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真の働き方改革はITソリューションではない(2)

2018.12.13

 

 

 

 

【前回の記事はこちらから】

真の働き方改革はITソリューションではない

 

 

 

 

<組織開発と人材開発の違い>

 

 

人材開発が着目するのは「その人」「個人」であるのに対して、組織開発が対象とするのは人と人との「関係性」になります。

 

この関係性の変化が組織を変化させていくという考え方になります。

 

 

具体的な例を見ていきたいと思います。

 

「営業マネジメント力の強化」という課題があったとします。

 

人材開発のアプローチでは、マネジメントする立場の社員本人に問題があると捉えます。

そのため、本人に対して「マネジメント研修」や「モチベーション研修」といったような施策を講じるのが一般的です。

 

 

これに対して組織開発のアプローチでは、本人とその職場メンバーとの「関係性」に問題があると捉えます。

そして、その関係性の改善を図ります。

マネージャーと部下の間で協力関係が築けていなかったり、期待する目標や課題認識にずれがあったりすることが多いためです。

 

 

施策としては個人に対する研修等ではなく、本人と組織メンバー全員参加のワークショップを通して、ファシリテーションして問題点を浮き彫りにしたり、組織の間でコミュニケーションを活発化させるようにコーディネートしたりします。

 

関係性に良い変化を起こそうとすることが、組織開発型のアプローチです。

 

 

組織開発の目的とは、「組織が環境に適合しながら変化し、健全に、効果的に機能すること」といえます。

 

現代においては同じプロジェクトメンバーだからといっても滅多に顔を合わせないことも多く、ちょっとした意見の相違や勘違いが業務上の大問題へと発展することも少なくありません。

 

当事者だけで議論を尽くせば解決するかというと、内部からだけでは見えにくい事も多く、第三者が外から客観的的に観察し分析をすることで、問題が解決できることも少なくありません。

 

 

今までの人材開発のアプローチは研修の場をセッティング・企画して、その社員に対してトレーニングを行うといった形式が一般的でした。

つまり、社員が人事の領域へ来てもらう方向になります。

 

 

これに対して組織開発のアプローチでは、実際の業務が行われている現場に人事の方から飛び込み、組織内の会議体に積極的に参加したり、業務上の課題などを把握したり、人事が存在感を示す事で変化をもたらす事が求められます。

 

例えば、「個人としてはすごい優秀な社員のはずなのに組織上でその能力が発揮できていない」というケースや、「十分な処遇をしているはずなのに、組織へのコミッションが低く、離職のリスクがある」というようなケースがあるのではないでしょうか。

 

そのような時には、個人へのアプローチではなく組織全体へのアプローチが必要なのかもしれません。

 

 

<組織開発を実践するに必要な7つのプロセス>

 

 

組織開発のパイオニアともいえるリチャード・ベッカードの定義によると、組織開発とは以下の7項目を実践していくこととされています。

 

 

1)計画に基づき

 

目標としたものは漠然としたものではなく、「何を、いつまでに、どのような状態にしたいのか」を明確にしなければなりません。

 

詳細な目標設定はその効果を予想しやすく、ビジョンとしてもとらえやすいため、大きな成果を生み出します。

 

 

2)組織全体にかかわる努力であり

 

いきなり組織全体で組織開発をしようとするのは無理が生じます。

特定の部署から徐々に始めて、組織全体に波及させるほうが効果的とされています。

 

その時、特定の部署を設定する際は、ある程度意欲的に変化を受入れる組織を選ぶと効果的です。

 

 

3)トップ主導でマネージされ 4)組織の有効性・健康を高め

 

組織のトップである経営者が組織開発にコミットして、メッセージを発信していきます。

この際のメッセージは、組織全体に同じ方向を向いてもらうために、企業理念や会社としての目標などを織り込み共有します。

 

トップが積極的に下部組織と関わることで、必要としている支援も見え、経営者としての行動も起こしやすくなります。

 

 

5)行動科学の知識を活用して

 

組織開発はすぐに結果が出るようなものではありません。

長期的な継続の間、変革に対する強い志を持った関係者の協力が欠かせません。

 

現場での変革に対する動機づけや方向性、具体的な取り組みについての意見交換や、組織への積極的な関与が必要です。

 

 

6)組織のいろいろプロセスにおける

 

組織開発の長期的な取り組みの過程において、その効果の測定や再評価が必要となります。

 

目標との乖離が大きいことが分かった場合、その乖離の理由を分析して目標の再設定や指標の変更を行います。

 

 

7)計画的介入・計画的ゆさぶり

 

