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地方自治体におけるRPA活用導入のポイント (1/3)

2018.07.11

 

本コラムでは、2017年頃から活発化し、

まさに近年大きなトレンドとして勃興している自治体向けRPAの導入Tipsについて述べていきたいと思います。

 

実際の地方自治体の導入事例については以前書いたコラムをご参照ください。

そちらではつくば市や京都府といった先進的な自治体における取り組み事例について報道資料を基に考察しています。

 

地方自治体におけるRPA活用事例

 

 

今回のコラムは、その自治体において具体的にどのような業務が対象になっているのか、

またRPA導入する際にどのような点に特に注意すべきかをまとめていきたいと思います。

 

そもそも確かにこの自治体業務というものは定型作業の宝庫であり、潜在的にRPA化できる余地は非常に大きいのが特徴です。

 

ただ、一般の民間企業のRPA導入と違って使用しているシステムがクラウド型ではなくオンプレのシステム

さらには旧型のスクラッチ開発した独自システムも現存していることも多いです。

 

また、内部事務処理のバックオフィス業務だけでなく、フロントの窓口業務での活用も求められ、

即時対応できる、フロントの人間とリアルタイムで協業できるようなロボットの設計が必要です。

 

 

地方自治体におけるRPA対象業務

まず、具体的にどのような業務が自治体においてRPA対象になるのでしょうか。

そのためには、自治体の業務を大きく「窓口業務」「内部管理業務」に分ける必要があります。

 

 

窓口業務:

窓口業務は、市役所等庁舎に訪れた市民に対して行うサービスです。

 

近年では住民票や戸籍謄本などの証明書発行業務は機械による自動化がなされていますが、

各種の届け出等についてはまだ人間の事務員が対応しています。

 

 

一部の例にとどまりますが、具体的な業務を挙げますと以下があります。

  • ライフイベント関連
    • 住民異動届
    • こども/その他児童手当
    • 戸籍届
    • 印鑑登録
    • 住民基本台帳カード手続き
    • 転入手続き
    • 婚姻届
    • 死亡手続き/埋葬・火葬許可
  • 税金・年金関連
    • 国民健康保険手続き
    • 国民年金手続き
    • 地方税の各種届出手続き
  • 福祉関連
    • 身体障害者手続き
    • 予防接種関連手続き
    • 介護保険/高齢福祉/後期高齢医療制度手続き
  • 公共サービス関連
    • スポーツ施設の受付・管理事務
    • 図書館運営業務
    • 各種催事・イベント業務

 

 

特徴としては、実際に市民の方に相対しての業務となっており、自動化するにしても即時対応が求められることです。

 

RPAがよく活用される民間事例に例えると、コールセンターでの導入に近いかもしれません。

 

ロボットが定刻にバッチ処理のように起動するようなやり方は、通常フローを遵守するのであればここではできません

 

 

内部管理業務:

次に、内部管理業務について述べます。市民の方と接する窓口業務とは別に、自治体業務には事務所内で行われる様々な定型業務が存在します。

 

こちらについては各自治体個別の業務ももちろん多く存在するのですが、

一般的に多くの自治体で行っているもので特にRPAに向いている定型業務を挙げると以下になります。

 

 

  • 会計業務
    • 会計審査・出納業務
    • 物品管理
  • 契約関連業務
    • 入札参加資格審査申請に関する業務
    • 契約事務手続き、調達先登録業務
  • 総務・経理業務(職員に対する業務)
    • 職員給与
    • 旅費・経費精算
    • 保険手続き
    • 職員研修
  • 情報管理
    • 情報端末管理
    • 統計業務(データ整理・活用に係る資料作成業務等)
    • 自治体HPの運営、更新
  • 教育関連業務(小学校など自治体の教育機関に関する業務)
  • 観光関連業務
  • その他自治体サービス
    • ふるさと納税事務処理
    • 催事・自治体施設に関する事務処理

 

 

ここで取り上げた業務は、自治体に存在する事務処理の一部でしかありませんが、

自治体では、法人、市民問わず多くから各種申請を受けています。

 

その入力作業であったり、審査、そして契約手続き等、多岐に渡った定型業務が存在します。

また、調達関係は特定の課で事務処理をまとめていますが、補助金関係になると各担当部署に事務作業が分散する傾向にあります。

 

 

地方自治体においてRPAを導入する際の重要検討項目

 

それでは、実際に地方自治体にRPAを導入するに際して、どのような点を特に考慮する必要があるでしょうか。

これらの点は正直、自治体特有のものだけではなく、民間企業でRPA導入する際にも言える事も含まれています。

 

