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【導入事例】大企業人事業務におけるRPA活用事例

2018.08.09

 今までのコラムでは、中小企業経理業務のRPA活用事例を紹介しましたが、今回は異なる視点でRPAの活用を見ていきたいと思います。

 

中小企業経理業務におけるRPAの活用事例(二)

 

 業界や具体的な業務にかかわらず、RPAが最も得意な業務は大まかに二つ共通の特徴があります。

 

すなわち、

①大量に繰り返される作業

②ルールが明確化されている作業

です。

 

 

更に、365日×24時間稼働可能、人間より精度が高くコストが低いなどのメリットも挙げられます。

 

経理業務の中に、RPA導入にとても向いている業務がたくさんあるのことを既に過去のコラムで紹介しました。

 

経理業務をRPA化すれば、費用対効果は抜群であることは言うまでもないでしょう。

 

では、「せっかくRPA導入するのであれば、経理以外の業務もRPA化すればよいのではないか?」という考えも自然に出てくるはずです。

そして、今回は人事業務のRPA活用事例を見ていきましょう。

 

 

 企業Aは国内の総合ITグループです。

業務範囲はECサイト、金融、保険など様々で、従業員数5,000人以上の規模になります。

このような規模にもなると、たとえとてもシンプルな業務であっても毎月大量に単純・定型作業が発生することは想像しやすいですね。

 

例えば、「異動情報登録」という作業は月に2,000~3,000件発生しています。

この「異動情報登録」業務は自然、A社のRPA導入対象業務となります。

では、まずこの業務から見ていきましょう。

 

 

異動情報登録業務

 A社は従業員が多いため、毎月人事異動が頻繁に発生しています。

特に毎年3月や9月は集中的に発生するため、異動情報をシステムに登録するだけで人事部門は大量なリソースを割かれます。

 

業務内容を簡単にいうと、以下の図1のようになります:

 

 

まず、毎月各部門から異動情報が人事部あてに届きます(人事稟議などもありますが、本業務では考慮しません)。

 

人事部が各部門からの情報を全てまとめて、その後一項目ずつ人事システムに入力します。

 

これがこの業務のすべての内容です。

 

業務の内容はとてもシンプルで、イメージしやすいでしょう。

ただし、量が多くなると、とてもハードな作業になります。

 

従業員のスキルによって、一件の登録は5分~10分かかります。

 

A社の場合、月に2,000件あると計算すると、毎月優に300時間を超える作業時間が発生するでしょう。

 

この業務をRPA化すると、300時間が10時間以内になると予想されます。

RPA化すると、業務の流れは以下の図2のようになります:

 

 

各部門がもともと人事部あてに送信していた異動情報を共有フォルダーに入れることになります。

 

そして人事部の代わりに、RPAが毎日決まった時間で共有フォルダーの中のファイル(エクセルファイル)をチェックし、

それに基づいて、自動的に人事システムにログインして、一行一行、項目を入力していきます。

 

 

もちろん、処理できないイレギュラーな事態が発生することも想定します。

 

例えば情報が間違っていることや、そもそも必要な情報がそろっていないなどがあると考えられます。

この場合、RPAが自動でイレギュラーの情報を保存しておき、処理が終わった後に人事部の担当者にメールを送信します。

 

このプロセスはすべてRPAが実行するので、人間による関与は全く必要ありません。

人事部の担当者がRPAからの通知メールを受け取った後、イレギュラーになっている項目をチェックし、

手入力が必要か該当部署に再度確認する必要があるかなどを見て、それぞれ実行します。

 

処理時間はおよそ10時間以内で終わるでしょう。

 

 

 もちろん、実際RPAを導入する際には色々と細かい点に注意しなければなりません。

例えば、元々人間が入力していた時は、各部署からの異動情報の書式は少しずれても大した問題にはなりません。

 

情報さえ合っていれば人がそれを認識し、修正することが簡単にできます。

ただし、RPAとなると、この人間にとって簡単なことができないのです

 

そこで、フォーマットに合わせた書式を使ったり、RPAが読みやすいフォーマットを作ったりすることが必要です。

 

 ここで、もう一つの疑問があります。

A社の人事システムに「まとめてインポート」のよう機能はないでしょうか?

