■サイト内検索:
 

RPA Biz > RPA > RPA開発における業務定義(初心者向け) ~「ロボット」思考のロジック~

RPA開発における業務定義(初心者向け) ~「ロボット」思考のロジック~

2018.10.10

 

言うまでもなく、どんな企業にとってもRPAを導入するには、

まず「どんな業務をRPA化する」のかを明確にしなければならない。

 

つまり、RPA対象業務の選定だ。

 

RPAが得意なものとして、

パソコンを使った「大量重複している作業」と「ルールが明確している作業」というものがある。

 

 

では、企業の中にこの二つの特徴のある作業を洗い出し、

その業務フローも明確化したらRPA開発が先に進められるようになるのか?

もちろんそういうわけではない。

 

 

ざっくりのプロセスを言うと、まずRPA化対象業務を選定する。

 

その次が対象業務をマニュアル化する。

 

開発にはいる前に、その三番目が開発ではなくマニュアル化された業務をRPAのロジックで「定義をする」ことにある。

 

 

何故かというと、RPAはあくまで「ロボット」であり、人間との思考ロジックが全く違うことになる。

RPA開発がうまく行くように、RPAのロジックに合わせて業務を「定義」しなければならない

 

 

 

今回のコラムではこの「業務定義」プロセスの事例をいくつかを紹介しながら、

その注意点を説明していく。

 

 

 

 

◆エクセルファイルの処理について

RPAといったら、エクセルファイルの操作などが絶対出てくる話だ。

人間の操作を真似し、素早く大量なデータ処理ができるというイメージが多くの人がしている。

もちろん、これは間違いない。

 

 

ただし、RPAがエクセルを操作するときは人間と比べて、少し異なるところがある。

 

 

 

以下の例を見てみよう。

 

 

 

上記の表は某ECサイト運営会社A社のRPA導入プロジェクトで出た一例だ。

 

本業務の内容としては、毎日スタッフが社内システムに「Code」を発行申請し、

その後発行されたCodeを上記表1フォーマットのエクセルファイルに貼り付ける。

 

このエクセルファイルをもとに、別の業務が色々と行われるが、ここでは議論しない。

 

ここで説明したいのはRPAがどのようなロジックでこのファイルを読み取るかというところだ。

 

 

まず、この業務にかんして、人間が行う場合はまずエクセルファイルを開き、

Code」列を見て、最初に空欄になっている行に基づいて作業を行う。

 

1から言うと、黄色で塗りつぶされているセルになる。

 

そして、この行を見つたら、

Start date」、「End date」と「配信日付」(実務上、配信日付はRPA稼働日付とは異なる)

の情報を使ってシステムにログインし、「Code」を申し込み。

 

その後、発行されたCodeをコピーに、黄色セルに貼り付けて完了する。

 

 

 

しかし、RPAが行う場合プロセスは人間と異なる。

RPA開発ソフトによって少し違うかもしれないが、

だいたいのRPAはまず処理しやすくするためにこのエクセルファイルを丸々メモリーに読み取る。

 

その後、「Code」列が空欄になっているかを一行一行見ていく。

 

もちろん、何行目から始めるかについてRPAが全く分からないので、一行目からみていく。

1から見ると、6行目で空欄が出るので、

たいしたことないに見えるかもしれないが、そうではない。

 

 

1は元ファイルの一部を切り取ったことに過ぎなく、実際のエクセルファイルは数万行以上ある。

この場合少し厄介なことになる。

なぜなら、毎回数万行以上のデータを一行一行処理した後に、

空欄行にたどり着くので、無駄な時間が発生する。

 

また、空欄ではなくても、

「○○につき、作業中止」という何らかの原因でその日業務は行わないということもある。

 

 

すると、RPAはまず空欄かどうかを判断し、

もし空欄ではなかったらさらにその内容は「作業中止」が含まれているかも判断しなければならない。

 

しかも、全ての行に対して同じ処理をすることになる。

RPA24時間働くとはいえ、この24時間が上限になる。

 

 

 

普通RPA導入するには、高額なRPAソフトのライセンスを購入しなければならない。

大事なライセンスをこの無駄な作業に使うと少々もったいないかもしれないので、

より有効利用するために、方法を変えないといけない。

 

 

 

では、このプロセスにおいて、人間とRPAは果たしてどこか違うのか?

