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会計事務所における確定申告業務のRPA活用

2018.12.25

 

 

2018年分の所得税確定申告(以下、「確定申告」)から適用される税制改正内容と会計事務所における確定申告業務でRPAが活用できる作業を紹介します。

 

 

確定申告業務ボリュームはその事務所によってばらつきはありますが、ボリュームが多い事務所だと社員一人当たり、40件(40人分の確定申告)程度を担当する場合もあります。

 

社員10名前後の事務所の場合400件前後の確定申告を218日から315日まで(2018年分の確定申告の場合)に申告する必要があります。

確定申告業務の中には単純作業もある為、RPAの活用機会があります。

 

2018年分確定申告から適用される法改正と併せて紹介します。

 

 

 

1.2018年分(平成30年分)確定申告関連法の改正点

(1)配偶者控除・配偶者特別控除の見直し

働きたい人が就業調整を意識しなくて済む仕組みを構築する観点から、配偶者控除・配偶者特別控除の見直しが行われました。

改正ポイントは次の2点です。

 

 

・配偶者の給与収入の上限 103万円 → 150万円へ引き上げ。

・納税者本人の収入金額により、控除額を減額。合計所得金額が1,000万円を超える場合は、適用なし。

 

 

①納税者本人の受ける控除額

所得控除額38万円の対象となる配偶者の給与収入の上限を、150万円に引き上げられました。

(現行の配偶者控除の対象となる配偶者の給与収入の上限は103万円)

 

(出典:財務省 平成29年度税制改正)

 

 

②納税者本人の所得制限

配偶者控除等の適用される納税者本人に収入制限を設けることとし、給与収入(合計所得金額)が1,120万円(900万円)を超える場合には以下の表のとおり控除額が逓減・消失する仕組みとなりました。

 

(出典:財務省 平成29年度税制改正)

 

 

(2)「積立NISA」の創設

家計の安定的な資産形成を支援する観点から、少額からの積立・分散投資を促進するための「積立NISA」が新たに創設されました(現行NISAと同様、口座内で生じた配当及び譲渡益について非課税)。

201811日以後の投資について適用されます。

 

(出典:財務省 平成29年度税制改正)

 

 

(3)控除証明書等の電子的交付

生命保険料控除や地震保険料控除、寄附金控除について控除の適用を受けるためには保険会社等が発行した控除証明書原本の添付が必要でしたが、改正により「電磁的記録印刷書面」もその範囲に加えられることとなりました。

 

「電磁的記録印刷書面」とは、保険会社等から紙で送られてくる控除証明書に代えて、電子メール等で交付を受けた証明書等の内容を印刷した書面のことです。

 

電磁的記録印刷書面には証明等の情報の内容と、その内容が記録された二次元コードの両方が印刷されている状態になります。

 

(出典:国税庁 控除証明書等の電子的交付について)

 

 

(4)e-Tax利用の簡便化

国税庁では、マイナンバーカードに標準的に搭載される電子証明書やマイナポータルの連携機能の活用などにより、個人納税者の方のe-Tax利用をより便利にするためのシステム改修を進めており、平成31年1月から「マイナンバーカード方式」「ID・パスワード方式」の2つの方式が利用できる予定です。

 

 

①マイナンバーカード方式

マイナンバーカードを用いてマイナポータル経由又はe-Taxホームページなどからe-Taxへログインするだけで、より簡単にe-Taxの利用を開始し、 申告等データの送信ができるようになります。

 

e-Taxを利用するためには、事前に税務署長へ届出をし、e-Tax用のID・パスワードの通知を受け、これらを管理・入力する必要がありますが、マイナンバーカード方式では、そのような手間がなくなります。

 

e-Taxを利用するために事前準備として必要であった電子証明書の登録が不要となります。

 

 

②ID・パスワード方式

ID・パスワード方式の届出完了通知」に記載されたe-Tax用のID・パスワードを利用して、「確定申告書等作成コーナー」からe-Taxを行う方法です。

マイナンバーカードとICカードリーダライタは不要です。

 

ID・パスワード方式の届出完了通知」の発行は、税務署で職員による本人確認を行った上で発行しますので、運転免許証などの本人確認書類を持参の上、近くの税務署で手続きを行います。

 

 

なお、平成301月以降、確定申告会場などで既に「ID・パスワード方式の届出完了通知」を受け取られた方は、平成31年1月からご利用いただけます。

 

・マイナンバーカード及びICカードリーダライタが普及するまでの暫定的な対応です。

ID・パスワード方式は確定申告書等作成コーナーでのみ利用できます。

 

(出典:国税庁 e-Tax利用の簡便化の概要について)

 

 

 

2.会計事務所における確定申告業務のRPA活用

(1)クライアントへの確定申告のお知らせメール

クライアントへ確定申告のお知らせを郵送やメールで送付している場合が多いと思います。

 

郵送する場合には、プリントし郵送する手間がかかります。

メールでお知らせする場合も、そのクライアントに応じた「確定申告準備書類の一覧」を添付するなどしますので、一斉送信メールなどのシステムは使用できません。

 

クライアント専用の書類を添付してメール送信する業務をRPAにより行うことが可能です。

 

数百通のメールをクライアントオリジナルの書類を添付して送る作業の作業時間削減が期待できます。

 

 

(2)e-Tax「申告のお知らせ」の取得

申告に必要な、申告の種類や予定納税額などが記載された「申告のお知らせ」は、e-Taxのメッセージボックスに格納されます。例年、1月中旬から1月下旬にかけて格納されます。

確定申告を行う際は、「申告のお知らせ」を取得し、取得するためには以下の手順を踏む必要があります。

 

1 ブラウザ立ち上げ

2 e-Taxサイトにアクセス

3 メッセージボックスにログイン(利用者識別番号と暗証番号の入力)

4 該当するメッセージを選択

5 詳細を表示させる

6 印刷 or PDF保存

 

単純作業ではありますが、利用者識別番号と暗証番号は各クライアント専用のため、クライアントの数だけ、同じ作業を繰り返す必要があります。

 

RPAは上記1~6すべての工程を行うことができるため、人が関わることなく「申告のお知らせ」の取得業務が完結できます

 

 

(3)医療費控除明細の入力

医療費控除の集計対象が数多くある場合は一度エクセルに入力・集計し、それを申告書作成ソフトの該当箇所に入力している場合が多いと思います。

 

医療費領収証のエクセルへの入力は人が行う必要がありますが、その後の申告書作成ソフトへの入力はRPAで行うことができます

 

 

(4)決算書の入力

会計ソフトと申告書作成ソフトが異なる場合(会計は弥生会計で、申告書はミロク情報など)は、会計ソフトの決算書内容を申告書作成ソフトに手入力する必要があります。

 

一般的な勘定科目を、会計ソフトと申告書作成ソフトで紐づけることによりRPA決算書の入力が可能になります。

RPAが会計ソフトを起動し、試算表や決算書のデータをエクスポートします。

 

その試算表や決算書のデータを申告書作成ソフトの該当箇所に入力します。

人がPCで行う操作と同じことがRPAにより実現できます。

 

 

(5)所得の内訳

事業所得で、売上先数が多い場合は所得の内訳に記載すべき事項も多くなります。

 

会計ソフトに入力する際、売上高に補助科目を設定し会計記帳することにより、申告書の「所得の内訳」はRPAにより入力することができます。

 

 

(6)電子送信と書類保存

作成が完了した申告書の電子送信と、申告書の印刷・PDF保存もRPAで自動化可能です。

 

電子送信後のメール詳細に取得・印刷・PDF保存も同様に可能です。

 

 

 

 

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