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【RPA×経理】資金繰り表とRPA

2018.07.05

資金繰り表とは

資金繰り表とは、すべての現金預金収入と現金預金支出を分類・集計し、一定の区分、科目に基づき整理された表です。

家計簿と同じく、お金の出入りをあらわします

 

試算表や決算書の損益計算書とは異なり、

実際の現金預金の入金・出金の事実に基づいて作成されるため、

実際の現金預金の入金・出金が把握できます。

 

 

資金繰り表の種類

資金繰り表には、作成期間に応じて、資金繰りの実績をまとめた「資金繰り実績表」

将来の資金繰りの計画をまとめた「資金繰り計画表」があります。

 

また、作成単位に応じて、月々の資金繰りをまとめた「月次資金繰り表」と日々の資金繰りをまとめた「日次資金繰り表」があります。

 

 

資金繰り表の必要性・重要性

(1)収支把握による黒字倒産の防止

 

企業は当期純利益が毎期赤字であっても現金預金が潤沢にあり、資金繰りがうまく行われていれば倒産することは少ないです。

 

一方で、当期純利益が毎期黒字であっても、現金預金が少なく、資金繰りがうまく行われておらず、

債権者(金融機関、仕入先など)への返済・支払が滞ると倒産又は倒産状態となります。

 

このように損益計算書上では黒字の状態でもかかわらず、資金繰りの関係で倒産又は倒産状態になることを黒字倒産といいます。

 

 

黒字倒産を防止するためには、損益計算書による利益管理をはじめ、資金繰り表作成による収支管理が重要です。

 

資金繰り実績表から自社の現金預金の入金・出金のトレンドを把握することに加え、資金繰り計画表で現金預金の入金・出金の時期と額を把握し、

それを管理することによって、現金預金が底をつくという状況を未然に防ぐことができます。

 

 

(2)現金預金の残高管理

資金繰り表による資金繰り管理で最も重要な項目は、月末又は毎日の現金預金残高です。

資金繰り実績表の作成により、自社の通常必要な運転資金が把握できるため、最低限必要な現金預金残高もわかります。

 

その必要最低限の現金預金残高を下回らないように資金繰り表の月末又は毎日の現金預金残高の項目を管理していくことが重要です。

 

 

(3)資金調達タイミングの把握

資金繰り計画表の作成により、設備投資や原材料の支払時期が明確になる為、

それに合わせて資金調達のために金融機関との交渉を計画的に進めることができます

 

 

資金繰り表のフォーム例

下図は、月次の資金繰り実績表と資金繰り計画表のフォーム例です。

 

青い項目の「実績」列が資金繰り実績表で、赤い項目の「計画」列が資金繰り実績表です。

一番右の「期間累計」は実績と計画を合わせた4か月間の合計金額です。

 

 

各項目の記載内容と分析例は以下のとおりです。

 

[売上収入]

現金売上の入金額、売掛金の入金額などの本業の売上入金額を記載します。

 

[雑収入、助成金収入]

本業の売上入金以外の臨時の入金額や助成金の入金額を記載します。

 

[その他経常収入]

普通預金利息入金額やその他金額が過少な入金額を記載します。

 

[経常収入合計]

経常収入の合計です。経常収入には営業活動で生じた収入が記載され、どれだけの現金預金が生み出されたのかを表しています。

家計簿で言うと、給料・賞与の収入などに該当します。

 

[仕入等支出]

現金払いの材料仕入金額、買掛金の支払額などの原価の支払額を記載します。

 

[給与賞与支出]

給与、賞与、社会保険料などの人件費の支払額を記載します。

どこまでを人件費に含めるかは、その会社の特性によって変更します。

給料、賞与は実際に支払った手取り額を記載します。

 

[販管費支出]

現金払いの販売費及び一般管理費、販売費及び一般管理費に係る未払金・未払費用の支払額を記載します。

 

[法人税支出、消費税支出]

法人税と消費税の支払額を記載します。

 

[源泉税・住民税支出]

源泉所得税と個人住民税の支払額を記載します。

 

[その他経常支出]

