2019.04.15
前回は、Queue(キュー)とTransaction(トランザクション)を使用するにあたり、UiPath Orchestratorの登録方法をご説明しました。
*Orchestratorの登録がまだの方は、【UiPath OrchestratorのQueue(キュー)とTransaction(トランザクション)について】を参考に登録してみてください。
今回の記事では、Orchestrator のQueue(キュー)とTransaction(トランザクション)についてご紹介いたします。
はじめに…
使用するデータ型
トランザクションアイテム:QueueItem型
トランザクションアイテムデータ:
例)String型の中身を取り出す場合は…
“トランザクションアイテムの変数名.SpecificContent(“カラム名”).ToString”
まず始めに、データを収納する場所である“キュー”をWeb(UiPath Orchestrator)上で作成し、そのキューの名前を使って、ロボットがキューにアイテムを収納していきます。
UiPath Orchestrator > キュー > 追加
キュー新規作成後(Orchestrator > キュー)↓
キュー新規作成後(Orchestrator > キュー > トランザクション)↓
キューに追加したいDataTableをForEachRowアクティビティで、各行ごとに繰り返し、一行ずつキューアイテムとしてキューに格納する。
今回は、デスクトップ上にあるfruitsTable.xlsxファイルを読み込んで、キューに追加↓
アクティビティ > 使用可能 > Orchestrator > キュー > キューにアイテムを追加
-プロパティ-
キュー名:①で作成した新規キューの名前
アイテム情報:各行の格納したい列を値として指定。
名前:Orchestratorに表示されるカラム名
方向:キューに対して値を入力するため“入力”
型:値のデータ型
値:キューに格納する値
キューに追加したトランザクションアイテムを取得する。
取得したトランザクションアイテムのステータスは、“実行中”となる。
<取得されるアイテムの順番>
このアクティビティで取得できるトランザクションアイテムは、未処理のアイテムのみ。未処理のアイテムが複数ある場合は、追加された順に取得される。
アクティビティ > 使用可能 > Orchestrator > キュー > トランザクションアイテムを取得
-プロパティ-
キュー名:取得したい(Orchestratorで設定されている)キューの名前
トランザクションアイテム:QueueItem型の変数
分岐の条件として、トランザクションアイテムをキューから取得できたか否かを判断する。
取得できなかった場合→処理終了
取得できた場合→⑤へ
例)“③で取得したトランザクションアイテムの変数 Is Nothing“
アクティビティ > 使用可能 > プログラミング > コレクション > コレクションに追
加
-プロパティ-
TypeArgument:QueueItem型
コレクション:QueueItem型のリスト変数(あらかじめ作成しておく)
項目:③で取得したトランザクションアイテムの変数
※コレクションに追加したアイテムは、“ForEach”アクティビティで取り出しが可能。
今回は、コレクション内のアイテムをExcelファイルに出力。
-プロパティ-
TypeArgument:QueueItem型
コレクション値:QueueItem型のリスト変数
アクティビティ > 使用可能 > Orchestrator > キュー > トランザクションのステータスを設定
-プロパティ-
ステータス:トランザクションアイテムのステータスを指定(成功/失敗)
トランザクションアイテム:③で取得したトランザクションアイテムの変数
※トランザクションのステータスは、“成功”と“失敗”の設定のみですが、“実行中”のアイテムに限り、“進捗”は独自で設定することができます。例)“遅れ気味”
ステータスを“成功”に変更した場合、実行が完了したという認識となり、設定した進捗は画面から消えます。
シナリオ実行中のキュー画面(Orchestrator > キュー)↓
シナリオ完了後のキュー(Orchestrator > キュー)↓
シナリオ完了後のトランザクション画面(Orchestrator > キュー > トランザクション)↓
トランザクションの詳細表示画面
(Orchestrator > キュー > トランザクション > 詳細を表示)↓
