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失敗事例から学ぶ。RPA導入に失敗しないためには?

2018.07.09

RPAを導入して業務を自動化することで、

「労働時間や業務コストの削減を実現できた」

「定型業務に携わっていた人材を知的生産業務へと振り向けることができた」

など、さまざまな企業でRPA導入の成果がうたわれています。

 

その反面、RPAの導入に失敗する例も数多く存在します。

 

失敗の原因を大きく分けて考えると、

「RPA導入時の問題」「RPA導入後の運用時における問題」という2つの側面があります。

 

そこで今回の記事では、

「RPA導入に失敗する理由」「失敗しないためにはどうすればいいのか?」

という観点からご説明をしていきます。

 

RPA導入時の問題点

 

□スモールスタートが大事

 

RPAを導入しようとする際、いきなり全社で導入しようと考えると失敗する可能性があります。

 

まずは部署や業務を限定した簡易なロボットからスタートしてPoCProof of Concept/概念検証)を行い、RPAの導入効果を確かめながら適用範囲を広げていくことが大事です。

 

RPA導入は、スモールスタートして大きく育てていくことが基本になります。

 

「年間数千時間の業務削減に成功」「定型業務の●割削減を実現」といった大規模な成功事例に目が行きがちですが、

いきなり全社規模で運用をしたわけではなく、やはりスモールスタートで運用を開始し徐々に適用範囲を拡大、

その結果、大きな効果が得られたという事例が大半になります。

 

 

なぜRPAでいきなり全社規模での導入がタブーなのかというと、各部門の業務に対応した導入が必要となるからです。

RPAツール自体は標準的なものですが、使える環境や使い方はそれぞれ異なるわけです。

 

それだけでなく、RPAというテクノロジーが登場し注目されたのはごく最近のこと。

多くの企業にとってもRPA導入は初めての体験となります。

 

 

そのために、システム面だけでなく業務面も含めてすり合わせを行いながらベストプラクティスを見つけ、それを確立していくことが大事です。

 

そのほか、RPAに関わっていく人材を育成するにもある程度は時間がかかります。

RPAの適用範囲はスモールスタートすることが成功の近道というわけです。

 

また、PoCで導入効果が上がっている結果が検証できれば、その事実をもとにして、

経営層に対してRPA導入範囲拡大を促すこともしやすくなります。

 

 

RPAツール選定も大事

 

RPA導入に当たってどのツールを採用するのかも重要なポイントです。

 

RPAベンダーのデモや資料だけでツールの採用を決めてしまうと、

どんな複雑な業務でも簡単にロボットを作成して自動化できてしまうという印象を受けてしまいます。

自社でRPAを導入しようとしている業務の内容や規模によって、向き不向きもあります。

 

 

また、初期導入コストという観点だけでツールを採択した場合、機能により自動化の範囲が中途半端になったり、既存IT環境で動作しきれなかったりといった場合もあります。

 

そうならないためには、初期導入コストだけを見るのではなく、

ランニングコストやツール導入により期待される効果(業務削減効果やコスト削減効果など)をシミュレーションしてツール選択の要素に加えていく必要があります。

 

たいていのツールであれば、12カ月は無料でトライアル利用ができますので、実際にRPAを使う部署で試してみて使い勝手を比較しましょう。

 

 

RPAへの過剰な期待は禁物

 

RPAに対し過剰に期待をし過ぎて失敗へとつながるケースもあります。

 

RPAの成功事例が喧伝されていることで、当然のことながらRPAへの期待値は高くなっていくでしょう。

事実、大半はその期待に応えることができると思いますが、過剰過ぎる期待はいけません。

 

なぜかといえば、RPAは「システム」ではなく、あくまでも「デジタルレイバー(仮想知的労働者)=人材」という位置づけで考えなければいけないからです。

 

導入するだけで業務改善などにつながるシステムとは異なり、RPAはあくまで行っている業務の処理や作業をそのままなぞって自動化する仕組みです。

 

RPAとはシステム環境を変化させるツールなのではなく、「既存システムを使う側」を置き換えるソフトウェアなわけであるため、

RPAのロボットを「同僚」の延長線上として捉えながら、業務を継続的に教えていくことでその真価を発揮するわけです。

 

RPAで業務自体が大きく改善する」という考えで導入を進めると、導入後に「期待外れ」という感想を抱いてしまうわけです。

 