金額が過少な臨時的な支払額を記載します。

 

[経常支出合計]

経常支出の合計です。経常支出には、営業活動のために必要となる支出が記載され、どれだけの現金預金が消えていくのかを表しています。

家計簿でいうと、賃貸物件の家賃の支払いや水道光熱費の支払い、食費の支払い、保険料の支払いなどが該当します。

 

[経常収支過不足]

経常収入合計から経常支出合計を差し引いた収支差額が記載されます。

経常収支過不足がプラスの場合は、営業活動により現金預金が増加したことになります。

 

経常収支過不足はある一定期間(一年間の事業年度など)で見たときに、プラスである必要があります。

経常収支過不足がマイナスであれば現金預金が社外に流出していることを意味するため、経常収支過不足のマイナス金額が多かったり、

そのマイナスが続くような場合は、事業継続が困難になる場合があります。

 

[経常収支率]

経常収支過不足が0円の場合、経常収支過不足は100%になります。

経常収支率が100%を超えるような資金繰り計画を作成することが重要です。

 

[借入金収入]

金融機関などからの借入金の収入額を記載します。

 

[借入金返済支出]

金融機関などからの借入金の返済額を記載します。

 

[敷金支出]

賃貸物件の保証金・敷金の支払額を記載します。

 

[設備投資支出]

製造用機械の購入、店舗内装工事代金の支払い、営業用車両の購入などの設備投資支払額を記載します。

 

[財務等収支過不足]

財務等収入合計から財務等支出合計を差し引いた収支差額が記載されます。

財務等収支過不足がプラスの場合は、資金調達などの財務等活動により現金預金が増加したことになります。

 

財務等収支過不足はある一定期間(一年間の事業年度など)で見たときに、プラスであることが望まれます。

設備投資支出が予定されている場合は、自己資金(経常収支で生じた現金預金)で設備投資等を行わずに金融機関からの資金調達することにより、

資金繰り悪化を防ぐことができます。

 

手許の現金預金が潤沢にある場合は自己資金で設備投資等を行っても問題ない場合が多いです。

 

[総合収支過不足]

総合収支過不足は、経常収支過不足と財務等収支過不足を加算して算出します。

総合収支過不足は、すべての収入と支出の収支差額が記載されます。

 

総合収支過不足がプラスであれば現金預金が増加したことになります、マイナスであれば現金預金が減少したことになります。

 

[月初現金預金残高]

月初の現金預金残高を記載します。

 

[月末現金預金残高]

月初現金預金残高に総合収支過不足を加算して算出されます。

資金繰り表が間違いなく作成されていれば、月末現金預金残高と実際の現金預金の金額が一致します。

 

資金繰り表の分析例

上記の資金繰り表フォームに沿って、資金繰りの分析例を紹介します。

 

[2018年5月の実績について]

経常収入は18,300千円あったものの、経常支出が24,750千円あったため経常収支は6,450千円のマイナスになりました。

 

また、借入金返済支出が500千円あり、総合収支は6,815千円のマイナスになりました。

 

月初に50,000千円の現金預金がありましたが、6,815千円の現金預金が減少したため5月末現金預金残高は、43,185千円になりました。

 

助成金収入が3,000千円あったものの、A部門及びB部門の売上収入が少なかったことが総合収支がマイナスになった大きな要因です。

 

なぜ売上収入が少ないのかはいくつか仮説を立ててそれを検証していきます。

売掛金の回収漏れがあったのか、前月以前の掛売上高の不振によるものなのか、毎期の季節性のためなのか、などを検証します。

 

[2018年7月の計画について]

経常収入は、A部門の売上収入が多かったこともあり、37,102千円を計上しました。

経常支出は、賞与の支払い5,000千円があったこともあり、30,615千円となりました。

 

経常支出が30,615千円あったものの経常収入がそれを上回る37,102千円あったため経常収支は6,487千円のプラスになりました。

 

7月は15,000千円の設備投資支出が計画されているにも関わらず、借入金収入が7,000千円に留まっているため、

財務等収支は8,500千円のマイナスになっています。

 