あるとしたらなぜ使わないでしょうか?

 

実際のところ、A社が使っている人事システムは「まとめてインポート」機能はあります。

 

ただし、この機能を使うには非常に複雑なマクロが含まれるフォーマットを作る必要がありますし、

インポートする際にうまくいかない場合が多発します。

 

システムを変える考え方ももちろんありますが、コストの問題があるだけでなく、

この膨大なシステムを変えること自体が極めて難しいでしょう。

 

こういう状況では、RPAによりロボットが人の代わりに作業することが最も現実的な選択肢になるでしょう。

 

 

契約更新業務&兼務発令業務

 「契約更新業務」というのは文字通り、A社の契約社員とアルバイト従業員の契約期間を更新するたびに発生する業務のことです。

 

「兼務発令」はA社の従業員が自分自身のメイン業務以外、他の業務も兼務する場合発生する業務のことです。

本来であれば別業務だが、ここで一緒に紹介する理由はこの二つの業務の基本フローは極めて似ているからです。図3をご覧ください:

 

 

 

この二つの業務がすることは同じフローで表現できます。

さらに、よく見ると、図1と酷似していませんか?

実は、上で紹介した「異動情報登録」ともほぼ同じ流れになります。

 

 

まず各部署から契約更新の情報や兼務発令の情報を人事部がまとめて、

その後同じ人事システムに入力するのです。

 

ここまで来れば、RPA化の基本的な考え方もイメージつくでしょう:

 

 

 

こちらも「異動情報登録業務」と同じ流れになります。

 

まず、各部署が契約更新と兼務発令の情報が記載されているエクセルファイルを共有フォルダーにアップします。

 

そして、RPAが指定された時間にフォルダーからエクセルファイルの情報を読み取り、これらの情報を人事システムに入力します。

 

処理が全て完了したら処理結果やイレギュラー情報をメールで人事部の担当者に送信をします。

最後に、担当者はRPAが処理し切れなかった項目を手作業でカバーします。

 

 

ここで、RPAの一つの大きいメリットをお伝えいたします。

それは、ロボットの「再利用」です。

 

業務フローが共通しており、操作対象となるシステムも同じため、ロボットの設計図もほぼ変わりません。

 

そのため、例えば「異動情報登録業務」のロボットをまず開発したら、

その次の「契約更新」と「兼務発令」業務の開発がより簡単になります。

 

なぜなら、「異動情報登録業務」ロボットの「パーツ」を改造すれば、

「契約更新」と「兼務発令」のロボットにも使えるからです。

 

改造するポイントとしては、例えば、入力する項目、ボタンの位置、アクセスするページなどがあります。

 

もちろん、各業務に対してそれなりの工夫は必要ですが、ゼロから開発するよりは簡単になります。

ここの「簡単」はコストが低くなることと、時間の短縮を意味する場合が多いです。

 

 

まとめ

 今回は三つの人事業務を中心にRPAの運用を紹介しました。

 

ポイントとしてはまず、単純な業務でも大企業にとって大きい削減効果があります

 

また、類似する業務を多くRPA化すればするほど、1業務当たりの導入コストが低くなり、さらに費用対効果が高くなります

 

本文のA社のように、異なる業務で開発済のロボット「パーツ」を再利用することができるからです

 

A社の場合は最初からこの3つの業務をRPA化前提で導入し、

その後「パーツ」が活用できることに気づきましたが、もちろん、まず1業務をRPA化し、

他に類似した業務を社内で探すこともできるでしょう。

 

この場合、ロボットの「パーツ」が様々な部門と業務で活かせるようになると思います。

 

 

 

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