これで、キュー内のトランザクションアイテムがすべて処理できました。
今回作成したシナリオを載せておくので、参考にしてみてください。
今回は、キューとトランザクションについて、どのようなデータが収納することが可能で、どのようなデータ型でアイテムが取得出来るのか、シナリオの書き方も含めご紹介させていただきました。
記載したシナリオは、取得したトランザクションアイテムのリストデータを、Excelに書き込むという単純な処理です。
そのため、ロボット2台で並行処理した場合と、ロボット1台で処理した場合の処理時間は、あまり変わりませんでしたが、処理が沢山ある場合、または処理するデータが多い場合は、処理時間が大幅に削減することができるため、とても便利な機能と言えます。
まだキューとトランザクションに触れていない方は、是非試してみてください。
2019.04.12
最近、TVのCMでもよく見るようになった転職サイト「ビズリーチ」このサイトを運営している株式会社ビズリーチ(以下、ビズリーチ)も社内業務改革を推進するBPR部門を設けています。
そのため、社内業務改革の一環としてRPAのUiPathを取り入れています。
きっかけは人事における社内アンケートの収集業務だったようです。
2019年1月時点で18名で運用していたBPR部ですが、収集業務を全て人の手で行なっていた頃はこの業務に3日ほどかかっていました。
その問題を解決するために社内ですでに契約していたRPAツールを使用してみたところ、3日かかっていた作業が1時間足らずで完了しました。
このことをきっかけに、他の業務の改善もできるのではないかと考え、より最適なRPA導入に向けた検討を開始したようです。
当時、ビズリーチはすでに別のRPAを契約し、そちらの社内展開を考えていました。
しかし、当時導入してたものはプログラミングの知識を必要とする開発者向けのツールだったのです。
そのため、社内でユーザーを増やすことが困難であると判断したことによって、新しいRPAツールの検討を開始しました。
検討内容は
UiPathは、業界で最も直感的に操作できる、豊富な機能を備えた自動化開発環境を提供します。ロボットワークフローは、単純にアクティビティをワークフローにドラッグ・アンド・ドロップするか、レコーダーを使用するだけで行えます。
HPにもこのように記載されているように、エンジニア経験のない社員でも1週間でRPAのシナリオ(ワークフロー)作成ができるようになったようです。
UiPathにはUiPathアカデミーという無償のオープンオンライントレーニングプラットフォームがあります。
こちらから基本的な使用方法を習得できるので、非常に便利です。
インターネットで「UiPath」と検索すると使い方説明一覧サイトなど様々な情報が出てきます。
非常に丁寧に解説しているサイトもあるので、大体の悩みは解決するでしょう。
さらに、価格の安さも後押しして、UiPathの導入に踏み切ったようです。
人事部では媒体ごとに異なるフォーマットになっている情報を採用管理システムに入力し、さらにCSVファイルに再形成するという作業を行なっていました。
これではミスをした時に、1つずつやり直さなくてはいけないので、多くの時間を消費してしまうことになります。
しかし、UiPath導入により毎日30分から1時間行なっていた作業を10分程度まで短縮することに成功しました。
その結果、取り組める業務が増えたという社内ユーザーの声も増えたようです。
いかがでしたでしょうか。
UIが使いやすいだけでなく、問題が起きた時に自己解決ができるという点は非常に大きな利点だと思います。
初めてのRPA導入に検討してみてはいかがでしょうか。
https://www.uipath.com/ja/solutions/case-study/bizreach
https://www.uipath.com/ja/products/platform
2019.04.11
前回の「デバッグについて① ~変数と動作確認~ 」では、
ご紹介しました。
今回はデバッグを使用して、不具合の対処方法についてご紹介していこうと思います。
いざ作成したロボットを実行してみたら、実行後の結果が想定していた結果と違っている・・・!
または、エラーが発生して処理が中断してしまう・・・
なんてことは開発をしていく中でよく起こりえることです。
そんな時に解決方法をいくつか知っておくと、上記の様なことが発生しても対処方法があるので自分で難なく解決することができるかもしれません!
