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Industry 4.0(第4次産業革命)とは?海外事例から考える今後の日本

2018.06.15

ドイツが2011年『Industry 4.0』を提唱して以降、諸外国や我が国日本においても、『第四次産業革命』というワードをよく目にするようになりました。

今回は、この『第四次産業革命』について解説したいと思います。

 

これまでの産業革命

第四次産業革命を語る前に、これまでの産業革命について振り返ってみます。

 

  • 第一次産業革命

第一次産業革命の大きな特徴は、ニューコメンが発明した「蒸気機関」の登場です。

 

この革命の発端となったイギリスでは、飛び杼(flying shuttle)やミュール紡績機などの発明により綿織物工業における技術革新がなされ、1785年にエドモンド・カートライトが蒸気機関を動力とした力織機を発明したことで生産速度が大幅に上がりました。

 

その後も問題点の改良が各地で行われ続けた結果、原材料と製品の輸送を安価で迅速におこなうためにと、交通面も進化しました。蒸気機関の技術を輸送手段に使用する試みがなされるようになり、蒸気船や蒸気機関車が実用化されたのです。

 

その後、イギリスが1825年に機械輸出を解禁したことでその他の国々にも産業革命が伝播し、ベルギー、フランス、アメリカ、ドイツへと続いていきました。

 

  • 第二次産業革命

第二次産業革命では化学、電気、石油および鉄鋼の分野で技術革新が進み、ドイツやアメリカで様々な発明が生まれました。

 

ガソリンエンジンが発明されて飛行機や自動車の実用化が進み、フォードやGMなどの自動車企業が組立ラインだけではなく、材料から完成車まで全工程の垂直統合を図り、「大量生産」を可能にしました。

 

また、アメリカではトーマス・アルバ・エジソン、ニコラ・テスラらによって送電技術の発明がなされ、産業として発展していきます。

 

  • 第三次産業革命

日本の高度経済成長期と同時期に起きたこの革命は「デジタル革命」とも言われています。

 

商用コンピューターの普及が始まり、産業用ロボットの普及と相まって生産ラインの自動化が進められていきました。

 

同時に、インターネットが普及したことでAppleGoogleFacebookなどのIT企業が成長を遂げました。

 

 

これらの産業革命に続く新たな産業革命として、まさに今始まっているのが「第四次産業革命」なのです。

 

 

第四次産業革命の特徴

第四次産業革命を語るにあたって外せないキーワードは2つあります。それが、「IoT」と「AI」です。

 

IoT」つまりInternet of Thingsとは、すべてのモノはインターネットにつながり、これによってさまざまな産業構造の変化をもたらします。

 

 

例えば、自動車がインターネットに繋がれば道路の込み具合や工事の有無などのデータが収集可能になり、ウェアラブル端末が普及すれば移動距離や健康状態などのデータが収集可能になります。

 

そして、これらのIoTによって得られたビッグデータを解析し活用するのが、人工知能とも呼ばれる「AI」です。

 

 

AIでは人間がコンピューターに対してあらかじめ分析上注目すべき要素をすべて指示しなくても、コンピューターが自ら学習し一定の判断をすることが可能となります。

 

また、スマートフォンの音声認識や産業分野のロボット制御、画像処理など、IoTによってもたらされたビッグデータの分析以外にも、さまざまな場所においてAIは活用されています。

 

 

これらの技術を活用している第四次産業革命の取り組みとしては、次のようなものがあります。

 

 

  • 財・サービスの生産、提供にデータの解析結果を活用

(例)メーカーによる自社製品の稼働状況データを活用した保守・点検サービス、ウェアラブル端末を利用し個々の患者に合わせたオーダーメイド治療、保安会社による独居老人の見守りサービスなど

 

  • シェアリング・エコノミー

インターネットを通じてサービスの利用者と提供者を素早くマッチングさせることにより、個人が保有する遊休資産(自動車、住居、衣服等)を他者に対して提供したりするサービスです。

 

(例)個人の所有するマンション等を宿泊施設として提供する「民泊サービス」、個人の持つ専門的なスキルを空き時間に提供するサービスなど

 

  • AIやロボットの活用

(例)AIを使った資産運用、介護などでのロボットによる生活補助など

 

  • フィンテック(FinTech)の発展

「フィンテック」とは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせ、ITを活用した革新的な金融サービス事業のことを指します。

 

(例)モバイル決済、自動で家計簿を作ることのできるクラウド家計簿、個人間での送金や貸借を仲介するサービスなど

 

 

