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経理財務業務におけるRPA導入機会vol.3

2018.08.08

はじめに

RPARobotic Process Automation-ロボットによる業務自動化)は、近年のBPOの最前線でよく聞かれるワードの一つです。

 

これまで人間が行ってきた定型の作業や業務をPC内のロボットが仮想知的労働者(=Digital Labor)として代行することで、

業務効率と品質の向上、コストダウンが期待できます。

 

ただひと口に「自動化」といっても、

抽象的すぎてどんな業務にRPAを導入できるのかいまひとつ想像がつきにくいかもしれません。

 

今回は多くの企業で実際にRPAの導入が進められている業務のうち、

経理財務業務でのRPA導入機会を前回に引き続いてご紹介させていただきます。

 

■前回記事

経理財務業務におけるRPA導入機会【vol.2】

 

 

導入が検討できる業務

今回はこれまた手作業が多く発生しがちな「請求書発行~入金消込業務フロー」の自動化を検討してみます。

 

この部分は債権管理の観点において重要な業務ですが、その実多くの手作業が発生し、

ヒューマンエラーのリスクを抱えている会社様もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

この手のヒューマンエラーは会計上の問題だけでなく、顧客からの信用問題に直結するため、

業務の正確性が多分に求められます。

 

 

また請求書の性質上、作業が月末/月初に集中し業務の偏りが発生しやすいため、

現状のフローの中だけでは業務効率化が難しい部分でもあります。

 

このような【請求書発行~入金消込】業務はRPAを駆使して、効率化してしまいましょう!

 

 

 

 

  • 請求書発行~送付

各部署から日々発行される請求書。

 

11件には大した労力がかかりませんが、期日前になって申請が集中し、

その分一時的な労働力がつぎ込まれていることが多いのが事実。

 

その業務を効率的かつ正確に処理するには、自社の請求書発行の仕組みとそれに適合するロボットの開発が肝要です。

 

 

【請求書発行システムを利用している場合】

手軽かつ安価な業務効率化の手段として活用されることの多いクラウド型請求書システム

導入を進めている企業様も多いのではないでしょうか。

 

近年の請求書発行システムは、作成から送付まで安価で手広いサービスをウリにしているところが多く非常に便利です。

 

サービスの内容は各社とも様々。

中にはWEBバンキングや会計ソフトとの連携が可能なアプリケーションも存在しますが、

高価であったり、対応ソフトが限られていたり(全ワークフローを同系列のシステムに組み替える必要があるなど)するため、

今回は請求書発行~送付まで対応した一般的なクラウドサービスの利用を想定します。

 

 

各社員が販売明細書や売上報告書を基に顧客宛ての請求書を発行します。

多くのアプリケーションでは請求書が発行された段階で送付手続きが進行するため、

非常にスムーズに請求書を作成/送付することができるでしょう。

 

後段でロボットが参照し、そのデータを基に入力/照合を進めていくため、

請求書フォーマットはある程度統一されたものを使用できるように、あらかじめ各部署ですり合わせが必要です。

 

また、入力時も金額差異などが発生しないように、細心の注意を払って入力を進めていきましょう。

 

 

【紙ベースの請求書を発行している場合】

中小企業の中には請求書を紙ベースで発行し、直接顧客のもとへ発送しているところも多いでしょう。

 

自動化を検討する際は「Excelで請求書を作成し、電子ファイルで送付する」という手段が考えられます。

 

Excelで作成すれば、各請求書をロボットが確認し後段の作業に必要なデータを抽出しやすく、

また電子ファイル送付なら、自動メールをロボットにプログラムしておけば、簡単に発行~送付までを効率化できます。

 

具体的には、まずフォルダを作成し、そこに当月分の請求書をまとめて保管しておきます。

次にロボットが決められた日時にそのフォルダを巡回するように設定し、請求書内容を確認。

 

顧客IDなどから別途作成する「顧客マスタ」と自動で紐づけ、

送付先アドレスを抽出し自動的にメールを送付させる仕組みを作ります。

 

仕組み自体は簡単なので、手っ取り早く業務効率化が図れますが、

反面請求書データ送付を認めない(あるいは推奨されていない)企業が一定数存在するのも事実。

 

前提として請求書送付について双方の合意が必要になります。

電子ファイルでの送付が困難な顧客へは、郵送での対応をするなどしましょう。

 

 

  • 仕訳(売掛金計上)

発行された請求書を参照し、会計ソフトに売掛金として計上します。

 

 