それでは不具合を解決に導く方法をご紹介していこうと思います。
処理中の不具合のことを指します。
想定した動作通りに動かない部分のことです。
バグは開発者自身によって発生してしまうものもあれば、外的要因によるものなど原因は様々です。
ここでご紹介するバグの対処方法は、
開発者によって発生したもの
に絞ります。
今回も「デバッグについて① ~変数と動作確認~ 」で使用した、商品登録ロボットを使用します。
こちらがロボットの一連の処理のながれです。
1.エクセルファイル「登録用データ.xlsx」から商品情報を読み込む
2.読み込んだ登録情報が正しいかチェック
2-1.チェックOKの場合⇒ログに処理開始のメッセージを出力
2-2.チェックNGの場合⇒エラー処理を行う
3.追加する商品情報の有無をチェック
3-1.新しく追加する商品情報があった場合⇒
3-1-1.読み込んだ商品をエクセルファイル「商品データ.xlsx」に出力
3-1-2.ログに登録成功のメッセージを出力
3-2.新しく追加する商品情報がなかった場合⇒
3-2-1.ログに登録データなしのメッセージを出力
4.ログに処理終了のメッセージを出力
5.1〜4の処理中にエラーが発生した場合、エラーメッセージをメッセージボックスに表示します。
今回の商品登録ロボットは、すべての処理をトライキャッチで囲んでいるので、エラーが発生した場合はエラーメッセージを表示して正常に終了するようになっています。
それでは開発者自身によって発生したバグに対する対処方法についてご紹介します。
事前に仕込んだバグは下記の通りです。
まずは「実行」をクリックして、実行してみると下記のメッセージが表示されます。
エラーメッセージの内容から、ファイルが見つからないまたは存在しないことが原因であると推測されます。
実行した商品登録ロボットでファイルを使用するのは、
・1.エクセルファイル「登録用データ.xlsx」から商品情報を読み込む
・3-1-1.読み込んだ商品をエクセルファイル「商品データ.xlsx」に出力
この2か所なので、どちらか一方あるいは両方に問題があることが予想できるかと思います。
この時点ではまだエクセルファイルを読み込む直前で止まっています。
エラーメッセージが表示され、最初のエラー発生個所が発見できました。
「詳細」をクリックすると、発生場所などの詳細なエラー情報が表示されます。
メッセージだけで原因がわからない場合は、詳細を確認するとよいかと思います。
今回の場合は、「ワークブックが存在しません」とあるので、
・エクセルファイルのファイルパスが間違っている
・必要なエクセルファイルを適切なところに配置していない
ことが原因であると推測されます。
エラーメッセージの「中断」をクリック後、デバッグ実行を停止します。
ここからはエラーが発生した「登録データを読み込み」(Read Rangeアクティビティ)を修正していきます。
設計書などを確認し、正しいファルダ構成やファイル名を確認しましょう。
実行した商品登録ロボットで使用するエクセルファイルのフォルダ構成とファイル名は下記の通りとします。
こちらがエラー発生時に指定されていたファイルパスです。
本来ならば、ファイルパスは「”データ\登録用データ.xlsx”」でなければいけません。
今回のエラーは、ファイルパスの誤りが原因で発生したことがわかりました。
エラーが消え、エクセルファイル内のデータも取得できています。
「続行」をクリックし、次のブレークポイントで一時停止をしたら「ステップイン」をクリックしてみましょう。
エクセルファイルに出力するアクティビティにエラーはありませんでした。
最後まで実行してエクセルファイルを確認してみましょう。
今回の場合はエクセルファイルを読み込んで、別のエクセルファイルにデータを出力するので、取得データと出力結果が想定通りであるか確認します。
結果に問題はありませんでした。
また、先ほど発生したエラーがなくなりました!
出力パネルからもすべての処理が正常に終了したことが確認できたので、バグを取り除くことができました。
開発をはじめたばかりの頃は、実行中にUiPath Studioなどからのエラーメッセージが表示されると細かい英字がびっしり書かれていて確認することすら嫌になってしまうかもしれませんが、そのエラーメッセージにはエラー発生場所や原因を導き出すための手がかりがあるので、まずはエラー内容を確認することから手を付けてみたらよいのではないかと個人的には思います。
あとは例外の種類によってどこに原因があるのかわかる場合もあるので、例外についてネットで検索して内容を確認してみるのもよいかもしれません。
デバッグ実行をあまり使用することが無い・・・という人がいましたら、ぜひ1度使ってみることをお勧めします。
処理を1つずつ進めていくことができるので、処理の流れや条件分岐などの動作確認、変数の中身の確認などができるので、よろしければ1度試してみてはいかがでしょうか。
2019.04.08
賃貸住宅の契約は基本的に2年ごとに更新するものが一般的とされています。
その為、入居者の入れ替わりは毎年かなりの数あることでしょう。
その度に契約・解約に関するデータの入力などの煩雑な作業が数多く発生するので、人の手でやるとなるとかなりの時間を浪費するだけではなく、重大なミスにつながる恐れもあります。
