2018.06.14
現在、日本では労働人口が減少し、企業では慢性的な人員不足に陥っています。
それにもかかわらず、政府は現在、「働き方改革」として、残業を減らし、休暇をとろう!という方針を進めています。
人手が足りない状態で、いまより労働時間を短くするにはどうしたらいいのか。
その担い手として注目をされているのが、RPA。
RPAとは、ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)の頭文字をとった形で略されています。
RPAのメリットはコスト削減、ミス防止、業務効率化。といった点が挙げられており、
そのメリットを生かし、ビックデータを扱う銀行や生命保険会社で導入されています。
RPAは単純作業を得意としているため、夜間にひたすら集計作業を行い、
朝一で人間が出社してから確認作業を行う。という形で導入されたのが始めです。
当然、ロボットなので夜間に動いても深夜手当や残業手当は発生しません。
また、単純作業しかできませんが、その代わり、正確です。
RPAの実行結果を人間がチェックしたところ、間違いはほぼゼロで、いわゆる人為的ミスも減ったともっぱらの評判です。
RPAのデメリットは、今のところ単純作業しかできない。ということかもしれません。
人間は疲れると判断力が鈍り、ミスをします。
ロボットはいくら働き続けてもミスをしません。ただし、判断力がありません。
そのため、単純作業をロボットに、その作業をもとに人間が判断をする。というように業務を進め、効率化する企業が先に述べたような銀行や保険会社以外の業種でも増えてきました。
今回はそんなRPAをいざ導入する!となった際に、失敗しないためのチェックポイントをお伝えしたいと思います。
ちなみに、RPAは現在、海外版でも日本版でも多くのツールが開発され、販売されています。
各ツールに得意分野、不得意分野があるので、ツールの選定は必要ですが、今回のこのポイントは、どのツールを導入するにあたっても当てはまる内容となっています。
まずは、以下の流れにそって、RPA導入のための準備が必要となります。
準備をしっかりしておかないと、導入後に必ず問題が出てきます。
家を建てる際にも基礎工事が大事ですよね?
基礎はしっかりと構築し、安定した稼働を目指しましょう。
まずは、日々行っている業務の整理が必要です。
属人化を排除し、誰がやっても同じ結果が出るよう、標準化することが必要です。
標準化するために、複数の人で業務フローを洗い出し、精査していくことが大事です。
その作業の過程で、気づきがあったり、効率の良い方法が見つかるかもしれません。
これは、RPAを導入することがないとしても、業務をスムーズに進めていくために必要な重要な作業です。
紙ベースで構わないので、日々の業務を洗い出しましょう。
業務の整理が出来たら、以下の作業により、業務フローを見直します。
1)その業務は必要か。取捨選択をする。
2)その業務の目的は何か。明確にする。
3)同じような業務が重複していないか、チェックする。
4)業務の進め方はそのやり方しかないか検討する。
5)優先順位を再確認し、どの箇所をロボット化するか、想定しながら再設計する。
何が何でも全てをロボット化するわけではありません。
上記作業で業務の整理が出来た時点で、ロボット化する箇所、人が引き続き行い作業の切り分けをします。
RPAにはAIが搭載されているわけではないので、単純な繰り返し作業は得意ですが考える作業には適していません。
このことを頭に置いて、イレギュラー処理は人間が行うようにしましょう。
※AI(人工知能)を搭載しているロボットもありますが、RPAにAIは搭載されていません。
RPAはルールに基づいた、ルーチン作業(繰り返し作業)は得意ですが、ノウハウによる判断はできません。
条件による処理の分岐などの判断が、想定とは異なり、処理が中断することも考えらえます。
処理が途中で止まっても気づかないような設計では安心できません。
危機管理として、きちんと想定をしておくべきです。
そしてここまで完了した時点で、やっと、どのRPAツールを使用していくか検討できます。
実際にRPAでロボット化していく作業よりも、準備、事前調査の方が大事だということを理解していただけましたか。
国内外さまざまな製品が提供されているRPA。
自動化したい業務に適しているのかの見極めが重要です。
画面認識が得意な製品、ブラウザとの連携が得意な製品、メール関連が得意な製品。
それぞれの得意不得意が特徴としてあります。
また、初期化コスト、サポート体制、自動化の実現性、また社内開発の場合、技術の習得が容易かどうかも判断基準となります。
このようなさまざまな判断基準がある中で、最も重要なことは、安定して業務が自動化できるかどうか。
画面はポップでかわいらしいキャラクターが、案内してくれるインターフェイス。
RPAを立ち上げるとウキウキした気持ちになるけれど、いざ動作をさせると、エラーばかりで作業が中断されてばかり。
それでは導入した意味がありませんよね。
まだRPAを全く導入していない、部分的にしか導入していない。
そういった企業は、他社の事例を研究し、参考にすることをおすすめします。
セミナー形式で事例を紹介してくれる場合もありますが、だんだんとRPAを導入する企業が増えつつあるいま、
ユーザー同士の情報交換の場も多く開催されています。
実際に使っているユーザー、開発しているエンジニアの声、そういった生の情報はどのマニュアルを読んでも書いていませんし、
研修やセミナーでは教えてもらえません。
そういった場所に積極的に参加をし、情報を得るのはとても有効な手段です。
いざ導入した際には、まず効果の出やすい業務から取り組むことをおすすめします。
処理しなくてはいけない膨大な業務があるので、ロボット化したはずです。
そのすべての業務を一気にロボット化した場合、うまくいかなかった時の原因追及をすることが困難になります。
千里の道も一歩から。
まずは簡単な、日々よく行う業務から徐々にロボット化していきましょう。
また、RPAツールには大きく分けて、RDA(Robotic Desktop Automation)という、PC操作を単純に録画して再生するような、導入が簡単なものと、
ワークフローに細かく対応できるサーバー型のRPAの、2種類があります。
RDAタイプの方が導入は簡単ですが、大きな業務の生産性の向上は見込めませんので、
サーバー型のRPA導入を検討することをおすすめします。
RPAは繰り返し行される作業を、自動化して仕事を完了させるというものです。
データの転記などを人間がおこなった場合、思わぬミスが発生するので、
ロボット化して、その分を、もっと価値の高い仕事に割り当てるような使い方をする人が増えています。
昨今、人口の減少がますます進み、人手不足が加速しています。
ロボットに仕事をとられる、乗っ取られる。というマイナスなイメージを持たず、
ロボットとうまく共存をして「働き方改革」を実現するためのツールとなります。
今後、RPAツールはますます発展していきます。
いまは海外のツールが多く販売されていますが、国産のツール発売も多く見込まれます。
RPAはそれぞれ、設定のしやすさやRPAツールでできること、得意なことがそれぞれ異なります。
そのため、一企業で複数のRPAツールを導入しているケースもあります。
当サイトにも多くのRPAツール比較検討ページがあるため、参考にしてください。