2019.05.09
写真フィルム業界の大手、富士フイルムホールディングス株式会社(以下、富士フイルムグループ)でもRPAのUiPathが導入されています。
今回は富士フイルムグループの業務の中で、どのように活用されているのかご紹介します。
富士フイルムグループは写真技術で有名ですが、その発達過程で培ってきた技術を応用し今はイメージングソリューション、ヘルスケア&マテリアルズソリューション、ドキュメントソリューションの3つを中心として事業を展開しています。
そして、「Value from Innovation」をコーポレートスローガンとして掲げ、全社をあげて新たな価値の創出や改革に取り組んでいます。
その改革の核として、2017年10月にデジタル変革委員会を立ち上げグループ全体のデジタルトランスフォーメーションによる業務改革を推進しています。
デジタルトランスフォーメーションとは、デジタルテクノロジーによって経営や事業のあり方、更には生活や働き方までも変革することです。
例えば、満員電車通勤していたものをテレワークなど在宅勤務ができるようにシフトして通勤時間のストレスや時間を削減したりできます。
これと似たような言葉でデジタライゼーションという言葉があります。
こちらはデジタルテクノロジーを使って既製品の付加価値を高めたり、業務の効率化を図ることです。
RPAの技術を使うことはデジタライゼーションで、RPA技術によって事務作業をしていた人材が別のランクの作業に移行できることがデジタルトランスフォーメーションということです。
そういった改革の一環としてRPAの導入を検討し、2017年1月から3月まで経理部をパイロットとして実証実験が行われました。
実はUiPathを導入後に多くの気づきがあったようです。
それは現状のプロセスをそのままRPAへ移行しても大した効果が得られないということです。そこで、RPAを前提としたBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)を行う事にしました。
“ビジネス・プロセスを見直し抜本的に設計しなおすこと。社内の業務プロセスを改善するという意味にとどまらず、顧客(市場)を中心としたビジネスのプロセスが最適になるように社内のムダや不合理を省き、しくみを改めること。主に、コスト削減とスピードアップが鍵となる。”
いかがでしたでしょうか。
富士フイルムグループは今後、経理部全員がRPAを開発し使いこなせるようになることを目標とし、IT部門を介さずにユーザー部門が主導するRPA活用による業務の効率化の取り組みを前者に広げていこうとしているようです。
このように様々な場所で普及していけば、みなさんの会社で使用される日はすぐかもしれません。
参考ページ
https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1901/08/news007.html
https://kotobank.jp/word/BPR-179030
2019.05.08
昨今の医療業界は過重労働や人手不足に悩まされています。
さらに平均寿命が延びたことで、高齢化社会に拍車がかかり労働者と患者の需要と供給は釣り合わなくなっていています。
医師や看護師の業務は多岐にわたり、カルテや書類などの整理といった事務作業も担っていることでしょう。
そんな中、名古屋大学医学部付属病院でRPAツールの「BizRobo!」を5月より本格導入すると発表がありました。国立大学病院のなかでは先行する事例になるようです。
BizRobo!はRPAテクノロジーズというRPAデジタルレイバーのベーステクノロジーを提供する会社の製品です。
“BizRobo!は、ホワイトカラーの生産性を革新する、ソフトウェアロボット(Digital Labor)の導入・運用を支援するデジタルレイバープラットフォームです。
「ロボット」と「IT」によって、ホワイトカラーをルーティンワークから解放し、企業を始め社会全体の生産性向上を図り、未来の働き方を変えていきます。”
HPではこのように紹介されており、ホワイトカラー(事務系の仕事をする労働者)の作業を自動化して効率を上げようというRPAです。
普段、WEB上やエクセルなどで行なっている作業を専用のブラウザで行うことによって、マクロ機能が工程を全て記録してロボットアプリが出来上がります。そのロボットが記録した動きを再現して作業を代行してくれるのです。
そして、新しいシステムの構築やプログラミングの必要もないので、様々な人に簡単に使えるという利点もあります。
更に大掛かりな設備なども必要としないので、費用も抑えることができます。