 

RPAは機械なので、「最初に空欄になっている行」という条件だけでは、普通上記のプロセスになる。

 

 

人間の場合、作業員が毎日やっていると、

「何となくこの辺りじゃないか」という情報は頭に残っているため、探すときは極めて速い。

 

要するに「目標行の情報」の有り無しに違いがある。

そうすると、RPAにも似たような情報を与えると空欄セルにたどり着く時間が短縮できる。

 

 

A社は二つの方法を検討していた。

 

 

 

まず、表2のように「RPA稼働日」という列を先に作って、RPAに読み込ませる。

RPA稼働日は「本日の日付」と結びつけ、RPAがこのエクセルファイルを読み取ると、

日付を見て目標行を探せばよい。

 

ただし、これでも、理論上RPAが「RPA稼働日」列のセルを一つ一つ見て、対象の日付を特定する。

 

根本的にいうとさほど変わらないので、二つ目の案が出てきた。

 

 

 

表3のように、最初に一行を追加し、「目標行」の情報をあらかじめ記入する。

 

RPAが稼働し始めたらまずエクセルファイルを読み込んで、

その後すぐ目標行の情報が記入されているセルのデータを込み込む。

 

表3からいうと「4」になる。

 

その後すぐ4行目の情報に基づいて作業を行う。

このセルは固定される(例えばB2など)ため、RPAがすぐ特定できる。

すると、たとえ表が何万行あっても一行一行を処理していく必要がない。

 

作業が毎日行うため、翌日RPAが稼働時「目標行」のデータがずれないように、

作業が終わってエクセルファイルを閉じる前に目標行データに「1」を加算する。

 

つまり、翌日開くと、このセルは「5」になる。これで処理時間を短縮することができる。

 

 

 

 

◆メール受信チェックについて

メールを送信受信関連の処理はエクセルと同じく、RPA化で良く検討される業務だ。

 

例えば同じくA社はメールの受信と分類業務をRPA化検討している。

 

内容としては、特定なメールアドレス宛に送信されてくるメールを件名や添付ファイルの種類に基づいて

分類をし、それぞれ特定なフォルダーにOutlookmsgファイルのバックアップを作成する。

 

メールソフトは当然Outlookを使っている。

そして、これらのmsgファイルはまた別の業務に使われる。

 

 

今まで従業員一人が毎日この作業を行っていたが、この単純作業から解放するために、

色々と検討した結果、RPAが最適だと判断した。

 

 

 

RPA化するにはいくつかの問題が残っていた。

まず、A社が使われるRPAソフトはメールの「未読」と「既読」判断は出来なかった。

 

通常人間が作業を行う場合は毎日対象アドレスの未読メールを見て、

条件に満たしていれば、該当のフォルダーに保存するという流れだが、

「未読」が分からないRPAにとっては少々難しい。

 

RPAができるのはOutlookの「受信」フォルダーにあるすべてのメールを全部取り込み、

そして一通一通どの条件に満たすかをチェックする。

そうすると、毎回このフォルダーにある過去のメールも全部チェックし、作業が重複さてれしまう。

 

そこで解決策として、RPAが一通のメールをチェック終わったら、

このメールを別のフォルダーに移動するように設計する。

 

具体的にいうと、

Outlookの対象メールアカウントに「受信」フォルダー以外に「チェック済」フォルダーを作成する。

 

RPAがチェック終わったメールをこのフォルダーに移動するように設定する。

 

そして、毎日RPAが「受信」フォルダーがからになるまで動作をする。

 

結果は毎回RPAが稼働するとき「受信」フォルダーに未読のメールしか存在しないことになる。

 

また、細かいところを言うと、

たまにRPAが読み取れないメールや分類不能のメールもあったりするが、

これらも対応できるようにロジックをあらかじめ組めないといけない。

 

いわゆる「イレギュラー」の対応だが、ロジックも同じだ。

 

例えば、もう一つ「イレギュラー」フォルダーを作って、

読み取れなかったメールをこのフォルダーに格納し、

RPAが実行終わったら従業員がチェックしに行く方法もある。

 

 

 

 

◆まとめ

今回が紹介したことは基礎的な話だが、実際業務定義段階で結構ある話だ。

 

これらの問題を事前にできる限り考慮した上でRPA開発をすれば、

開発時間の短縮とRPA実行効率向上の一石二鳥になる。

 

もちろん、今回紹介した二つの例はRPAソフトによってかなり変わるかもしれないが、

このような考え方があると読者のヒントになれれば幸いである。

 

 

 

 

topへ
© RPA.biz