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地方自治体におけるRPA研究【vol.2】・・・つくば市(1/2)

2018.12.20

 

 

本日は、茨城県つくば市で行った「RPAを活用した定型的で膨大な業務プロセスの自動化」共同研究の報告書を紹介したいと思います。

 

 

つくば市は、全国の地方自治体で初のRPAによる働き方改革を実施したことで、全国の地方自治体の方々がベンチマークしている自治体です。

 

2017年度に実施した内容なので、前回の一宮市と比べると物足りないような感じを受ける方はいるかもしれません。

しかし、RPA、特に地方自治体のRPAが置かれている環境は日進月歩、日々新しい情報が出てきます。

 

 

 

◆つくば市のお知らせ

http://www.city.tsukuba.lg.jp/jigyosha/oshirase/1003854.html

◆共同研究実績報告書

http://www.city.tsukuba.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/003/854/rpa_report0510.pdf

◆記者発表資料(2017510日)

http://www.city.tsukuba.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/003/854/rpa_pr0510_vo2.pdf

 

 

 


 

 

◆記者発表内容

(1)共同研究

「RPA(注1)を活用した定型的で膨大な業務プロセスの自動化」

市役所の業務には、単純で定型的な作業ではあるが、量が多いため多くの労働時間を費やしているものがある。

特に確定申告時期の税務処理には多くの時間外労働が担当課職員に課せられている状況にあります。

これらの課題解決のためにRPAを活用することで「作業時間の短縮(効率化)」と「ミスの少ない正確で的確な処理」の効果を研究しました。

 

(2)RPAの活用方法と主な実績

■市民税課(5業務)

新規事業者登録や電子申告の印刷作業等の全5業務にRPAを導入し、結果として、3カ月で約 116 時間の削減、年間換算で約 336 時間の削減見込み。

424 時間 44 分 ➡ 88 時間 18 分(削減率 79.2%、43.4 日削減換算)

 

■市民窓口課(1業務)

異動届受理通知業務にRPAを導入し、結果として、3カ月で約 21 時間の削減、年間換算で約71 時間の削減見込み。

85 時間 ➡ 14 時間 10 分(削減率 83.3%、9.1 日削減換算)

 

【職員の声】

・「処理件数が年々増えていく一方で、対応できる職員数は限られており、RPA によって簡易な入力、確認作業が軽減できてとても助かった。」(市民税課)

・「単純な事務作業にかける時間が他の業務に回せるようになるので、ぜひ早期導入を期待します。」(市民窓口課)

 

(3)今後について

・共同研究成果を踏まえ、今年度にRPAの本格導入を目指します。

・市議会での審議も必要になりますが、今年度は、市民税課・市民窓口課に加え、納税課・資産税課への導入を予定し、来年度以降効果が見込まれる部署を対象に順次導入を行う予定。

・例えば、市民税課業務全体の5%にRPAが適用できた場合、年間で約 1,400 時間の作業時間が削減でき、約 370 万円相当の時間外勤務手当が削減できる見込み。

 

 

■共同研究の概要

公募 :平成 29 10 5 日~31

契約締結:平成 29 12 8 選定会議を経て共同研究者を決定

検証期間:平成 30 1 月~4 月上旬

研究対象課:市民税課、市民窓口課、ワークライフバランス推進室、財政課

※財務関連業務、勤怠関連業務についてはRPAの適応可能性調査のみ

共同研究者:株式会社NTTデータ、株式会社クニエ、日本電子計算株式会社

 


 

 

 1.研究目的

共同研究報告書には研究目的は下記の通りにあります。

 

『本研究では、行政における「働き方改革」の実現を念頭に、RPA を活用した業務プロセスの見直しによる生産性の向上、RPA の効果的な導入に必要な環境整備(正規職員、非正規職員等の新たな役割分担の検討含む)のほか、具体的な指標を設定して、RPA 導入による職員の残業時間の削減効果を算出する。

また、単なる業務削減ではなく、定形作業の負荷軽減・効率化を行い、市民からの相談や窓口業務等に職員がより時間を割り当てることで市民サービス向上を目的とする。』

 

 

民間企業でもそうですが、『RPA の効果的な導入に必要な環境整備(正規職員、非正規職員等の新たな役割分担の検討含む)』にひっかかる方が多いかと思います。

RPAが導入されることで仕事がなくなるという不安、テレビなどではAIが仕事を奪うなどコメンテーターが発言を耳にする機会が増えてきました。

 

 

民間企業だとこのあたりは人件費をカットするということを主としていますが、公共団体には雇用創出ということもしなければいけないので、RPA導入によって、職員からの役割がどのように変わったのかなども含めて知りたいところです。

 

 

つくば市の実験では明確に『市民からの相談や窓口業務等に職員がより時間を割り当てることで市民サービス向上を目的』を掲げており、職員の声ではなく、市民の声を拾って欲しいと思います。

実際、RPA導入で窓口サービスが向上したのかどうか、市民がどう感じたのかが集計が必要かと思います。

 

 

全国各地の自治体で、『市民サービスの向上』を謳い、様々な施策を行っています。

比較的多いのは、案内係や市民センターの充実などです。

 

そのような施策を行う場合、アンケートで市民から窓口対応の充実度を測っており、RPAについても同様の測定が必要かと思います。

 

 

 

2.業務選定

(1)はじめに

今回、つくば市を選んだ最大の理由は業務選定にあります。記者発表資料には記載されていませんが、共同研究実績報告書に下記の通りあるからです・

 

 

つくば市の業務は市民や事業者からの申請届出等に基づく事務処理を行う「基幹系業務」と市役所内の職員を対象とした「内部事務系業務」に大別される。基幹系業務及び内部事務系業務において、複数の RPA 候補を選定した。

さらに、今後の全庁導入や全国の自治体でのモデルケースとなるため、汎用性の高い業務を候補とすることで、他市導入時の参考となり得るよう業務選定を行った。

 

 

 

実際、地方自治体業務のうち、何にどれくらいの時間がかかっているか報告書のP.13からP.14にかけて具体的に記載されています。

こういった参考になる資料は少ないため、かなり参考になるかと思います。

 

全体的に入力(投入)業務が多く、入力業務はRPAを導入するにあたり、最大の課題であり、AI-OCRの技術力の進化が人間の思うレベルに達するまでを待つのか、現在の技術力で運用を工夫するのかがポイントかと思います。

当社はどちらかというと前者ですが、後者の企業も増えてきており、効果を出しているという話は聞いています。

 

筆者が以前訪問させていただいた企業ではOCR×RPAを既に導入しており、生産性を大幅に上げて効果を出しているまでは伺いましたが、具体的にどのような運用をしているかまでは教えていただけませんでした。

 

 

(2)業務選定の観点

 つくば市の報告書には業務選定の観点として下記の通りあります

 

 

「全庁職員アンケート」及び「個別業務調査」により業務削減ニーズや削減効果の高い業務プロセスの中から、「業務量」「難易度」「RPA の技術特性」「他自治体への汎用度」の観点にて RPA 対象業務候補として選定した。

 

 

「業務量」、「難易度」、「RPAの技術特性」というのは、一般的な観点です。

RPAの技術特性」とはRPA化するにあたり、大量反復で行う業務かどうかという観点で判定されるポイントです。

 

 

つくば市では、「他自治体への汎用度」を踏まえており、他の自治体関係者が参考になる点を意識しており、その効果などは無視できないものでもあります。

 

 

 

次回へ続く

 

 

 

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