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地方自治体におけるRPA研究【vol.1】・・・一宮市(2/2)

2018.11.27

目次

  1. 運用フローの比較(日本電気株式会社_RPA実証実験結果 のP11)
  2. 個人特定方法(日本電気株式会社_RPA実証実験結果 のP12)
  3. RPAシナリオ作成の課題(P13)
  4. 計測結果について(P15)
  5. 担当者の声(P16)
  6. その他

 

 

 

 

【前回の記事はこちらから】

地方自治体におけるRPA研究【vol.1】・・・一宮市(1/2)

 

 

前回は実験の概要を紹介するまでの流れだったので、本日は具体的な実験結果に対し考察したいと思います。

 下記に実証実験のURLを載せていますので、参照にしていただければ幸いです。

 

 

※日本電気株式会社_RPA実証実験結果 (PDF 3.8MB

http://www.city.ichinomiya.aichi.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/026/494/03.RPAzikkenn.pdf

 

 

 

1.運用フローの比較(日本電気株式会社_RPA実証実験結果 のP11)

 RPAを導入することとは、ロボット中心の運用フローが必要となります。

日本のアニメに慣れ親しんだ人にとって、ロボットを人間に近い姿形をしたものを想像しますが、

RPAはどちらかというと産業ロボットの事務バージョンと考えた方が良いかもしれません。

 

 

産業ロボットは、工場の組み立て業務を人間に代わってやってくれる、

一方、RPAはオフィスで事務作業を人間に代わってやってくれます。

 

 

産業ロボットを導入すれば、組み立て方も変わることがあります。

 

同様に、RPAを導入すれば、運用フローも変わります。

 

 

今回の実証実験の流れは

 

※運用前

個人を特定(人)

住民税システムへ入力(人)

確認帳票の出力(人)

入力内容の確認(人

 

 

 

※導入後

OCR装置でのイメージファイル化(人+OCR)

OCRソフトウエアでデータ化(ロボット)

個人を特定(ロボット)

住民税システムシステムへ入力(ロボット)

未処理分の特定、入力(人)

確認帳票の出力(人)

入力内容の確認(人)

 

となります。

 

 

 

一見、RPAを導入すると行程が増えているように見えますが、

NEC者の担当も処理時間が短くなるように組み立てているかと思います。

 

 

 

例えていうなら、昔のマヨネーズ工場などの卵を大量に使用する工場では、

はるか昔、人間が卵を割りつつも血や殻が入っていないか確認していました。

 

 

現代では、割卵機で割れた卵をセンサーと人がチェックするという流れに変わりました。

 

卵割機やセンサーが取りこぼしたものを人がチェックするだけになります。

人の役割として、ロボットやセンサーの取りこぼしをチェックするだけになります。

 

 

RPAを導入すると似たような感じ、ロボットの取りこぼしを人間がフォローするような結果になります。

 

 

この流れの中で、ロボットが取りこぼした「未処理分の特定、入力(人)」、

この作業をいかに減らすのか、いかに人が業務時間を減らすかがポイントとなります。

 

ここで発生する業務はOCRの精度などが原因のため、費用対効果も含めて考察する必要があるかと思います。

 

精度の高いOCRというのはかなり高額になるため、中々購入しようという決断は難しいかと思います。

 

 

 

 

2.個人特定方法(日本電気株式会社_RPA実証実験結果 のP12)

 

実験結果では、特定方法を、

 

A個人を特定する番号

B事業所を特定する番号

C上記以外(職員による確認)、

 

と3つに分けて実施したとあり、結果的にRPAが検索できたものの内訳がRPA60%、人力40%とあり、

自動検索できたものが少ないように思われます。

 

 

「個人を特定する番号」とありますが、個人番号(マイナンバー)なのか、それとも氏名・住所・生年月日なのか、

具体的にどの情報で特定したのかが不明なので、因果関係は不明です。

 

 

実証実験の個人特定フローでは検索結果が1件かどうかで分岐しています。

1件になるまで特定したのかどうか、どのように絞ったのか気になる所であります。

 

住民税システムで検索する場合、宛名番号ですることも多いのですが、個人番号(マイナンバー)を記載しているのであれば、

個人番号で特定するのが一番ですが、個人を特定する番号での検索率40%だとするとなぜ40%しか検索できなかったのか、

検索できなかった理由を明確に知りたいところではあります。 

 

