせています。それにより、多次元量のデータ(画像や統計など)を対象にした問題に対し、比較的軽い計算量で解を得られる特徴があります。

 

 

  • ビッグデータを活用する業務⇐ディープラーニング

膨大なデータ(たとえば大規模チェーン各店の購買データ、ユーザーの移動データ、IoTの通信データなど)を学習・処理させるには、コンピュータ自体が自律的に処理をしなければなりません。

よく機械学習とディープラーニングが一緒くたに語られてしまうことがありますが、そもそも機械学習の多くは、いわゆる「教師あり学習」という人間が与えていたデータ処理の指示やパラメータによるアルゴリズムの調整などを必要とします。

つまり、データを処理させようとすると、まずコンピュータにデータ分類させるべく、それぞれの特徴の指示を必要としているのです。

 

その点、ディープラーニングは、前述した「ニュートラルネットワーク」(教師なし学習)を多層化して学習し、コンピュータ自身が特徴となるデータ・要素を抽出できるようになっています。これが自律型のAIであり、自動運転や音声検索など、ヒトの能力に依存していた画像認識や音声認識を必要とするフィールドで活躍する部分です。

 

 

本来、自己学習=自律を可能にするのに、コンピュータの膨大な学習時間や、処理のためのコストを必要としていましたが、コンピュータの処理能力の向上によって、近年実用化が積極的に進められています。

ディープラーニングの台頭は、ビッグデータ活用の存在感の高まりを意味し、各企業で従来活かしきれなかったデータを有効活用できる期待が集まっています。

 

 

 

4.業務分類と対応AI

RPAは、定型作業における自動化で、ヒトに代替する労働力(あくまで作業補完)として活用されてきました。そこに非定型作業におけるAIを掛け合わせることで、より高度な知的処理を可能にします。

 

特に、ビッグデータの分析・活用は、2020年以降も重要なキーワードになり、どの企業にもその実践が求められてくるでしょう。

 

ヒトがよりクリエイティビティの高い業務にシフトできること、或いは働き方改革、業務負担軽減で利用されることの多いRPAのテクノロジーですが、AIを組み合わせることで、事業機会の創出や新しい切り口によるマーケティングを可能にし、直接的に企業収益増大に貢献することも可能です。

 

これからRPAの第一歩を踏み出す際は、将来的に対象範囲の拡大を見越して、柔軟性の高い導入支援企業、RPAツールを選択していくのが望ましいでしょう。

 

 

 

 

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