2018.07.19
UiPathのオートメーションについて学んでいると多くの場合に出てくるのがCitrix(以下シトリックス)と呼ばれるものです。
シトリックスやシトリックスレシーバーという言葉は何回か聞くことはあると思うですが、
しっかりと、どういったものなのか全容を理解している人も多くはないかと思いましたので
今回はシトリックス環境やその活用法についてまとめていきたいと思います。
シトリックスとは多くの場合、シトリックス・システムズの略称として書かれています。
シトリックス・システムズとはコンピューターの仮想化や遠隔操作のソフトウェアやネットワークの開発、
他にもクラウドコンピューティング技術などの製品を開発・販売しているアメリカのITの企業です。
シトリックス・システムズ株式会社はアメリカのフロリダ州に本社が置かれており、
日本にも霞が関にシトリックス・システムズ・ジャパン株式会社という支社がおかれています。
シトリックスの企業方針としては、
いつでも、どこでも、あらゆるデバイス、ネットワークから、
世界中のアプリケーションおよびデータへのセキュアかつ容易なアクセスを実現する
というものです。
この一つの方針をシトリックスでは尽力して取り組んでいます。
シトリックスはテクノロジーを”great liberator(大いなる解放者)“であるべきであると考えてます。
企業の生産性などを向上させるためにテクノロジーを用いるべきであり、
それにより人々には、時間や場所にとらわれない働き方を可能にするようにしていくべきであると考えているようです。
また、IT分野においてはセキュリティの面でも常に安全性を保つことで安心感を与えるべきだと考えています。
これらのために、人・組織・モノがしっかりと連携し、
相互でアクセス可能な世界を実現することを課題としているようです。
つまり、シトリックスはすべてのビジネスがデジタルで処理され、
その顧客がその可能性をさらに引き出すことができる世界を目指しているのです。
また、シトリックスは生産性の向上と効率の単純化を行うことを推進しています。
今後、仕事の個人化が進むにつれて、2020年までに労働者の50%の人がリモート勤務に変わると予想しています。
個人作業にともなって、場所に関係なく仕事していくようになると
インフラストラクチャ、デバイス、およびデータのセキュリティ保護に関する課題を突き付けられます。
この課題についてもシトリックスはソフトウェアなどによって解決をしようと考えているようです。
単に、仮想化といってもいくつかの仮想化がありますが、
今回お話するのはシトリックスも開発している、デスクトップ仮想化についてです。
デスクトップ仮想化とは、その名の通りデスクトップの仮想化をおこなうものです。
オペレーションシステム(OS)やアプリケーションのような作業を行う際に、
使用するであろうデスクトップの環境を仮想化技術を用いてサーバー上に集約する作業のことです。
利用者はディスプレイの画面や信号送信機器のみを必要とし、
デバイス機からネットワーク越しの遠隔地のパソコン本体を呼び出して操作します。
つまり遠隔地にある仮想マシンをあたかも手元にあるように操作し、利用するといった方法です。
一般的な普通のパソコンでは、デバイス機器とOS、アプリケーションとが一体となっていますが、
仮想化においてはこれらが分離されて実行されます。
そのような環境やシステムを「VDI」(Virtual Desktop Infrastructure:仮想デスクトップインフラ)と呼びます。
ここまでデスクトップ仮想化の内容について触れてきましたが、
次からは仮想化における利点についてお話していきます。
デスクトップ仮想化にはどのような利点があるのでしょうか。
・ユーザーが利用する端末が、キーボードやマウスなどの信号を送る機器、そして画面表示のためのディスプレイのみ
OSなどはサーバーで管理しているため、
利用者は、手元のキーボードやマウスを用いて遠隔のサーバーに信号を送るのみで構いません。
利用者にとって、周辺機器がとてもシンプルになります。
また、従来のパソコンよりも低スペックの機器でも可能なので、環境構築が安価でコストを削減することができます。
・ユーザーがパソコンを管理する必要がない
OSやアプリケーションなどが分離されていることにより、
利用者は複雑なOSのアップデートやセキュリティの導入などをする必要がなくなります。
他にも、ソフトウェアの追加や変更、メンテナンスもする必要がありません。
これらはすべてサーバー側の管理者がすべて行うことになります。
・セキュリティが強固
手元のパソコンに大切なデータを管理するのではなく、
サーバー上のデータセンターやマシンルーム内で管理するため情報の漏洩などが比較的防ぎやすくまります。
また、USBストレージによるウイルス感染なども防ぎやすくなります。
さらに、管理を管理者が一元的に行えるので、
様々なところでプロフェッショナルな人材を雇う必要がなくなり、コストを削減することができます。
・どこでも同じ環境をつくりやすい
物理的なパソコンと違って、サーバー上にデスクトップ環境があるため、
自宅でも出先でも同じ環境を設定することができ、作業効率が落ちることがありません。
・管理者の作業が減る
従来の管理では、分離された複数のパソコンを一台ずつ管理しないといけませんでした。
何百何千のデスクトップを管理して、そこでバックアップを取る必要がありましたが、
デスクトップ仮想化においては、各アプリケーションもOSもコピーがそれぞれひとつずつで済みます。
・オフラインでは利用不可
今までの説明で明らかですが、デスクトップ仮想化はサーバーを経由して行うので、
ネットワーク環境がない場合だと作業をおこなうことができません。
また、ネットワーク環境の障害などが起きた場合などでも作業の効率は落ちてしまいます。
つまり、使っているネットワーク環境に依存するということです。
・通信帯域の効率化
デスクトップ仮想化においてはOSやアプリケーションなどがサーバー側で実行されます。
ここで重要になってくるのが、通信帯域の効率化です。
理由としては、ネットワークの帯域を複数のユーザーで共有して共有するので
接続するユーザーの数によってはネットワークの帯域を圧迫してしまい、
スムーズな作業を行えない可能性があるという面です。
特に画像などのデータを転送する場合などにおいては、この効率化がとても重要になってきます。
そのためにも、VDI(Virtual Desktop Infrastructure:仮想デスクトップインフラ)を開発・販売
している企業は効率の高い通信プロトコルを提供しています。
例えば、シトリックスが提供している「Citrix XenDesktop」は「Citrix ICA」を実装しています。
実際には、シトリックス以外にも
ヴイエムウェアーの「VMware Horizon」やマイクロソフトの「Microsoft VDI」などの
仮想化ソフトウェアもあります。
今回はシトリックスのデスクトップ仮想化について見てきました。
多くの人数でプロジェクトを進める際などに、デスクトップ仮想化を行うことでデスクトップの管理などが楽になります。
しかし、このデスクトップ仮想化には利点だけではなくて、
デメリット・注意点などもあるのでそこもしっかりと確認しておきたいところです。