2018.08.01
RPAに関する情報をチェックしていると、「BizRobo!」という名称を良く目にするかと思います。
しかしサービスそのものについては詳しく知らないという方も少なくないでしょう。
そこで本記事では、BizRobo!について解説します。
BizRobo! とは、RPAテクノロジーズ社が提供するRPAサービスの名称です。
事務業務を自動化する技術であるRPA(Robotic Process Automation)では、
自動化を実行するプログラムのことをロボットと呼び、ロボットを作成するためのソフトウェアが必要になります。
BizRobo! は、複数のロボット作成ソフトウェアと運用サポート、導入時のアドバイスをセットで提供しています。
大手銀行をはじめ導入企業も多く、国内シェアNo1を謳うNTTデータのWinActorと並び知名度も高いRPAサービスです。
国内400社以上での導入実績があります。以下のような導入例があります。
【大和ハウス工業】
基幹業務の効率化を目的としてアビームコンサルティング社の支援のもとBizRobo!を導入。
情報収集やデータ整理業務、会計レポート生成等に活用し、外注費削減などを目指す。
https://www.abeam.com/am/jp/ja/about/news/20170720
【日本生命保険(ニッセイ)】
RPAロボットを擬人化した「日生ロボ美ちゃん」を社のスタッフとして正式採用し話題に。データ検索やシステム入力を担当することで1件あたり数分かかっていた作業を20秒程度で処理し時間削減を実現。
http://rpa-technologies.com/about/#07-01
RPAのロボットは、大きく分けて各PC上で動くタイプと、サーバ上で動くタイプの2種類あります。
PC上で動くタイプはRDA(Robotic Desktop Automation)と呼ばれ、導入費用が安価に済むというメリットがあり小規模導入用途で人気があります。
一方で一元管理ができない、ログの把握が困難といったデメリットもあります。
サーバ上で動くタイプのロボットが狭義のRPAです。
管理のしやすさやユーザー管理ができるといったセキュリティ上の利点から大企業で多く導入されています。
BizRobo! はこちらに分類されます。
BizRobo! には、複数のロボット作成ソフトウェアが含まれています。
それぞれ特徴があり、利用企業の用途に合わせて適したソフトウェアを組み合わせることができるようになっています。
BizRobo! 中でも導入数が多いソフトウェアがBasic Robo!で、提供元のRPAテクノロジーズでも国内導入実績No.1を謳っています。
開発環境、ロボット監視環境、ロボット実行環境など複数のソフトウェアから構成されており、
ロボットを開発するソフトウェアはDesign Studioという名称です。
Basic Robo! におけるロボット作成は、プログラムの知識がなくてもできるのが特徴で、容易にループ(繰り返し)やファイル書き出しができます。
Excelのマクロと同様にレコーディング機能を備えており、ユーザーがクリックしたりテキスト入力したりする操作をソフトウェアが記録していきます。
一般的にプログラム言語では変数を宣言しますが、
Basic Robo!ではタイプと呼ばれる変数セットを作成し、タイプの中に複数の変数を作成します。
ロボットを作成する場合には、ロボットのなかにタイプを設定した後、右クリックで操作を記録しながらデータを取り出して変数に保存していきます。
記録した操作はフロー図のように表示されます。
Excelマクロでは実現が難しいような、Webからのデータ取得や他アプリケーションとの連携ができるのも利点です。
BizRobo! は知名度が高い反面、意外と誤解されていることもあります。ここではBizRobo! のよくある誤解を紹介します。
提供元のRPAテクノロジーズが日本企業のため、BizRobo! も日本企業が開発したサービスだと誤解されがちですが、
BizRobo! が提供しているロボット作成ソフトウェアはいずれも海外製です。
メイン製品のBasic Robo!はアメリカ企業のKofax社が提供しているKofax Kapow 10がベースになっています(Basic Robo!のソフトウェアを起動するとKofax Kapowという名称が表示されます)。
前述のとおり、BizRobo! は単体のアプリケーション名称ではありません。
RPAサービスを提供している多くの企業がソフトウェアとしてサービスを提供しているのに対し、
BizRobo! 提供元のRPAテクノロジーズ社では、BizRobo! をロボットの導入・運用を支援するためのサービスプラットフォームと位置付けています。
同社ではロボットのことを「デジタルレイバー(仮想知的労働者)」と呼び、人と同じように労働力として扱います。
ソフトウェアを販売するのではなく、複数のソフトウェアやOCR機能などを組み合わせたデジタルレイバーを作成、
提供するサービス全般をBizRobo! というサービス名で提供しているという位置づけです。
※https://rpa-bank.com/interview/7196/
ニュースなどで取り上げられるのは有名企業の事例が多く、
また導入費用が高額なことからも大企業向けのサービスだと考えられがちです。
しかしサーバ不要で初期投資を抑えられるクラウドサービス「Bizrobo! DX Cloud」をリリースするなど地方、中小企業向けのサービスも提供しはじめています。
BizRobo! が競合他社と異なる点として、パートナー企業と連携したRPAサービスを提供していることが挙げられます。
たとえばAI開発・データ分析を行うブレインパッド社では、
自社のAI技術データマイニング技術を付加したRPAサービス「ブレインロボ(BrainRobo)」を開発・提供しています。
自治体向けのシステム開発を行う大崎コンピュータエンヂニアリングでは、
今まで培った自治体向けシステム開発のノウハウを生かした自治体向けRPAサービス「OCEVISTAS」を提供しています。
いずれもBizRobo! のBasic Robo! をベースに、自社が持つ強みを組み合わせてサービス化することで差別化しています。
サービスごとにオリジナルのキャラクターを作成しています。
BizRobo! は、RPAにおけるロボットを作成するために必要なソフトウェアやサポートをセットにしたサービスのことです。
複数のロボット作成ソフトウェアが含まれていて用途に合わせて適した組み合わせができるほか、
ベースとなるソフトウェアにAI技術などを付加した連携サービスも多数存在し、
EC運営業務代行に特化したロボットや自治体業務に適したロボットなど、
さまざまな特徴を持ったロボット提供サービスが派生しています。
BizRobo! の提供元であるRPAテクノロジーズ社は、RPA操作スキルを持った女性スタッフを育成する「RPA女子プロジェクト」や、
ロボットを売買する「RPAマーケットプレイス」の提供(運営は子会社のセグメント社)など新たな取り組みにも積極的です。
RPAツールのデファクトスタンダードが存在しないなか、
「サービス提供社が多い」、「操作できる人材の育成を支援」、「ロボットの売買ができる」、「安価なクラウドサービスを提供」などを武器に、
BizRobo! の導入企業は今後も増えていくと予測されます。
出典
http://rpa-technologies.com/products/first/
https://rpa-bank.com/column/11305/
また、Basicrobo、SyncRoidについては以下の記事も併せてご覧ください。