RPAを適用する現場に対して、導入の意義をきちんと伝えられていないことも失敗へとつながります。

 

RPA導入の意義が現場につたわっていないことで、

「ロボットに仕事を奪われる」といった警戒感が生まれ、現場から正しい情報が得られず

RPA適用対象を洗い出しきれずに導入に踏み切る結果となる場合があります。

 

そうなるとRPA導入後の成功は見込めません。RPA利用部門現場への事前教育も必要となるわけです。

 

 

RPA運用時における問題点

 

RPA利用のルールを決める

 

RPAを無事に導入し運用フェーズへと移行したときに「導入に失敗した」となるケースもあります。

 

まず、RPA利用のルールを決めずに運用を行うと導入失敗となりかねません。

ルールを決めずにRPAを導入しツールのマニュアルだけを配布した場合、利用する部門が勝手にロボットを次々と作りかねないからです。

 

そうなると、ロボットが既存システムに対して負荷をかけてしまう可能性もあります。

ルールを整備してから利用部門でのRPA導入をスタートさせることが大事です。

 

それだけでなく、利用部門が勝手に作成したロボットはブラックボックス化し、担当者がいなくなった後はメンテナンスが不可能となる可能性もあります。(=野良ロボット化

属人化をなくすために導入したRPAで新たな属人化が発生してしまうわけです。

 

そうならないためには、ロボットが実行しているプロセスがどのような手順を踏んでいるのか、担当者以外でもわかるようにマニュアルにまとめておく必要があります。

 

 

□人間でないとできない作業には注意

 

定型業務をロボットに移行する際にも注意が必要です。

定型業務のなかには、「電話確認する」「目視で確認を行う」といったパソコンを使用しない人間でないとできない作業もあります。

 

そのため、既存の業務手順やルールを踏襲してそのままRPAを適用した場合、人が介在するところも残る可能性があります。

 

その場合、人間がExcelファイルを加工する作業を自動化するには、

ロボットのオペレーションをひとつなぎにする工夫が必要になってきますが、そこへと至らないケースも存在します。

 

結果として、ロボットによる業務効率向上は不完全に終わる可能性もあります。

 

 

□ある程度の習熟は必要

 

RPAの大半はプログラミングの知識などが不要で、既存のITシステムよりも簡易に使えます。

 

とはいえ、ある程度は使い方を習熟しておくことが必要になります。

そこで、RPAツールの教育・研修方法やマニュアルなどを整備しておくことが求められます。

RPAを教育する担当者の育成も必要になります。

 

また、RPAを適用して自動化した業務でも、一般的なITシステムと同様に運用トラブルは起こる可能性はあります。

そのために、障害対応ルールも必要となります。

 

 

IT専門商社でもRPA導入失敗を犯している!

 

これらのRPA導入失敗例はITに疎い企業に起こるわけではありません。

とあるIT分野の専門商社でも社内業務のロボット化に一度失敗をしています。

 

同社では3カ間のPoC期間中に12業務で自動化をスタート。

30のロボットが稼働することになりました。

 

しかし顕在化してきたのは、会社組織の規律を乱すロボットが出現するリスクでした。

例えば、「出社していない従業員の出退勤記録を残す」といった悪用できるロボットを、勘のいい社員なら15分程度で作れると分かったのです。

 

また、RPAツールの研修を受けても殆ど手を付けない社員も存在することで、

「ほとんどロボット化が進んでいない部署」と「過剰にロボット化している部署」が生まれていました。

ロボット作成後の管理方法もあいまいだったため、担当者が部署異動するだけで混乱をきたす危険性も見えました。

 

そこで初めて、ロボット活用の成否を握るポイントとして、「ルール」に基づく「管理」と、その実行を担う「組織」づくりにあることがわかったといいます。

 

 

おわりに

 

とにかくRPAを導入すれば、「単純作業はすべて自動化へと移行できる」と考えることは幻想でしかありません。

 

RPAはツールでしかありません。

 

ツールがうまく機能していくためには導入手順をきっちり決めなければなりませんし、RPAに対する意識改革から始めなければならないこともあります。

 

RPAは比較的安価に導入できるために、業務プロセスの可視化や標準化を疎かにした安易な導入で失敗してもその失敗が隠されてしまう恐れもあります。

 

ホワイトカラー業務へのIT適用である、RPA導入を成功に導くためには細部への注意も必要といえるわけです。

 

 

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