海外事例から考える今後の日本

第四次産業革命にかかわる取り組みは、2011年のドイツ以降、アメリカ、イギリス、イタリア、ベルギーなどで進められてきました。

 

ここでは、海外における実際の取り組み事例をもとに、今後の日本に求められることについて考えたいと思います。

 

 

  • スペイン バルセロナ市

Wi-Fiを都市のICTの共通基盤として活用することで、大規模なスマートシティ化が進行しています。

 

  • スマートライティング

交通量のセンサー情報を小電力無線、Wi-fiでコントローラに送り、エリアを適切な明るさに調整して点灯。

 

  • スマートパーキング

駐車場の利用状況を道路に埋め込まれた小電力無線のセンサーやWi-fiを経由して提供。住民に駐車可能な地点の情報をリアルタイムで提供するとともに、スマートフォンで駐車料金を支払えるようにしています。

 

  • 不審者監視

IPカメラを利用し、バルセロナの街を監視。監視対象は道路のみに限定し、個人の家は映さないよう配慮がされています。

 

  • 位置情報に基づく顧客誘導

スマートフォンなどの端末を利用し、位置情報や通行人の流れを把握。現在地に合わせたクーポンの発行など、効果的な顧客誘導を行っています。

 

  • ごみ取集管理

ごみ収集箱にもIoTセンサーを設置。ごみの量を自動で判断し、Wi-fiで市へ連絡。市のごみ収集経費削減に役立っています。

 

  • イギリス マンチェスター市

「医療・健康」「輸送・交通」「エネルギー・環境」「文化・コミュニティ」の4領域に特化し、ICTにより街の活性化を目指しています。

 

  • 慢性呼吸器系疾患患者のサポート

バイオメトリックセンサー(生体認証センサー)ネットワークを構築し、呼吸器系に疾患のある患者への対応を改善。

 

  • おしゃべりバス停

位置情報サービス、センサー、モバイルアプリ、電子看板を組み合わせ、バスの運転手へ利用客の有無を知らせるサービス。乗客はバスを待つ際に自動的に「チェックイン」し、情報がバス会社へと伝えられます。

 

  • 自転車シェアリングサービス

Manchester Corridor」の主要道路を自転車・バス専用道路に指定。自転車にIoT無線タグをつけ、安価な自転車シェアリングを推進。

 

  • 大気質モニタリング

ランプポスト(街路灯)や、配電用機器等を格納しているストリートキャビネットなどにIoTタグを設置し、異なる場所・高度で大気質を把握。

 

  • デンマーク コペンハーゲン市

市が中心となり、データを活用することで市民の生活の質向上を目指しています。

 

  • グリーンウェーブシステム

街灯にWi-fi等を設置し、人や車、バイクなどの移動データを分析。交通量の多い道路では、通勤の時間帯は時速20kmで走行すると赤信号にかかることなくスムーズに走れるよう制御されています。

 

  • シンガポール

世界初の「スマート国家」を目指し、国全体で取り組みを進めています。

 

  • 高齢者モニタリングサービス

専用の機器を取り付け、高齢者のいびき、呼吸の乱れ、咳、異常音などの生活音をクラウド上に蓄積し、咳が続くなどの異常事態と判断された場合は、アラートで家族や介護スタッフの携帯へ通知が届くサービス。

 

  • 公共料金の見える化

計測機器をインターネットと連携させることで、太陽光発電装置、家庭内の公共料金・エネルギー使用量を見える化するアプリの開発。

 

 

 

これらの事例から考えられることは、これからの日本に求められるのは公共性の高いものから個人に特化したものまで、様々な分野を網羅したスマートシティの形成だということです。

 

「環境」「エネルギー」「交通」「通信」といった、公共インフラと呼ばれるものに加えて、「医療」「介護」「サービス」「危機管理」などにもIoTAIの活用範囲は広がっており、自治体の永続的な財政負担や人的支援を必要とせず、企業等が自発的に事業創造しやすい環境を整備することが求められています。

 

 

政府はこれらの各分野における取り組みを促進するべく、ビッグデータの公開や有効なデータセットや開発キットの提供等、民間企業が新しいサービスを開発しやすい仕掛けづくりに取り組んでいくことが必要であると言えるでしょう。

 

 

まとめ

第四次産業革命とは、IoTAIを活用した産業構造の変化による産業革命であり、現在進行形で行われている革命です。

 

IoTによってもたらされるビッグデータを活用し、公共インフラだけでなく医療、危機管理などの多分野に横断した活用を目指すことが求められています。

 

 

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