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源泉所得税・支払調書とRPA

2018.06.28

経理担当者であれば、毎月の経理業務で源泉所得税の計算と納付を行ったことがあると思います。

また源泉所得税に関連する業務として、毎年1月には支払調書の作成があります。

 

源泉所得税の計算は電卓で行い、源泉所得税の納付は銀行の窓口で納付し、支払調書は、

総勘定元帳や請求書などを見返しながら作成しているケースが見受けられます。

 

ここでは、源泉所得税と支払調書の経理業務について、

経理担当者や会計事務所職員が実践できる業務効率化の方法をお伝えします。

 

 

(1)源泉所得税集計表の作成

源泉所得税の集計には、エクセルで以下のような源泉所得税集計表を作成し、

源泉所得税の金額算定と振込金額の計算を行います。

 

各項目と各セルの計算式は以下のとおりとなっています。

 

[源泉所得税集計表サンプル]

 

 

 

[A列:姓]

氏を入力します。

[B列:名]

名を入力します。氏と名を別のセルに入力することにより、氏名データの結合・分解が容易になります。

[C列:屋号]

屋号があれば屋号を入力します。A列及びB列は正式な個人名を入力します。

[D列:該当号]

支払調書の「区分」欄に該当する区分番号を入力します。主な区分番号と報酬内容は以下のとおりです。

1号:原稿料、イラスト、写真撮影、作曲、工業デザイン、グラフィックデザイン、印税

2号:弁護士報酬、税理士報酬、司法書士報酬、建築士報酬

3号:診療報酬

4号:モデル業務報酬、プロ野球選手

5号:テレビ出演料、放送作家報酬、

[E列:区分名]

報酬の内容を入力します。

[F列:細目名]

区分名に対応する細目を入力します。

[G列:基番]

郵便番号の基番を入力します。

[H列:枝番]

郵便番号の枝番を入力します。

[I列:住所]

住所を入力します。

[J列:報酬区分]

源泉所得税の納付書に対応する報酬区分を選択(入力)します。

今回は実務的に多く発生する「税理士等」「報酬料金」「非居住者」の3区分で作成しています。

[K列:税区分]

源泉所得税の計算にあたり、税込報酬から源泉所得税を計算するのか、税抜報酬から源泉所得税を計算するのか選択(入力)します。

[L列:報酬(税抜)]

源泉所得税の対象となる報酬額の税抜金額を入力します。

[M列:報酬(税込)]

源泉所得税の対象となる報酬額の税込金額を入力します。

[N列:源泉対象外]

源泉所得税の対象外の金額を入力します。

[O列:源泉所得税]

源泉所得税が自動計算されます。セル「O3」に次の計算式を入力しておきます。セル「O3」に入力した計算式を6行目までコピーします。

=IF($J3=”非居住者“,ROUNDDOWN(M3*0.2042,0),IF(K3=”税込“,ROUNDDOWN(IF(M3>1000000,1000000*0.1021+(M3-1000000)*0.2042,M3*0.1021),0),ROUNDDOWN(IF(L3>1000000,1000000*0.1021+(L3-1000000)*0.2042,L3*0.1021),0)))

[P列:振込額]

振込金額が自動計算されます。セル「P3」に次ぎの計算式を入力しておきます。セル「P3」に入力した計算式を6行目までコピーします。

M3+N3-O3

[セルL8からL21]

上記源泉所得税集計表サンプル画像のとおり、「人数」「支給額」「源泉所得税」の項目を入力します。

[セルM8からM21]

セルM8からM21には以下計算式を入力しておきます。

 

M9: =COUNTIFS($J$3:$J$6,”報酬料金“,O$3:O$6,”>0″)

M10: =SUMIF($J$3:$J$6,”報酬料金“,M$3:M$6)

M11: =SUMIF($J$3:$J$6,”報酬料金“,O$3:O$6)

M14: =COUNTIFS($J$3:$J$6,”税理士等“,O$3:O$6,”>0″)

M15: =SUMIF($J$3:$J$6,”税理士等“,M$3:M$6)

M16: =SUMIF($J$3:$J$6,”税理士等“,O$3:O$6)

M19: =COUNTIFS($J$3:$J$6,”非居住者“,O$3:O$6,”>0″)

M20: =SUMIF($J$3:$J$6,”非居住者“,M$3:M$6)

M21: =SUMIF($J$3:$J$6,”非居住者“,O$3:O$6)

 

ここまでで、1か月分の入力シートが完成します。

最後にL列からP列すべてをコピーし、Q列以降に残り11か月分を「コピーしたセルの挿入」し、

最後の列に12か月分の合計欄を作成し完成です。

 