ただ、やはり、今までのコンサルティングの経験上、自治体でのプロジェクトでこれらの点は特に顕著に言えるのではないかと考えられます。

 

 

  1. RPAを入れる前に業務フローを変えよ

 

まず初めにこれは声を大きくして訴えたいところですが、

RPAを導入する前に、BPRに多くの労力をかけたほうが断然、効果が高まります

 

ここでは例として、先ほど説明した「窓口業務」についての事例を紹介していこうと思います。

 

一般的に、窓口業務は、市民の方からの申請受付をしたあと職員がそのままシステム入力をして、

その入力結果を終えて、市民に各種証明書等の交付するフローを取ります。

 

この場合、申請書の種類によっては交付が必要ないものもあります。

また、窓口対応終了後、事後に事務所内で再チェックをするケースも多いです。

凡そのフローをまとめると以下になります;

 

 

<窓口業務の一般的な業務フロー>

  • 窓口受付
  • 内容確認
  • システム登録
  • システム登録内容確認
  • 証明書等の交付(申請の種類によっては交付がない場合も有り)
  • 会計
  • 申請書再チェック

 

 

一般的に、自治体の窓口業務では、この窓口受付から証明書等の交付までを毎件一連の業務として行います。

 

このような「一件ごとに一連の流れで最後まで行う業務」というのは、実はRPAに差ほど適した領域ではありません。

本質的に、RPAが一番業務効率化の貢献ができるのは、複数件を定刻にまとめて処理する「バッチ処理系」になります。

 

もちろん、上記のような「一件ごとに一連の流れで最後まで行う業務」でもRPAを導入することはできます。

ただ、この場合、RPAによる業務効率化効果が限定的になってしまう恐れがあります。

 

 

ロボットをシステム上のどこに置くのかにも影響を受けますが、一件ごとに職員とロボットがシームレスに連携して流れ作業を行う場合、

理想となるのはローカルの職員が扱っているPCの中にロボットを入れる形態です。

 

ただ、ここで問題が生じます。

そのロボットが動作している最中、職員はそのPCを操作することができず

結果、その職員は他の活動ができず実質待機の状態になります

 

これでは、ロボットにより生まれた余剰時間を有効活用できているとは言えません。

 

もちろん、ロボットによる1件の作業自体が、職員が行うより高速であれば、

例えその間職員は待機であったとしても処理時間の短縮は図れます。

 

これはコールセンターの例になりますが、コールセンターのオペレーターは、

電話をしたきた顧客の情報の精査、与信の計算など複数のシステムに即時にアクセスして情報処理をする必要があります。

 

この「複数システムを使用する」手間を省くためにRPAでコンソールを作り、

ロボットが自動で複数システムにアクセスして結果を返す事例があります。

 

その場合、確かに、人間のオペレーターが作業するよりも時間の短縮が望まれ

結果、1オペレーターあたりの処理速度・件数の増加の効果があります

 

ただ、このような接客中に複数システムにアクセスしなければいけないような事例は果たして自治体の窓口業務でどれほどあるでしょうか。

 

 

そこで、自治体でRPAの導入効果を最大にしたいと思うならば、業務フローの再設計、つまりBPRの取り組みが事前に必要となります。

 

要諦となるポイントは、ロボットが最も効率的に動けるように、「複数件まとめて一気に片付ける(≒バッチ処理)」様な業務フローに再設計することです。

 

証明書の交付をその場でしないといけない業務については、システム登録を1件1件個別に済ます必要があるかもしれませんが、

そうではなく、申請の受付だけでその場は完結する、もしくは完了の通知は後日でも良い業務についてはシステム登録業務を後日にまとめてしまい、

RPAによるバッチ処理(手書き申請書であればOCRの技術も必要ですが)にしてしまう方策が考えられます。

 

交付が必要な申請についても、本当に即日、その場での交付が必要なのか、後日郵送でもいいのかは真剣に検討する必要があります。

内容確認の必要については、後日の電話・メールで処理することもできます

 

実際に民間の契約関連ではそのようなケースも多いのが事実であり、

自治体としても「何か何でも窓口受付のその場で完了まで済ます」というポリシーを見直す必要があるのではないでしょうか。

 

 

自治体におけるRPA導入ポイント1:業務フローの改善(BPR)

 

 

 

 

次回コラムでは、更に自治体におけるRPA導入する上でのポイント・コツについて言及していきます。乞うご期待ください。

 

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地方自治体におけるRPA活用導入のポイント (2/3)

 

 

 

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