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RPAで効率化できる業務と難しい業務 経理編

2018.11.14

 

 

RPA(ロボティック・プロセス・オートマティック)は、既存システムと異なり、

比較的低コストで業務プロセス自動化を実現できるのが最大の強みです。

 

 

RPAを活用すれば、従来はROI(投資収益率)面で見合わないなどの理由で

IT導入が見送られ人海戦術でカバーしてきた業務プロセスにも光が当たります。

 

 

イギリスのブルー・プリズム社がRPAを立ち上げて15年、ようやく日本国内でも普及が進んできました。

総務省のレポートによると国内では20.4%が導入済又は導入中、19.1%が検討中です。

 

企業もバックヤード業務の生産性向上のため、重い腰を上げつつあるのです。

 

 

 

とはいうものの、RPAは万能ツールではありません。

 

今回の記事ではRPAで効率化できる(又はすべき)業務と難しい業務について、経理業務を事例に解説します。

 

 

 

1.RPAとは何か

RPAを一言でいえば、「派遣社員を雇う」ようなもの

事務の派遣さんを使ったことがある方はお分かりだと思いますが、派遣さんは契約により定められた業務をこなすのが仕事です。

 

勝手にお茶くみやコピーをお願いしてはいけません。

 

 

定型業務をマニュアル通りに進めるのが原則で、マニュアルに載っていないような事態には対応できません。

突発的に判断を要する場合、派遣さんは必ず正社員に指示を仰ぎます。

 

派遣会社から、そうするように厳しく指示されているからです。

 

RPAも、派遣社員と同じです。

 

 

ロボ山さんはパソコン操作専門の働き者

ここでは、仮に「ロボ山さん」としましょう。

ロボ山さんが担当するのは、「単純なパソコン操作」だけで、他の業務は指示できません。

 

ペーパーを扱う業務も、NGです。

 

その代わりパソコン操作、例えば複数システムの立ち上げ・ログイン・エクセルファイルへのデータ抽出・転記・金額の照合・共有フォルダーへの保管や更新・添付ファイルのメール送信といったタスクは大の得意です。

 

人間が数時間かかるような一連の作業を、ロボ山さんは2-3分でこなします。

 

しかも、他の派遣さんと違ってミスしません(指示が間違っていれば別ですが)。

 

残業規制も関係ないので、夜中でも働けます。

風邪をひいて休んだり、ある日突然会社に来なくなる、なんてこともありません。

 

 

まとめると、RPAとは「パソコン操作」中心の「定型的な業務」を、ソフトウエアロボットにより代替するソフトウエアなのです。

 

 

 

2.RPAによる自動化に向く業務 

経費精算におけるRPAの活用

RPAベンダーのプレゼンでたまに紹介されるのが、以下のような事例です。

  • 交通費精算と駅前探検倶楽部の検索情報をマッチングして不適正なデータを見つけ出す
  • 通勤定期代支給において従業員住所から最短の料金を検索する

 

確かにこうした業務は、定型的な業務ですのでRPAには向いています。

 

ただし、こうした業務は処理件数が膨大で高いROIが期待できるので、すでにIT化している企業も多いのです。

 

むしろRPAに向くのは、処理件数が少ないようなニッチな仕事です。

 

例えば、経費精算で過剰請求があった場合の返金処理です(ちなみに経理は、過少請求を見つけてもそのままスルーします)

 

最近の経費精算は、担当者が申請し所属長が承認したら即転記・振込みというケースが多く、経理のチェックは事後というケースが増えています。

 

ですから、過剰請求があった場合、経理担当者は申請者に過剰分の返金を求めなければいけません。

経費精算システムはこうした事態に対応していないので、以下のようなハンドリングの処理が必要です。

 

  • エクセル管理シートへの返金請求情報入力(申請者従業員NO・経費精算NO・過剰金額等)
  • 申請者への定型メール文による通知
  • 返金有無の確認(銀行ファームバンキングデータにアクセス)
  • 返金が無ければ督促(所属長をCCに入れる)
  • 返金があったらSAPなどのERP(業務統合パッケージ)に会計データ投入
  • 管理シートに消込情報入力