すでに銀行からネット犯罪の検知や監視、更にはカーナビやスマホのコンテンツ連携など業種を問わず導入されているようです。
名古屋大学医学部付属病院は昨年の12月から「BizRobo!」の販売代理店でもあるスカイライトコンサルティング株式会社に支援のもと業務の洗い出しを行い、実証実験を行ってきました。
その結果、合計で415.7時間の業務削減が可能となりました。
作成された9つのロボットは職員自らの手で作成されており、「BizRobo!」の操作性の良さが伺えますね。
2019年5月からは、院内全ての事務部門において導入することによって、合計で約9,800時間の業務効率化が見込まれています。
名古屋大学医学部附属病院の永家清考事務部長はこのようにコメントしています。
“定型的な業務についてはRPAを推進し、職員は病院の企画・戦略的な業務、患者サービス、医師や看護師等コメディカルの支援等、より付加価値の高い業務へのシフトを実現していきたい。
RPAテクノロジーズおよびスカイライトコンサルティングは、今年度を医療業界のRPA元年と位置付け、BizRobo!のサービス提供に加えて、医療業界に特化した研究会や協会設立等コミュニティ作りにも注力し、医療機関同士の横連携を強化する等業界全体を支援してまいります。”
いかがでしたでしょうか。
医師や看護師も人間です。なので、負担が増えれば当然体を壊してしまいます。
RPAの導入での負担が減り、患者も医師も健康的な世の中になると良いですね。
参考ページ
https://rpa-bank.com/rpanews/19290/
https://rpa-technologies.com/products/first/
2019.05.07
RPAに関するコンテンツは近年とても盛りあがりを見せていて、大手企業から地方自治体まで幅広く導入されるようになってきています。
しかし、一方でRPAを導入する事により、非効率な業務システムを生きながらえさせる事になるのではないかという懸念も出ているようです。
今回は導入における一つのヒントとしてデジタルトランスインフォメーションをご紹介します。
デジタルトランスフォーメーションとは、デジタルテクノロジーによって経営や事業のあり方、更には生活や働き方までも変革することです。
例えば、満員電車通勤していたものをテレワークなど在宅勤務ができるようにシフトして通勤時間のストレスや時間を削減したりできます。
これと似たような言葉でデジタライゼーションという言葉があります。
こちらはデジタルテクノロジーを使って既製品の付加価値を高めたり、業務の効率化を図ることです。
なぜこのような疑問が浮かび上がるかというと、現在の成功例としてあげられているものは、生命保険会社や銀行などが多く、そのほとんどがデータベースの数値をコピペするといったものばかりだったからです。
非効率なワークフロー自体を改善する事をしなければならないのにも関わらず、非効率なまま機械に任せてしまう事になります。
これでは、人の労働量が機械にすり替わっただけで根本的な問題自体は何も解決していません。
その結果、ある程度の設備投資できる大手企業は効率化が進み中小企業は相変わらず…といったような格差が広がることになってしまうかもしれません。
例えば、紙媒体をOCRなどで読み取りRPAで別の媒体に入力するという作業というのも、そもそも紙媒体をデータへ転記するという手順を省く様な改善をするべきところだということです。
例えば、初めからWeb上でデータを入力してもらう様に設計したり、APIを用意してWebサイトから業者の基幹システムへ自動でデータが流れるようにしたりする事により不必要な作業をなくすことができます。
“APIとは、あるコンピュータプログラム(ソフトウェア)の機能や管理するデータなどを、外部の他のプログラムから呼び出して利用するための手順やデータ形式などを定めた規約のこと。”
いかがでしたでしょうか。
RPAはとても便利な技術ですが、それに甘んじて本来もっと良くなるはずの技術の進歩が止まってしまっては元も子もありませんね。
便利な技術にあぐらをかいて本来やれるべきことを見失わない様にしたいですね。
参考サイト
https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1904/24/news003.html
https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1712/07/news036.html
https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1901/08/news007.html