2018.08.02
この記事では私が、自分が勤める会社にRPAを導入し、運用を始めた一連の流れを書きます。
私の実体験になりますので、思いがこめられすぎて、少し読みにくい部分もあるかもしれませんが、熱が伝われば幸いです。
創業60年をこえた専門商社。
属人的に業務が進行しており、書類・データの残し方は人それぞれとなってしまっている。
ここ数年、標準化を目指し改善活動を進めており機運は高まっているがまだまだ。
多数のお客様と仕入れ先を抱えているため、それぞれのフォーマットがあり標準化は難しい。
事業部門トップが顧客に訪問した際に、「RPA導入を計画している」旨を聞き、私に調査を指示したことがきっかけ。
RPA導入のきっかけが欲しい方は、このパターンが良いかもしれません。
決裁権保有者に対し、まず第三者(できれば”お客様”の”偉い人”)から情報を伝えてもらう事により、
その決裁権保有者は『良い情報を得られた!』となりますので、
そこで時間をあまりおかずに整理された情報を伝えることにより、うまく進められるのではないかと。
いろいろなパターンはあると思いますが、一つの成功事例です。
なお、この時私は、RPAという単語は知っていたが詳しくは知らず、1から調査を開始しました。
▼調査結果はこちら↓
▼調査条件
この時の、下記所感を持ちました。
「思っていたより色々と対応できそう」
「自分でロボットを作るにはしんどそうだけど、社内からはかなり喜ばれそう」
「基幹システムはいつ刷新するかわからないため、今をそのまま改善できるRPAが地に足着いた現実的な解決案かも」
これらを、RPA調査を指示した上司に説明し、導入に向けて本格的に動くことを決意。
同時に、ソフトバンク様にデモを依頼し、社内の複数部門、グループ会社のメンバーが出席、
それぞれが好印象を持ったことも導入に向けて推進力を高められたきっかけだったと思います。
“思い”さえあれば、情報システム部門でなくても、社内に新たなシステムを導入することができます。
逆に、事業部門からの方が、具体的な導入効果を表現できるためRPAについては事業部門からの発信が向いていると思います。
また、調査を広範囲に行うことはお勧めしません。ただ時間と労力を浪費するだけです。
上記のように、調査条件をシンプルにすることでかなり絞れるはずです。
普段から、若手社員と話すと(飲みながら)、“テンションが上がらない業務”、“自分以外の誰でもできる業務”など細かなものが非常に多く、
本来の営業活動ができていない。と愚痴を聞いていました。
そこでRPA導入の費用対効果を出すためにこれらの調査を本格的に始めたところ、
自部門所属の数人へのインタビューだけで、ライセンス費用(60万円/月)は十分に回収できると分かったため、上申資料の作成に移りました。
など
RPAの導入・運用には、サーバー環境が必要です(サーバー型RPAの場合)。
そのため、情報システム部門との連携を求めました。
幸い、情報システム部門も独自でRPAの調査をしており、会話はスムーズに進めました。
当社では、事務局機能、サーバー周りの保守は情報システム部門。
ロボット作成、運用は各事業部門にキーマンを置くという形で進めることとしました。
スモールスタートの場合はサーバー環境を必要としませんが、
当社では対象のロボット案がすぐに多数出てきたため、最初からサーバー環境を要するプランで進めることにしました。
説明内容のストーリーはこうです。
(YouTubeにいくつか上がっているRPA関連の動画を使いました。お勧めはSoftBank Worldの講演動画です)
これで当社の場合は十分に理解を頂き、導入に向けて決済を頂きました。
お気づきの方もいらっしゃると思いますが、RPAロボット作成ツール自体の説明はほとんどしませんでした。
上層部は、そもそも“RPA”の事自体を正確に理解していないため、
BizroboだWinActorだと説明しても、結局どちらも“RPA”です。(質問は受けますので、準備は必要です。)
SynchRoidの柔軟性を確認できましたので、私はこの一本で上申しました。
(よくあるいくつかの製品を並べて〇×表はあえて作りませんでした)
また、キメの文句は「これを導入しないと、若手社員はどんどん辞めていきますよ。」です笑
▼必要なもの(サーバープラン)
・サーバー(クラウドサーバーでOK)
・開発用のPC *開発者の人数分
(通常、会社から配布されるPCではスペックが足りない場合が多いと思います。最低でもメモリ8GBが必要です。)
▼あった方が良いもの
・遠隔操作先用のPC
*サーバー上に仮想PCを設けても良いですが、サーバーへの要求スペックが高まってしまうため、1台手元に置いた方が開発が楽です。
・外付けモニタ
*できれば4Kモニタが良いです。開発画面では、実行ウィンドウ、タグなどいくつも
並行してみなければならず、フルHDモニタでも事足りないくらいです。
社内に情報システム部門があれば、このあたりは任せた方が良いと思いますが、
上記に書いた開発用のPCや、遠隔操作先のPC、4Kモニタなどは“後から気づく”類のものです。
ぜひ参考になれば幸いです。
情報システム部門が無ければ、必要スペックをRPAベンダーにまるまる用意していただくことも可能ですので、それもお勧めです。
ということで、予算の申請は余裕を持った方が良いです笑
決して、ライセンス費用のみで申請しないことをお勧めします。
まず当社ではスキルトレーニングを申し込み受講しました。
これ一回でRPAツールのことを理解するものではなく、ロボットを作る一連の流れを把握する程度と捉えた方が良いです。
それでも、受講をしないよりはした方が良いです。
これは絶対にさぼってはいけません。全部門に回るべきです。
また、会社によっては部門に回る順番も意識した方が良いでしょう。
RPA導入までの努力、労力は誰も理解してくれません。
逆に、メンバーは風の噂でRPA導入を知っていますので、期待を持つ人、疑心的な人などいろいろいます。
私はこういったスタンスで臨みました。
あくまで、「一緒に作り上げていきましょう。」「あなたの味方です」というスタンスです。
私が直接説明をした当事業部では、比較的に業務担当者からの「これもロボット化できる?」が多かったです。
説明の仕方が良かったのだと自負しています笑
今現在、リアルタイムに起きている問題はこちらです。
おおよそこれらが上がっています。
まだまだ数は少ないですが、今運用しているロボットの一例を紹介します。
当社ではまだ導入したてですが、すでにいくつかの業務で実績を上げておりすでになくてはならないものになっています。
なにより漠然と”他の誰かでもできる作業”、”時間と労力さえあれば行える作業”をしていた社員の方にとっては、
RPAは一筋の光であり意欲の向上に一役を買っていることが私にとっては一番の効果です。
しかし、RPAを導入した他の企業と話をしますと、当社の進みは早いケースのようです。
RPA導入メンバーとなった方は、しばらくはつらい時期が続くと思いますが、
その先に必ず成果が表れるものですので、ぜひ頑張ってほしいと思います。
ここまで駄文を読んでいただき誠にありがとうございます。
RPA導入に向けて困っている方にとって何か一つでもお役に立てれば幸いです。