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RPA導入後のコア業務へのシフト ~管理会計の導入~

2019.02.01

 

 

経理業務を行っている方はルーティンワークにかける時間が多くて、企業にとって付加価値の高い業務を行うことがままならない方も多いと思います。

 

経理業務に充てる時間が減るということは、その削減できた時間で付加価値の高いコア業務を行うことが可能になります。

 

 

RPAはデータの入力や出力といった単純作業においては、圧倒的に人間より正確に、早く作業を行います

 

経理の場合はデータのチェックや、入力、出力といった作業が多い傾向にあるので、その作業量が多ければ多いほど人間より早く処理を完了することができます。

 

経理におけるRPA導入目的は以下に分類することができます。

 

  • 経営資源(経理人材)をコア業務に集中
  • コスト削減、業務プロセスの標準化、改善
  • 社員の退職、部門異動リスクに対する業務継続性の確保(属人化をなくす)

 

 

 

 

1.経営資源(経理人材)のコア業務への投入


 

RPAを導入する企業の多くが重要視していることは、導入によって経営資源をコア業務に集中させることです。

 

コア業務を極めていくことで他社との競争に打ち勝つことに注力し、他社でもできるノンコア業務はRPAに任せ、その分で空いた人材等の経営資源をコア業務に投入することになります。

 

経理部門で考えた場合、具体的にはノンコア業務に関わっている経理の人材を経理部門のコア業務に振り向けるようにします。

 

 

 

経理部門において何がコア業務で、何がノンコア業務になるのでしょうか。

 

会社の規模やステージによって、位置づけは異なってくると思いますが、概ね次のように区分できます。

 

(コア業務)

  • 予算管理
  • 管理会計、原価計算の設計
  • 投資戦略、再編戦略策定

→未来の数字に関する業務はコア業務としてノウハウを蓄積する

 

(ノンコア業務)

  • 帳簿作成
  • 決算、税務処理
  • 請求書発行等の販売管理
  • 支払管理
  • 経費精算 など

→過去の数字の整理に関する業務はノンコア業務としてRPAを積極的に取り入れる。

 

 

 

2.管理会計の導入


 

ここからは経理部門・経営企画部門におけるコア業務の一つである管理会計について記載します。

 

 

(1)会計の種類

企業会計は、会計情報を主として誰のために作成し報告するのか、つまり何の目的で会計を利用するのかによって財務会計・税務会計・管理会計の3つのタイプに分類されます。

 

(財務会計)

財務会計とは、株主や銀行、債権者など外部の利害関係者に対して、会社の財務状態・経営成績を正しく報告することを目的とした会計です。

特に上場企業については、一般投資家が存在することもあり、会計基準などで厳しくルールが定められています。

賞与引当金、退職給付引当金、資産除去債務、税効果会計も適用しなければなりません。

 

(税務会計)

税務会計とは、税金計算を目的とした会計です。

税金を正しく計算するための会計であり、税金計算上、必要な処理は網羅されています。

一方、税金計算に関係しないものについては、会計処理がなされていないものも存在します。

税金計算上、賞与引当金、退職給付引当金などは費用にならないため、税務会計では計上しないケースも多く見られます。

 

(管理会計)

管理会計は、財務会計のような外部向けの会計ではなく、内部での業績管理、意思決定に使用することを目的とし、企業活動を円滑に進めるために必要となる会計のことです。

管理会計は社内向けの会計であるため、厳格なルールや制限はなく、会社ごとに独自のレポート形式を用いるケースが多いです。

「限界利益率はどうか」、「資金調達のタイミングはいつか」、「事業別、商品別の収益性がどうか」など、管理会計の情報は企業の経営者が経営方針を決める上でとても重要な判断材料となります。

 

また、組織内部の業績測定、業績評価や人事評価などにも役立てられるため、企業活動において非常に重要な意味をもつと言えます。

会計の種類をまとめると図1のようになります。

 

 

 

 

(2)価格戦略、値下げの経営判断

10%値下げしたら販売量はどうなるのか?

