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地方自治体におけるBPO【vol.3】・・・委託側

2018.09.10

【前回記事】

地方自治体におけるBPO【vol.2】・・・受託側

 

 

全国に地方自治体はいくらあるかご存知ですか?

 

総務省の最新データによると合計で1718(市790745183)存在します。

地方自治体の分類で、人口50万人以上の政令指定都市、人口20万人以上の中核市、

人口20万人以上いるが中核市に移行しなかった特例市の3つがあり、

政令指定都市20市、中核市54市、特例市31市、

以上の合計105市が全国的に知名度の高い自治体になっています。

 

都道府県と市町村の公務員は270万人(都道府県約135万人、市町村135万人)ほどいます。

地方公務員の中には警察や消防を除き、

市役所などに勤務する一般行政に関わる勝因は70万人弱と言われています。

 

 

今回のコラムで中心に記述するのは地方自治体に勤務する一般行政職の職員の方です。

発注側でもある地方自治体側では実際どのような問題点があるのかを記述したいと思います。

 

 

 

人事制度

地方自治体が民間委託をする際に発生する問題の多くは、

短期ジョブローテーションという人事制度が原因だと考えられます。

 

地方自治体の多くの職員、行政事務という観点では民間人が及びもしない見識がありますが、

 

人事や広報など特定業務の知識においては民間レベルからすると不足している

 

と言わざるを得ない職員が多くいます。

 

それは職員の能力不足が起因しているわけではなく、

地方自治体の人事制度上、必ず発生する問題です。

むしろその短期間で良くそのレベルに達したと驚くこともあります。

 

地方自治体職員のジョブローテーションは3年ないし5年で異動となります。

私の知る限り、5年よりも3年で異動するケースが多いようです。

 

3年で異動するジョブローテーションは地方自治体職員が行政事務全般を覚えるためには必要な制度です。

 

経験を積んだ職員が別の部署に異動し、

その代わりに未経験の職員が新たに入ってくまた一から業務を覚えるということを繰り返す

 

という制度になっており、入庁し、10年もいれば様々部署を経験することができます。

 

自治体によって差はありますが、下記の行政組織が人口20万人の中核都市の一般的なモデルとなります。

この行政組織内全てが職員の異動先の対象となります。

 

議会事務局」、「総務局」、「企画財政局」、「観光文化スポーツ局」、「市民生活局」、

福祉保健局」、「こども未来局」、「観光局」、「商業振興局」、「建設局」、「都市整備局」、

水道局」、「教育委員会」、「選挙管理委員会」、「選挙管理委員会」、「農業委員会

 

更にこの局の中でも広報課人事課などに分かれており、多種多様な部署があります。

 

例えば、

農業委員会で農地等の政策に関わっていた職員が翌年には秘書課で市長のスケジュール管理をし、

更に4年後には、選挙管理委員会で資料作成をする。

 

そのようなジョブローテーションが実際に行われています。

 

そのようなジョブローテーションを行うことで行政事務全般が分かる職員が育成されます。

最近はそのようなゼネラリストではなく、スペシャリスト育成のため、

人事制度を設けている自治体も増えています。

ただし、制度としては機能していないとは聞いていますが。

 

 

そのようなジョブローテーションの目的は、

 

癒着防止」・「適性の見極め」・「人材育成

 

おおよそこの3つの目的に集約されていると言われています。

 

 

癒着防止については、

東京医科大学の贈賄罪事件でも報道されていたため、ご存知の方もいるかと思いますが、

昔と比べて公務員の収賄起訴件数は減っており、問題ないという風潮になっています。

コンプライアンスなどの整理がなされ、職員も火ないところに煙は立たない、

という風にかなり気を付けているようで、民間の人と飲みに行くのも大変だと言う職員もいます。

 

民間と比べて、コンプライアンス研修など徹底しているようですが、

公権力をバックに業務を行う地方自治体職員は何かと言動に気を付けなければなりません

 

 

適性の見極めについては、複数の業務を経験させ、

その中で適性を見極めることは確かに必要ですが、30代以上の職員には異動の必要ないという意見もあります。

 

地方自治体と同規模の民間企業の場合、総合職で入社し、

入社時に配属された部署を中心に異動となるケースが多く、

どちらが良いのかはその職場の風土によっても変わるかと思います。

 