財務等収支のマイナスが経常収支のプラスを上回ったため、総合収支は2,013千円のマイナスになりました。

 

設備投資支出15,000千円が計画されているのであれば、金融機関等からの資金調達も同額の15,000千円を調達することで、資金繰りは安定します。

 

資金繰り表を作成することで、金融機関との交渉も早めに行うことができ、資金調達をスムーズに進めることが期待できます

 

 

資金繰り表作成方法

(1)会計ソフトの機能を使用する方法

 

会計ソフトには資金繰り実績表を作成できる機能がついていることが多いです。

しかし、この資金繰り機能を使用している会社をほとんど見たことがありません。

会計ソフトの資金繰り作成機能には以下のような問題点があります。

 

①勘定科目毎の資金収支項目の設定が煩雑

ある会計ソフトでの仕訳と資金繰り表出力結果は以下のとおりです。

 

仕訳:(借方)未払費用給与1,000円/(貸方)普通預金1,000

資金繰り出力項目:人件費支出0円 前払金・未払金支出1,000円

 

資金繰り表の機能としては問題ありませんが、分析するためには不十分な出力結果となっています。

資金繰り表で「人件費支出1,000円」と出力された方が資金繰りの分析をする上で有益になります。

 

このように会計ソフトでは機械的に集計されてしまうため、自社に合わせた必要な情報がうまく設定することができない場合があります。

設定できる場合でも非常に煩雑なことが多いです。

 

②商品・サービス別の資金繰り表が作成できない

損益計算書を作成時には、例えば売上高勘定の補助科目として「A商品売上」や「Bサービス売上」などを設定しているケースは多いと思います。

しかし会計ソフトの資金繰り表では、補助科目の集計・分類ができない場合が多いです。

 

 

(2)会計ソフトの仕訳データを使用し、エクセルで作成する方法

会計ソフトの仕訳データを使用しエクセルで資金繰り実績表を作成する手順は以下のとおりです。

 

①仕訳は総額で入力し、現金預金勘定の相手勘定科目は必ず入力します。

相手勘定を諸口や、空欄にはせず、必ず相手勘定科目を入力します。

 

[一般的な仕訳例]

(借方)長期借入金1,000円/(貸方)普通預金1,025円 〇〇銀行 借入金返済

(借方)支払利息25円 〇〇銀行 借入金利息支払

 

[資金繰り表作成を前提とした仕訳例]

(借方)長期借入金1,000円/(貸方)普通預金1,000円 〇〇銀行 借入金返済

(借方)支払利息25円/(貸方)普通預金25円 〇〇銀行 借入金利息支払

 

②現金預金勘定の元帳をエクセル又はCSVでダウンロードします。

 

③フィルターを設定し相手勘定科目ごとに資金繰り表の区分コードを入力します。資金繰り表の区分コード例は以下のとおりです。

100:売上収入(A商品)

101:売上収入(Bサービス)

200:仕入等支出

201:給与賞与支出

300:借入金収入

400:借入金返済支出

区分コードの100番台は経常収入、200番台は経常支出などとしておくと便利です。

 

④区分コードを入力した後、ピボットテーブルで集計し、集計結果を資金繰り表のフォームに入力します。

 

⑤資金繰り表の月末現金預金残高と実際の現金預金が合っていれば完成です。

 

資金繰り作成とRPA

資金繰り表の作成は、会計ソフトの機能を使用する場合も、エクセルで作成する場合もある程度手間がかかります。

 

エクセルで作成する場合には、自社の業態に合わせた項目の設定や表現が容易にできる一方で、上記作成手順に示したようにデータの取得操作や入力操作などの工程が多くあります。

 

エクセルでの資金繰り表作成にRPAを組み合わせることにより、インターネットバンキングからの入出金情報の取得・仕訳入力・資金繰り表の作成までRPAで行うことが可能です。

 

資金繰り実績表をRPAで作成することにより、業務時間に資金繰り予定表の作成に注力できるため、

会社の資金繰り安定化の実現や、金融機関との上手いつきあい方につながることが期待できます。

 

 

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