 

販売促進のため、販売価格を10%値下げしたとします。

販売量が変わらなければ利益は当然減少します。

 

それでは、販売量が何%増加すれば値下げ前の利益と同じになるでしょうか。

 

管理会計では、その答えが見えてきます。

売価等の前提は、図2のとおりです。

 

 

 

管理会計では、すべての費用を変動費(売上の増減に応じて、増減する費用)と固定費(売上の増減に関係なく一定金額の費用)に分けます。

 

変動費と固定費に分けることにより、販売量の必要増加割合が計算できるようになります。

 

財務会計・税務会計では、費用は、売上原価と販管費という区分で分けられるのみであるため販売量の必要増加割合ができません。

 

必要増加割合は以下の計算で求めることができます。

 

 

 

 

10%の値下げを行った場合、33%(500)販売量を増加させる必要があります。

 

10%値下げを行ったからと言って販売量も10%増やせばいいということにはなりません。

 

同様に20%値下げした場合は、3,000個の販売が必要になりますので、販売量は2倍になります。

 

 

ここで重要なのは、販売促進(利益を増加)のための値下げが販売量に与えるインパクトがいかに大きいかということです。

 

このように管理会計は、経営意思決定をするために非常に重要な意味を持っています。

 

 

 

(3)撤退すべき部門の経営判断

財務会計・税務会計の損益計算書だけでは判断がつきにくい、撤退すべき部門の経営判断にも管理会計は役に立ちます。

3は部門A、部門B、部門Cをもつ会社の損益計算書です。

 

 

 

財務会計ベースの損益計算書のままだと、撤退すべき部門の判断がつかないため、図4のとおり損益計算書を部門別に整理します。

 

 

4を見ると、部門Cの営業利益がマイナスであり、撤退すれば損失が減少するため、部門Cを撤退するという経営判断になりそうです。その判断は本当に正しいのでしょうか。

 

 

財務会計だけでは判断できないことが管理会計で判断できるようになります。

 

5は、部門別損益計算書を、部門Cを撤退させ、管理会計の様式に組み替えたものになります。

 

 

 

5のとおり、部門Cを撤退することにより、全社の営業利益が△15になってしまいます。

撤退には将来の見通し、外部環境、内部環境など複合的な事象を基に判断することになりますが、短期的な管理会計ベースでは、部門Cを撤退させない方が全社の利益は残ることになります。

 

 

なぜそのような結果になるかといいますと、各部門の利益合計が共通固定費(本社経費)を上回っている状態であるからです。

部門利益が共通固定費を回収するエンジンになっている状態です。

6はその状態を表したものになります。

 

 

 

 

(4)業績評価のための部門別損益計算書

部門の業績評価では売上高に重点が置かれることが多いが、利益が残らないことには会社は存続できないため利益にも重点を置き予算策定や業績評価を行うことが望ましいと考えます。

 

財務会計における、営業利益には、部門で管理できない費用も含まれているため部門で管理できる費用とそれ以外を区分し、管理可能利益や部門利益を計算する必要があります。

 

それぞれの利益を区分した損益計算書が図7のようになります。

 

 

 

ここで重要なことは、部門の評価と部門長の評価は違うということです。

 

部門の評価とは組織上の評価です。

組織上の評価とは、その部門という一組織が会社という組織全体の経済性に、どれだけ貢献しているかを評価することです。

 

 

一方、部門長の評価とは、部門長の管理能力を評価することです。

管理可能利益が部門長の評価となることで、売上高のみならず、管理可能利益を最大化するため管理可能個別固定費についても、部門長自身が考えるきっかけになります。

コスト意識の向上にもつながります。

 

 

部門の評価は組織の経済性の評価ですので、評価対象は部門個別の利益であり、評価方法は他部門との相対評価が基本です。

それに対して部門長の評価は人の管理能力であり、評価対象はその人にとって管理可能な利益でなければなりません。

 

これがフェアな評価になります。

 

評価方法は予算達成率です。

 

 

 

 

 

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