今回は、不動産会社で取り入れた事例をご紹介します。
“東急住宅リース株式会社(以下、東急住宅リース)は、約9万戸に上る賃貸住宅を管理している。毎年約20%の入居者が入れ替わり、そのたびに契約・解約に関する基幹システムへのデータ入力作業が発生するなど、その業務には細かく煩雑な作業が数多く存在している。東急住宅リースでは、賃貸住宅のオーナーに対する資産価値を高めるための提案や新しいサービスの企画など、資産運用のプロフェッショナルとして、より提案を中心とした業務に社員が専念できる環境を整えるため、これらの煩雑な事務作業を効率化したいという課題があった。この課題の解決に向け導入されたツールがRPAだ。”
上記のように東急住宅リース株式会社では、毎年約20%もの入居者の入れ替わりが発生しているようです。単純計算で約18,000件もの事務作業が発生しているのです。
この入力作業を削減するために同社が取り入れたのが、RPAツールの「Uipath」です。
この「Uipath」というRPAはニューヨークに本社を置くUiPath株式会社より販売されているものです。
日本では2017年より日本法人を設立しました。
その高い技術力が注目され、大手金融機関や広告代理店などへの導入されています。
その結果、日本国内で急速に実績を伸ばしています。
Uipathの基本操作に関してはこちらの記事も参考になります。
東急住宅リース株式会社では、このUipathを本格稼働をさせてから約6ヶ月で74個のロボットの開発に成功しました。
その事務業務の削減効果は月間5,000時間にのぼり、年間では40,000時間削減できる見込みです。
今後はOCR(光学的文字認識)を活用してデータ化したものとRPAを組み合わせて、活用範囲を広げることも視野に入れているようです。
いかがでしたでしょうか。
家を借りるということは、ほとんどの方が経験されることだと思います。
現状、良い物件に出会うためには時間もとてもかかります。
様々な企業がRPAを導入することにより、社員の提案の質が向上すれば、理想の住まいに出会える確率もグンと上がりそうですね。
参考ページ
https://www.uipath.com/ja/rpa/robotic-process-automation
https://www.uipath.com/ja/solutions/case-study/tokyu-housing-lease
https://rpa-bank.com/report/5415/?read_more=1
2019.04.05
先日、4月1日に「働き方改革」における、時間外労働(残業)の上限規制や、年次有給休暇(年休)の年5日取得義務化などを盛り込んだ改正法が施行されました。
これにより、社員の作業時間がより貴重なものになっているのではないでしょうか。
そこで、登録作業など単純な作業の時間短縮に大きく貢献するのがRPA(Robotic Process Automation)です。
このRPAはパソコン作業上の定型作業をソフトウェアによって自動化することが出来ます。
これにより、顧客リストの登録など、人の判断を必要としない作業を決まったルールに則り自動で行ってくれます。
そのため、ミスの回避や時間削減だけでは無く、単純作業に追われていた人材を育成し、更に高いレベルの作業へ回すことが出来ます。
すでに様々な企業が取り入れていますが、地方自治体でも取り入れたとの声も聞こえてくるほど、あらゆる場面でなくてはならないものになってきているのではないでしょうか。
しかし、一方で未だに導入していない企業も多いのも事実です。
実は、RPAは導入する段階で業務データやフローをある程度整備しておかなければ重大なエラーが発生することもあります。
個々の持つデータをある程度整備し、まとめておく必要があるのです。
そこで、株式会社ショーケース・ティービーは、業務効率化を促進するためGoogleスプレッドシートを使用して業務自動化を図るサービスを発表しました。
” 当サービスは、企業が大量に保有する業務ExcelファイルをGoogleスプレッドシートで一元化し、自動化プログラムのスクリプトを書き込みクラウド上で、管理できるようデータの最適化を行います。これにより個別で保有していたデータを関係者間で共有することが容易となり自動加工、編集処理により誤入力することもなくなり業務効率化を実現できます。
当社は業務自動化において、RPA導入を提案してまいりましたが、多くの企業様が、導入前の段階で業務データやフローの整備が必要なケースが明確となり、スムーズに自動化を進めることができないケースが多々見受けられました。
そこで、RPA導入前にGoogleスプレッドシートで必要なデータの最適化を行い簡単な業務自動化サポートをご提案するに至りました。
最適化されたデータを利用することで、スムーズにRPA導入を進めることが可能になります。”
上記のように、やはり導入前の段階でつまずいてしまうケースも多々あったようです。
Googleスプレッドシートはオンライン上で誰でも簡単に閲覧編集ができるので、個別に持っているファイルをやり取りする手間も省け、簡単に情報の統合が出来そうですね。