 

 

一連の作業は、全て人手でカバーせざるを得ません。

 

経費精算業務は、業務負荷が膨大ではないにしても、そこそこ手間がかかる「IT化されていないプロセス」を数多く抱えています。

 

そうしたプロセスこそ、RPAに適しています。

 

 

得意先との取引におけるRPAの活用

消費財メーカーでいえば、得意先に対する一連の取引、受発注・納品・請求回収といった業務はEDI(電子的データ交換)により自動化されています。

 

一方で、返品(売れ残りや不良品)処理に関しては、EDIには乗っているものの、入力データの不整合・返品データ処理と現物返品タイミングの不一致・返品ルートの輻輳などの問題があり、照合・返品データ登録に関しては手作業に頼っているのが現実です。

 

もちろん照合・登録したデータは会計システムにインターフェースされていないので、こちらもハンド入力せざるを得ません。

 

その他、メーカー側から供給する販促ツールの費用処理も、システム化が難しい業務の1つです。 

販促物といっても、商品サンプル・販売什器・カレンダーなどの配布物など実に多種多様です。

 

 

ツール・得意先によって供給ルートがさまざま、費用負担(得意先請求またはメーカー負担)もケースバイケース、社内決裁が必要な場合もあり、システム化が難しいのです。

 

 

こうした「統一処理が難しい業務プロセス」こそ、RPAによる自動化に向いています。 

 

 

 

3.RPAによる自動化に向かない業務

一方、RPAにも苦手とする業務プロセスがあります。紙を取り扱う業務です。

 

RPAの大敵は「紙」

ここ数年、政府や税務当局によるアナウンス効果もあり、決算帳票(決算書・補助簿・伝票等)の大部分はペーパーレス化が進みました。

 

一方で、領収書・請求書は昔から殆ど変わっていません。

 

スマホによる画像がタイムスタンプ付という前提で証憑として認められるようになりましたが、領収書を見ながら申請データ(支払日・使用目的・発生部署・予算区分等)を入力するやり方は同じです。

 

 

最近のRPAベンダーはスマホ撮影・文字認識API(アプリケーションプログラミングインターフェース)をセットで提供し、領収書の自動申請を売り込んでいます。

 

 

最近の文字認識は性能が良く、手書き文字でない限りはほぼ完ぺきにテキスト化できます。

ただし、領収書のフォーマットは多種多様です。

フォーマットがバラバラのデータを「非構造化データ」と呼びます。

 

 

残念ながら現状のRPAは非構造化データを認識できないので、さすがに完全自動申請とはいきません。

 

 

文字認識の高度化かスマホ決済普及か

しかも経費精算自動化の決め手は、文字認識の高度化ばかりではありません。

現金大国日本でも、最近ようやくキャッシュレス化の機運が高まっています。

 

社員にスマホを支給しているケースでは、スマホ決済を通じた支払いデータの自動取り込みも視野に入ってきます。

 

そうした点を踏まえると、今慌てて文字認識APIを導入するのが得策かどうかは、よくよく考える必要があります。

 

 

 

4.まとめ---RPAは進化するか

現状のRPAは「第1世代」と呼ばれ、テリトリーは定型業務に限られます。

 

前述の領収書のような非構造化データ認識や例外対応の自動化は、第2世代によって可能になるとされています。

 

さらに第3世代では、例えば予算編成・売上損益実績のモニタリング・差異分析といった管理会計分野や、決算報告資料のドラフト作成や適正性チェックといった監査・ガバナンス分野など、人の判断を要する処理も可能になると言われています。

 

 

将来的にはこうした進化も期待できますが、それはAI(人工知能)のコグニティブ(認識系)機能を飛躍的に向上することができるかにかかっています。

 

ただし第2世代・第3世代の主役はAIであり、RPAは補完的な1機能に過ぎなくなりますが。

 

 

経理部門としては、将来世代の登場も想定しつつ、当面は第1世代RPAをフル活用して定型業務の自動化に注力するのが賢明です。

 

 

 

 

 

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