組織開発においても、目標に対する結果の共有が重要となります。

 

フィードバックの際には、成果が出ている具体例を示すことで、自分の組織が変革していく、仕事が楽しくなる、といった実感を持ってもらうことが出来ます。

 

 

 

これらのことを長期的に行うことが組織開発の成功に結び付きますが、短期的で目先を重視した取り組みになると、構成員はついていけず組織開発自体が失敗してしまいます。

 

また、組織開発は「一貫した思想」を心掛けなければ「信頼」に結び付かないため、組織開発を進めようとする経営者は覚悟と経営に対する確固たるビジョンを持つ必要があります。

 

組織改革は短期でその効果が表れることはありません。

 

現代の環境変化が激しい状況にも耐え、社員の多様化にも着目した組織つくりが必要となります。

 

これまでの組織風土や個人への意識改革を伴うため長期的に、そして着実に実施していくことが重要です。

経営者は組織に対してどのような組織にしたいのか、常に「一貫した組織への思想」を持って組織開発を実践していきましょう。

 

 

 

<新しい働き方には能力やスキル、マネジメントが求められる>

少子高齢化が進む日本の人口は、2040年には1億人になると予測されています。

政府は新しい働き方を推進することで、より多くの労働者が働きやすい環境を整備し、「1億総活躍社会の実現」を目指しています。

 

新しい働き方を実現するためには、環境を整備するだけではなく、個々の能力やスキル、そして適切なマネジメントが求められます。

 

単に新しい働き方の形をなぞったとしても、自社に合わなかったり、社員のニーズにマッチしなければ成果を実感することはできないでしょう。

ICTの進化により、働き方や働く人の意識が変わった今、大切なのは「選ばれる職場」であり「選ばれる人」であることです。

 

 

企業と働く人、双方がよりよい働き方を模索し努力をすることで、新しい働き方が生きてくるといえます。

 

新しい働き方を導入することで魅力付けを行い、多彩な働き方を奨励する企業が多くなってきました。

 

 

しかし、単に施策を取り入れるだけではなく、優秀な人材に「選ばれる職場」になるためには大切なポイントがあります。

 

 

1)ダイバーシティ・マネジメントを推進する

 

女性の社会進出や共働き世帯の増加、シニア世代の再雇用が進んでいます。

労働人口が少なくなっていく中、多彩な人材を起用し積極的に活用していくことは、大企業だけではなく、採用に悩む中小企業にとっても重要なポイントといえます。

 

また、多様な価値観を認め、尊重しあいながら意見を交換することは、イノベーションにもつながるというメリットもあります。

 

そのためには、企業が率先して多様な個性を認める教育・研修を行い、全社員に浸透させることが大切です。

そして、取り組みをしっかりと社外にも示すことも重要なポイントといえます。

 

 

2)個々のキャリアをバックアップする

終身雇用制の崩壊が叫ばれる中で、働く人の考え方も変化してきています。

従来のような年功序列を前提とした教育・研修体制は時代にそぐわないものになりつつあります。

画一的ではなく、多彩なニーズに応えられるような教育・研修体制の構築が必要なのです。

 

そのためには、次世代リーダーの育成やマネジメント層の研修なども行う必要がありますが、大企業でない限り企業が主体ですべてをゼロから行うとコストがかかってしまいます。

 

そこで、単に業務上必要なスキルだけではなくマネジメントなど多彩なスキルを学ぶことができるオンライン講座のスクーなどを活用。

 

ロールモデルとなる人材を複数設定し、組織全体の活性化に役立てるなど、すぐに取り組める施策からスタートするのがおすすめです。

 

 

3)制度は随時見直しを行う

 

先ほどご紹介したように、「新しい働き方」にはたくさんの施策があります。

しかし、全てを取り入れるのは不可能です。

 

大切なことは、人材採用のフックとするのではなく、人材が定着するための施策を起用し、社員がきちんと活用することです。

折角施策を取り入れたとしても、十分に活用されないケースは多々あります。

効果測定をきちんと行って、より社員のニーズに沿ったものにしましょう。

例えば、折角在宅勤務を認めたとしても、評価体制が整わず、出勤しないと評価が下がってしまうのでは積極的な利用には繋がらないですよね。

 

利用率だけではなく利用者の声やフィードバックを参考に、定期的に見直しを行うことが大切です。

 

既に多くの企業が新しい働き方を導入していますが、大切なことは、新しい働き方を導入することで、働く人と企業双方に良い影響があることです。

 

そのためにも、制度ありきではなく、チームメンバーと一緒になってより良い方向を模索したらいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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