3年で異動するジョブローテーションだと上司も異動となりますので、

嫌な上司でも最長3年我慢すれば別になるので、民間と違い、離職率が低めである要因かと考えられます。

 

 

人材育成については、公文書の作成など様々な業務を経験する必要があると言われてはいます。

公文書の作成などはある程度ノウハウ化出来ており、

ジョブローテーションで習得する必要はないかと考えられます。

 

ちなみに国の省庁は、地方自治体の局、例えば、「企画財政局」が、国では「財務省」になり、

深度が増しており、専門性が深くなるので、中央と地方で公務員は大きく変わるという意見もあります。

 

このような目的で短期ジョブローテーションが行われ、

民間委託する際にはマイナスとして作用することが多くなっています。

 

 

1.BPO業者の管理


特に問題となるのは、BPO業者の管理面です。

先ほど、記載した通り、職員は知識不足です。またBPO業者のことも詳しくありません。

そのため、BPO業者の管理が不十分な状態に陥ってしまいます

 

地方自治体が民間委託をする際、最初に仕様書を作成します。

その仕様書が悪いため、運営管理能力が低いBPO業者でも業務を実施し、

 

更にBPO業者のやりたい放題にしてしまう結果になることが多々あります。

 

委託する業務によっても変わりますが、

1人でできる事を4人でやるなど非生産的でも地方自治体側は発注元として、

発注先に何も言わないことがあります

 

NHKの集金をやっているBPO業者に聞いたところ、

NHKだと1日60件回るけど、地方自治体で訪問業務をやった場合、115件程度で十分だと聞いたこともあります。

 

特にアウトバウンド系業務の委託でBPO業者は手を抜きます

そもそもBPOの管理能力が弱い社員が管理して更に手を抜くのでとんでもないことになります。

 

私自身もそのような現場に入らされることが何度かあり、業務改善で生産性を上げても、

手を抜く体質は変わらないので、人の配置から変える必要があり、業務改革に入るケースが多くなります。

 

BPO業務では採用も大切な業務であり、問題のある職場は、採用フローにも問題があるため、

業務改革(BPR)は業務全体の見直しが一般的な定義ですが、

BPO業務では採用も大切な業務なので、業務改革の対象となり、見直しを実施します。

 

もしこのコラムをお読みの地方自治体の委託担当職員の方がいれば、

機会があれば是非どのような面接が行われたかを聞いてみてください。

面接の内容である程度BPO業者のレベルが測ることができます。

BPO業者の面接官によって変わりますが、衝撃的な内容に驚くことになる可能性が高いです。

 

 

2.職員側の引継ぎ


地方自治体職員から今まで委託業者が何をやっているのか分からないので

委託業務の「見える化」をして欲しいと要望を受けたことがあります。

 

なぜこのようなことが生じるかというと委託開始時の担当職員が異動でいなくなり、

引き継ぎがなされていないケースが多いからです。

 

地方自治体の委託担当職員がそもそもいない場合や

管理職が1名でBPO業者対応をしているところも多くあります

 

地方自治体BPOでよく行われる月例報告会に参加する職員が少なければ少ないほど、

BPO業者を野放しにすることになります。

 

更に毎年異動の時期になると委託担当職員が変更になり、前任者から引継ぎがなされていないことが多く、

どちらかというと地方自治体BPOで手を抜きたいBPO業者にとっては歓迎する状況になります。  

 

基本的に委託担当職員は2名で、異動時期が被らないよう1年目と2年目の職員を組み合わせるなどの工夫が必要です。

地方自治体職員は3年でベテランとなり、4年目にはその部署にはいない。

そしてBPO業者の受託期間は長くなると5年などになり、もはや何を委託しているのかも分からない状態になり、

どちらが発注しているのか分からない状態になるそうです。

 

 

 

まとめ

今回は発注側である地方自治体について記載しましたが、書けないことも多いのですが、

もう少し発注側が委託のための体制を構築すれば、より良い効果が出ると思います。

 

前回でお伝えした通り、民間のノウハウでと言って丸投げして、

公にはうまくいっているように謳っていても、実は失敗事例ばかりです。

 

もし、地方自治体の委託担当者になった場合、

委託検討段階で他の地方自治体への視察を何度もして自分なりの委託モデルを作り、

その上でBPO業者の選定に入るようにするなどした方が良いかと思います。

 

【次回記事】

地方自治体におけるBPO【vol.4】・・・オペレーター側

 

 

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