更に、同社は手軽なコストで導入できるということも強みにしているようです。
価格設定やサービス内容は以下のようになっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
これから様々な場面でRPAの技術が見受けられるようになって行くと思います。
今回、ご紹介したような導入前段階のツールも充実していけば、皆さんの生活の中にRPAがあたり前にある世の中になる日も近いのでは無いでしょうか。
参考ページ
https://www.sankeibiz.jp/workstyle/news/190402/ecd1904020500002-n1.htm
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000003483.html
2019.04.04
3月26日、富士通株式会社(以下富士通)は埼玉県庁の15業務に対して、自社開発のRPAツール「FUJITSU Software Interdevelop Axelute(インターディベロップ アクセリュート)」の導入を支援したと発表しました。
埼玉県がRPAを取り入れる理由
“埼玉県では、新技術の導入による県庁のスマート化に取り組んでいます。その一環として、事務処理を自動化するRPA(※)を導入し、定型的な業務にかかる負担を軽減することにより事務の効率化や職員が政策立案に集中する時間の確保を目指しています。”
このように埼玉県は積極的に新技術を取り入れる方針を掲げており、平成30年度に富士通の支援を受け15の業務でRPAを導入しました。
しかし、この15業務全ての操作シナリオを富士通が担当したわけではないようです。
15業務のうち7業務は富士通が作成し、残りの8業務を県の職員が作成しています。
では、一体このツールはどんなものなのでしょうか。
富士通のHP上ではこのように紹介されています。
“Windowsの操作を自動化し、業務を効率化するRPAツール
画面からのデータ入力やパソコンの環境設定など、日々の作業では単一操作の繰り返しが多くみられます。Interdevelop Axeluteは、これらの作業におけるキーボードからの打鍵やマウス操作を自動化し、人手によるミスを削減し、定型業務を効率化します。“
(富士通公式ページ より引用)
このように、様々な作業を自動化することによって、今までこの作業に時間をかけていた人員をより高いレベルの作業へシフト出来るようになります。
戸籍住民登録や各種証明の発行など、何かと入力作業の多いお役所仕事にはぴったりのツールではないでしょうか。
更にこのツールの特徴として、GUIで分かりやすい編集画面になっているという点があります。
(富士通公式ページ より引用)
図のように編集画面には操作画面が表示されるので、プログラミングの知識がなくても簡単に繰り返しや条件分岐などのシナリオを編集・作成することが可能です。
このように、簡単にシナリオの編集・作成が可能なので、短期間のうちに県の職員でも8業務分もの操作シナリオを作成することが出来たのではないでしょうか。
いかがでしたでしょうか。
埼玉県は昨年度にこのRPAツールを導入し、まず7業務で検証を行いました。
結果、作業時間を最大で92%削減できる効果を確認しているそうです。
4月からは更に独自に取り組んでいた8業務を加えて本運用を開始する予定です。
埼玉県のように、行政がどんどん新しいものを取り入れていくことにより、より良い住みやすい地域に発展して行くのではないでしょうか。
参考ページ
https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/1176585.html
http://www.pref.saitama.lg.jp/a0001/news/page/2018/0326-0101.html
2019.04.03
近年「働き方改革」と共に有名になりつつあるワード、“RPA”が市場に出回りつつあります。しかし、その実態をきちんと把握してうまく使いこなせている人はどれだけいるでしょうか。「RPAがあればもうこっちのものだ、ガハハハッ!」、そんな声がほんの少し耳を掠める今日この頃だからこそ、RPAの良いところも悪いところもひっくるめて皆様に理解していただきたいと思っております。
まず、RPAとは何ぞやという点から説明させていただきます。(耳にタコだという人は飛ばしてください)
PRAとは、Robotic Process Automationの略で、一般的なパソコン上の定型作業をソフトウェアによって自動化することです。例えば、営業の為に今月までの1年間の売上などのデータをグラフ化し資料化する作業。または人事が行うような、SaaS型サービスサイトへの何十人、何百人もの社員のアカウントを登録する作業や、毎月行う定型の報告や情報取得・提供など、人間の判断を必要とせず決まったルールに則ってPC上で完結する作業は自動化しやすい業務となります。一般的にRPAが可能といわれている業務としては、バックオフィス、情報収集、調査、電子取引、業務代行、マーケティングといった分野が挙げられます。