【請求書発行システムを利用している場合】

発行の手続きが完了した請求書をロボットが確認し、会計ソフトに1件ずつ売掛金を計上していきます。

(この時点で請求書内容に不備がないように、あらかじめシステム上に承認機能を付与しておけば安心です。)

 

この際会計ソフトと連動するようにあらかじめ、

システムマスタ上と会計ソフト上の企業名などの表記を統一しておく必要があります。

 

 

自社独自の決まりで、より詳細な情報を会計ソフトに入力する必要がある場合(例えば金額の内訳入力など)は、

システムのフォーマットを変更させる、あるいは「顧客マスタ」から追記情報を取得/入力するなどで対応が可能です。

 

ただし、あまりに多くの例外的処理をロボットに実行させようとすると、必要なロボット数が増えてしまいます

 

費用対効果を考え、場合によっては例外処理を手作業業務として残し

定型化が可能な大部分の業務を自動化する方法をとるなどして、検証を進めていく必要があります。

 

 

【紙ベースの請求書を発行している場合】

フォルダに集約された請求書から必要情報を取得し、会計ソフトに転記していきます。

基本的にはシステムを利用している場合と同様です。

 

売掛金計上が済んだ請求書には、請求書内に「計上済みフラグ」を自動的に立てておきます。

これは次回以降ロボットが作動しても、二重計上をしないようにするためのロジックに必要となってきます。

 

 

  • 集計

発生月ごとに請求書発行一覧を作成します。

この請求書発行一覧上で債権管理を行います。

 

後段の「入金消込」時には、入金のあったものから明細を消し込んでいきます。

 

 

【請求書発行システムを利用している場合】

各社が展開するサービスの中には、WEBバンキングと連動し、

システム上で入金消込を実施できる機能を持ったものも登場しています。

 

しかし自社システムでそういった機能がない場合は別途一覧形式で集計する必要があります

幸い多くのクラウドサービスにおいて、任意の期間で発行された請求書情報をCSVファイルで取得できるので、作成自体は手間になりません。

 

その他必要な情報は「顧客マスタ」を参照し、付与させます。

 

 

 

 

【紙ベースの請求書を発行している場合】

こちらでは、フォルダに集められた請求書の内容をロボットが確認して一覧表を自動作成します。

 

売掛金計上が済んだ請求書から「金額」「顧客ID」「顧客名」などを抜き出し、Excelに反映していきます。

 

 

  • 入金消込

WEBバンキングを参照し、入金のあった請求書を消し込んでいきます

 

 

【請求書発行システムを利用している場合/紙ベースの請求書を発行している場合】

ロボットがWEBバンキングの入金情報を取得し、

請求書発行一覧から該当請求書を入金済みとして消し込んでいきます(入金日を入力)。

 

この際注意しなければならないのは、WEBバンキングに登録されている口座名の表記です。

 

口座名の多くは半角カナで表記されていることが多いので、

そのままではロボットが請求書発行一覧と照合することができません。

 

そのため、あらかじめ「顧客マスタ」にそれぞれWEBバンキングでの名称を入力しておき、

入金消込実施時に参照させる必要があります。

 

 

また、請求書内容によっては手数料のやり取りから振込金額が不一致となる場合もあります。

 

そういった場合は、ある程度の金額幅をロボットに設定し、

入金消込を実施させることも検討する必要があるかもしれません。

 

一定期日を以っても入金がない請求書については、自動でアラートを飛ばし通知し、

催促対応を実施することも可能です。

 

 

  • 仕訳(売掛金計上)

 

【請求書発行システムを利用している場合/紙ベースの請求書を発行している場合】

請求書発行一覧を参照し、入金消込が済んだ明細から、売掛金消込を実施していきます。

 

こちらは、②で計上した売掛金を消し込んでいくだけなので、同様のロジックでロボットに実施させることが可能です。

 

ただし一連の業務において、都度人間の目で適切な処理がなされているか確認し、正確性を担保することが肝要です。

 

 

さいごに

今回のコラムでは経理財務業務におけるRPA導入機会をご紹介しました。

 

このほかにも人事/総務部門などのバックオフィスでの活用が進んでいます。

RPA導入時まず検討するべきは、

 

  • 手作業で多くの業務時間を要しているところはどこか
  • 一連の業務を定型化できるか、例外処理はあるか
  • 自動化によりどれだけの労力/業務時間を削減できそうか

 

という観点での業務内容の見直しです。

 

そのため開発の前段階として「業務の棚卸」を実施していくことになります。

 

今すぐロボット開発/導入は無理でも、一度自社の業務フローを可視化することは、

業務効率化の第一歩です。

 

この際にぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

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