 

(2)e-Taxの利用開始の届出

源泉所得税を紙の納付書に手書きしている場合は手書きの納付書を廃止します。

その代わりにe-Taxを利用してe-TaxWeb上で源泉所得税の納付書の作成及び提出をします。

 

 

e-Taxを利用するためには、利用者識別番号暗証番号が必要です。

 

利用者識別番号と暗証番号の取得が済んでいない場合は、

e-TaxWebサイトで利用開始の届出をする必要があります。

 

会社の基本情報などを入力するだけで簡単に利用者識別番号と暗証番号が取得できます。

 

顧問税理士がいる場合は、顧問税理士が利用者識別番号と暗証番号を管理している場合もありますので、

顧問税理士に問い合わせしてみてください。

 

 

(3)国税ダイレクト納付の利用開始届

源泉所得税を銀行窓口で納付したり、

インターネットバンキングのペイジーで納付している場合は、それをダイレクト納付に切り替えます。

 

ダイレクト納付の利用開始の手順は以下のとおりです。

 

1.上記(2)のe-Taxの利用届の手続きをし、利用者識別番号と暗証番号を取得します。

 

2.国税庁のWEBページから「国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書(入力用)」をダウンロードします。

 

3.ダウンロードした「国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書(入力用)」のPDFに必要事項を入力し、印刷します。

印刷後、代表者の署名・押印をして、所轄の税務署に提出します。

 

4.提出から1か月前後でダイレクト納付の利用開始ができる旨のメッセージが、

e-Taxのメッセージボックスに届きます。

 

 

(4)e-Tax・ダイレクト納付とRPA

1.源泉所得税業務とRPA

e-Taxとダイレクト納付が利用できる状態であれば、

それにRPAを組み合わせることにより源泉所得税業務の大半をRPAに任せることが可能になります。

 

源泉所得税の一連の業務とRPAの導入箇所は以下図のイメージです。

 

 

上記図のとおり、源泉所得税の集計のみを行えば、残りはRPAで処理することが可能になります。

 

納付期限である毎月10日の23営業日前にRPAをタイマー起動すれば、

月初の繁忙時期に源泉所得税の業務から解放されることになります。

 

 

2.会計事務所と源泉所得税

事業会社の場合は、源泉所得税業務にRPAを組み合わせたとしても、

その業務の削減時間のインパクトは大きくはありません。

 

しかし、源泉所得税業務を多く受託している会計事務所では、

源泉所得税業務をRPAに任せることにより、大幅な工数削減が期待できます。

 

 

会計事務所での源泉所得税の納付書の作成や納付方法は各職員によって様々な処理方法で行われていることが多いと思います。

 

紙の納付書に必要事項を記入し、それを郵送するための封筒の宛名を手書きした後切手を貼り、

クライアントは忙しい中銀行の窓口で長い時間待たされのち、やっと納付できます。

 

このようなフローで源泉所得税業務を行っていては忙しさはいつまでたっても変わりません。

源泉所得税業務の会計事務所でのRPA導入のポイントは次の3点です。

 

 

源泉所得税集計表ツールを所内全員が同じものを利用し、一つの共有フォルダにクライアント別に保存することです。

・各クライアントの納付書提出方法をe-Taxソフトや申告書作成ソフトなどで電子送信することです。

e-Taxソフトを使用するのか、申告書作成ソフトを使用するのかも統一します。

・源泉所得税の納付方法をダイレクト納付にします。

 

 

各職員で行っている処理方法を上記ポイントに沿って標準化することが重要になります。

 

会計事務所職員は、納付後のメール詳細を確認し、クライアントへの税額連絡で業務は完了します。

クライアント側は何もすることはなく、源泉所得税が口座振替になるのを待つのみです。

 

 

3.支払調書

支払調書の作成は、毎月の支払状況の管理と源泉所得税の管理がとても重要になります。

 

源泉所得税の管理はエクセルで行っているが、それが支払調書のアップロードデータに連動していないケースが多くあります。

 

源泉所得税の管理データを支払調書のアップロードデータに連動させることにより、

毎年1月の支払調書作成業務時間を大幅に削減することができます。

 

データ連動については単純な定型的な業務のため、ここでRPAを導入することで、

ほとんど人間の手が加わらずに支払調書を作成することができます。

 

今回は経理業務の中でも細かい業務である源泉所得税についてフォーカスしたことで、

RPAができることのイメージが具体的に湧いたと思います。

 

これにより削減できる時間は多くはありませんが、業務効率化の一歩として実践してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

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