 

 

 

3.RPAシナリオ作成の課題(P13)

 

OCRの課題については、OCRの性能に基づく点が多いので、

他社のものを使えばより精度が上がるようになるかと思います。

 

今回の実証実験で使用したOCRは、手書きに対応しているもののAI-は搭載されておらず、

精度が上がっていかないものかと思います。

 

他社のAI-OCRAIが学習することで読み取り精度が上がっていくので、40%の精度が更に上がっていく可能性があります。

 

 

記入する枠がせまい問題や点線については、異動届の様式の問題なので、

本導入する際に変更すれば対応できるようになる問題です。

 

しかし、市民課などの窓口業務でOCRを導入するにあたり、住民票などの申請書の多くは、

A4を半分にカットしたA5であるので、文字が小さくても読み取れる性能が良いかと思います。

 

 

RPA×OCRの導入ハードルは比較的高いようですが、効果は出ると思いますので、

RPAを導入するにあたり、業務フローの見直しを含めて検討する価値はあるかと思います。

 

 

 

 

4.計測結果について(P15)

 

異動届の仕訳については、1週間あたり340件の処理で職員の作業時間が15分なので、

RPA化をあえてしなかったように思えますが、個人的にはここもRPA化してもいいかなとは思います。

 

 

15分の時間を短縮する目的というよりは、

人間による仕訳ミスをなくすという意味ではRPA化した方が仕訳のミスそのものはなくなるかと思います。

 

 

未処理分の特定及び入力の職員の作業時間が436分、これについては多いという印象を受けます。

この436分を減らしていくこと、PDCAを回しながら工夫していくことが一つの課題かと思います。

 

NECの報告でも帳票定義の追加で436分が312分に短縮されるような提案がなされています。

 

今回の目的は実証実験なので問題はないかと思いますが、RPA関連に関わる方で、RPA導入を目的となり、

作業時間を減らすことをおざなりになっているような人達を多く見受けます。

 

また、ユーザーが継続的に利用することを念頭に置かず、複雑なフローにしてしまうことも多く存在します。

 

今後、そういった技術者、コンサルタントがRPAの未来を奪わなければ良いのにとは強く願います。

 

 

 

 

5.担当者の声(P16)

 

実際ユーザーであるお客様の声として大変貴重な意見ですが、好意的な意見が多いので、

ネガティブなこともあればと個人的には思いますが、NECの担当者が開発や対応も含めてよかったのであろうかと思います。

 

あくまでも実証実験なので、期間も短く、PDCAを回すような余裕もない中、裁量の結果が出たのかと思います。

 

 

RPAとは大げさなものでなく、Excelなど同じで、少し手を伸ばせば誰でもある程度は使えこなせるツールの一種です。

 

現在、RPAは百花繚乱時代で色んなRPAが出てきており、

ユーザーにとってはどのツールが良いのか分からない時代かと思います。

 

まだまだ各社でRPAの開発がなされており、今後も新たなRPAが出てくるかと思います。

 

ある程度出揃えば、RPAも淘汰されていくのではないかと思っています。

 

そうなった時は、ユーザーがシナリオ作成しにくいものというのは淘汰される対象になりやすいので、

ユーザーが使いやすい点も考慮しなければなりません。

 

 

現在、導入時には開発事業者に委託することが多いのですが、

開発事業者はユーザーでもあるクライアントがRPAを使用しやすい環境づくりも求められると思います。

 

 

 

 

6.その他

今回の実験はRPA×OCRという実験だったので、大変意義のあるものです。

 

OCRRPAが今後ツールの一種として認知されるためには必須のものかと思います。

 

 

実際、RPA導入を検討する方々にお会いするとOCRについてはかなり意識しています。

 

手書き対応のOCRについては、近年商用化されてきてはいるものの読み取り精度がユーザーの期待度を大きく超えないため、

もう少し定着に時間がかかるであろうかと思います。

 

 

OCRを導入するにあたっては、運用も含めた業務改善が必要になるかと思いますが、

手書きに拘らず、活字の帳票があるのであれば、活字帳票からRPA化を進めるのも良いかと思います。

 

 

 

 

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