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RPA全社導入前の心得 ~RPAプロジェクト推進体制編~

2018.07.24

今回はRPAのプロジェクト推進体制に関する内容です。

 

RPAの導入方法は「特定部門の導入」と「全社導入」の大きく分けて2パターンあります。

 

前者では、新たな技術導入という視点で淡々とプロジェクトを進めていけばよいのですが、

後者の場合ですと、多くの部門や業務を意識していく必要があり比較的ハードルが高いと言えます。

 

当コラムでは、特定部門のRPA導入に加え、

大手金融グループ企業での全社的なRPA導入のどちらをもコンサルタントの立場として経験して来た筆者の目線から、

RPAの全社導入におけるプロジェクト推進体制についてのポイントを紹介します。

 

 

 

 

RPA専門組織の立ち上げ

これまでのシステム導入の推進体制としては、従来から存在する情報システム部門が推進することとなりますが、

ことRPAを導入するとなる場合は、新たに立ち上げられた専門組織の役割が大きくなっています

(ここでは、この組織のことを「RPA推進部」と呼びます)。

 

RPA推進部は各部門へのRPA導入支援も含めてワンストップで推進する役割を担います。

このような組織はたいていの場合、経営企画部等の経営戦略や企画に携わる部門の中に位置づけられています。

 

実際にこのような体制をとる企業は増えています。

 

参考として、私が参画したRPA導入プロジェクトでの組織体制は以下のような形でした。

 

 

 

 

 RPA開発チーム

RPA開発チームでは、各部署の従業員に担当業務の詳細ヒアリングを行い、

RPA化が期待できる業務の選定や各業務とRPAの適合性評価、さらにロボット開発等を担います。

 

また、RPA開発後は、開発したロボットが各部署に定着するよう、

マニュアルや業務フローといったドキュメントの作成も行うことが多いです。

 

 

RPA導入プロジェクトでは、プロジェクトの目標として月当たりの業務削減時間が指標としてあげられることが多く、

こちらをRPA化の業務の選定基準とすることが多いです。

 

また、顧客との接点のある業務、すなわち、いわゆるフロント業務の場合ですが、

万が一ロボットにエラーが起こった場合の顧客への影響度を考えるとリスクが高く、

これらの業務をRPAで自動化するか否かも論点の1つになるでしょう。

 

RPA開発チームでは、RPAユーザ(従業員)と直接コミュニケーションを取りながら、

プロジェクト目標である業務削減時間についての管理・報告義務を担うため、非常に重要な役割を担います。

 

 

運用チーム

運用チームでは、RPA導入後の運用が定着するような仕組みを検討します。

例えば、開発したロボットが何らかの理由で故障した場合のユーザからの問い合わせ管理方法等があげられます。

 

ユーザから寄せられる問い合わせを管理し、それらを社内ノウハウとして蓄積するための仕組みを構築することも重要です。

 

こうした運用を検討するにあたっては、ユーザ部門になるべく負担のかからないようにする視点を持つことがポイントになります。

 

なぜなら、RPAを導入しても、その後のフォロー体制が煩雑だと、

結局従来通りの業務のやり方のほうがやりやすいと感じてしまい、その場合RPAは宝の持ち腐れとなってしまうからです。

 

 

環境構築チーム

環境構築チームでは、RPA導入に必要なサーバやロボットの開発/実行(起動)PCの設置、RPAのライセンス管理等を検討するチームです。

 

また、RPAツールによっては、①単体のPCにインストールして個別に管理する方法(いわゆるRDA=Robotics Desktop Automation)と、

②サーバで集中管理する方法(サーバー型RPA)があり、どちらを採用するかは企業の規模や管理方針に則って決める必要があります。

 

環境構築チームで検討する内容は、情報システム部門やセキュリティ部門と調整しながら進めていくことが多いです。

 

また、導入するRPAツールが決まっていない場合は、環境構築チームがRPAベンダーへのヒアリングからRPAツールの選定を行います。

 

参考として、RPAツールの選定ポイントをあげます(『まるわかり!RPA』(出版社名:日経BPムック)89頁より引用)。

 大きく以下の4点が挙げられるようです。

 

  1. 自社環境で使える製品か?
  2. デスクトップ型かサーバー型か?
  3. 自社の開発・保守体制に適しているか?
  4. 自社にとって経済的なライセンス形態か?

 

 

 

保守チーム

保守チームでは、RPAの本格導入後の窓口業務としての役割を担います。

 

具体的には、新たにロボットを構築する場合や、何らかの理由でロボットが起動しなくなった場合の対応等を行います。

 

また、リリースチェックといって、構築/改作したロボットを使用する前に、

ロボットの内容をチェックする品質管理の役割も担います。

 

保守チームの運用方法として「アウトソーシングするパターン」と「社内人材を利用するパターン」がありますが、

後者の場合、保守を担当する社員はRPAの知見を有する必要がある為、事前に研修を計画するなどの検討が必要になります。

 

 

各チームにおける想定成果物

最後に、RPAの運用を定着化させるための各成果物について紹介します。

 

RPA開発チームの成果物

  • ロボット構築ガイド:ユーザー(従業員)向けに作成する、簡易的なロボット作成マニュアルです。ロボットの構築ルール(命名規則等)を記載したり、簡単な操作ガイドを記載します。
  • ToBe業務マニュアル:従来のAsIs業務フローとは別に、RPAを使用した場合の業務マニュアルを作成します。例えば、あるWebサイトから単価等の情報を抽出(コピー)し、Excelフォーマットにその値を貼り付けるといった作業を行う場合、具体的にWebサイトのどの箇所から値を取ってきてExcel上のどのセルに貼り付けるのか、といったことをここで明記します。情報を外部のWebサイトから取得する場合、Webサイトの画面構成が変わる度にロボットの改作やマニュアルの内容を変更しなくてはいけないため注意が必要です。
  • ToBe業務フローToBe業務マニュアルの補完的な役割を担います。ここでは、大まかな業務の流れを記載します。業務フロー上で人間が手作業で行う部分とRPAで行う作業の部分を明示的に示すことが重要です。

 

運用チームの成果物

  • ロボット構築/改作フロー:新たにロボットを構築する場合や、何らかの理由でロボットが起動しなくなった場合にロボットの構築/改作を保守チームに依頼するための手順を定義します。上記で述べましたが、このフローはなるべくユーザ(従業員)に負担をかけさせないような仕組みを設計する必要があります。
  • RPAユーザ(従業員)向け研修実施要項:社内でのRPA人材育成を目的とした研修のカリキュラムや開催方針等を記載します。

 

環境構築チームの成果物

  • RPA導入方針:例えばRPAツールの機能上の制約条件や禁止事項、社内システムIDや権限設定のルール等を定義します。
  • RPAツール構成資料RPA用のサーバやロボットの実行/起動PCの設定方法等を定義します。

 

保守チームの成果物

  • QA窓口の運用ルール:ロボ構築方法に関する相談窓口への連絡方法等を定義します。
  • リリース手順書:ロボットの品質を担保するために、保守担当が従業員により構築されたロボットの中身をチェックします。

 

おわりに

いかがだったでしょうか。

 

RPAを全社導入する前に心がけるポイントや

各チーム組織の概要、役割を中心にお伝えしました。

 

導入前のTIPSとしてお役立ていただければ幸いです。

 

 

 

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