PRAがあれば何でも任せられるかというと、決して頭を縦にふれません。RPAを導入するには、まずそれぞれのRPAソフトが持つ機能を理解し、自動化する業務にやOS環境に応じてどのソフトが良いのかを選定し、導入のための費用や手間を考慮した上でプログラムを組み立てるか否かを決定しなければなりません。
以下、RPAを導入にするにあたっての思い当たる留意点をいくつか挙げます。
RPA導入に対し、いくら事業本部が乗り気でも現場ではあまり必要と感じていないケースがよく見受けられます。現場側は、業務を自動化することで、自分たちの仕事を奪われるという認識であるため、導入しようとしたときに反発を受けたり混乱が生まれたりすることがあります。
逆に、現在の業務量が多く、今の人員では人手不足といった場合に、PRAを導入することで現場の負担が減り、業務の細部まで自分たちでコントロールできるといったあるべき姿に繋がるのであれば現場の人たちにとって嬉しいことです。そしてRPAを導入するときには、自動化する作業を一番分かっている現場の人間が主体となりロボットを組み立てていくことが一番効率的です。バグやエラーが発生してロボットが停止してしまった場合、組み立てたのが本人たちであればすぐロボットを調整することもできます。
慣例で行っている業務の中には、そもそも取り組む必要のない業務があることも。RPAを導入するにしても、ソフト上でのロボットの開発が必要となってくるため、なるべくその手間を省きたいですよね。また、同じ業務をする場合でも人によってやり方が変わってくるでしょうし、どんなやり方が一番いいのかを部署内で話し合って決定した上で簡略化された手順で導入した方が効率的です。
ロボットを組み立てる上では、処理の途中にExcelなどの表計算を挟むことでロボットが複雑化するのを防ぐという手もあります。業務改善を行った上で簡潔な状態でロボットを導入することが望ましいでしょう。
例えば、事業本部で社内全体における定型の作業が数百個分あるとしましょう。同じことを繰り返すことが多いほど人的ミスが生じやすく時間もかかるため、RPAを導入することに意義があります。
これに対して、各現場で行うような、作業容量が少なく、違った種類の短い業務がたくさんある場合には、1つ1つの作業に対しロボットを組み立てたとしてもあまり工数削減の面で成果が出にくいことも考えられます。そこで、細かい業務を束ねて一つの処理ロボットに組み込んでおく、または急ぎでないものは、毎日の作業を月に1回に束ねてロボットに行わせるなど、効果の出る方法を考えて導入することもできるかもしれませんので、早々に諦めないでくださいね。
今日では多くのRPAソフトが存在します。各RPA製品にはそれぞれ仕様があり、製品によってできること、できないことがあります。何を導入するかは、ソフトの使い勝手や価格で利用検討するのはもちろんのこと、どういった作業をするかを現場レベルで確かめた上で選定した方がよいでしょう。
RPA製品にはPCやサーバーにインストールして利用する「オンプレミス型」と、インターネットに接続し、ブラウザ上でロボットを稼働させる「クラウド型」があります。
「オンプレミス型」は、ロボットにさせる作業がPCやサーバー上のアプリケーションを含むものになる場合はこちらを選ぶ必要があります。もう一つの「クラウド型」は、基本ウェブブラウザ上で完結する作業を行う場合に利用できます。※ローカル上のアプリケーションやファイルを操作する場合は別のプログラムを書くことで可能になる場合もありますが、そういった機能は製品一つ一つの仕様を確認する必要があります。
現在世に出ているRPA製品の大半がオンプレミス型となっています。AI Platformなど、オンプレミス型とクラウド型の両方のサービスを提供している製品もあります。
これは簡単ですね。自動化する作業をしているPCがWindowsかmacOSかLinuxか、どれになるかで使えるRPAソフトが限られてきます。
現在Windowsで動くものがほとんどで、その次にLinux、最後にmacOSとなり、macOSで利用するのであれば、HeartCore Roboくらいに限られてきます。そもそもmacOSで事務作業をするとしてもクラウド上のサービス上で行うことが多いと思われることから、RPAソフトのほとんどがWindows用で開発されています。
RPAの種類には、「サーバー型」と「デスクトップ型」に分類されます。自動化する作業がPCのデスクトップ上で行われる場合はデスクトップ型を利用します。日常のデスクトップ上で行う簡単な作業には、このデスクトップ型が向いています。しかしデメリットとしては、処理の種類によってその自動処理がPC端末を占有してしまい、同じPC上で別の作業を同時に行えないことです。
もう一つの「サーバー型」というのは、デスクトップ上での作業を必要としない処理で、複数のウェブサイト上の情報を取得してメールで送ったり、グラフ化したりするなどの作業を、PCの電源を入れずとも、PC画面を占有されずに実行することができます。また、サーバー上にアップした一つのロボットを何台ものPC上で同時処理させることもできます。バッチ処理など大量の作業を夜間に行わせるといったことにも向いています。
いかがでしたでしょうか。RPAを導入するにおいても、現場の状況や作業内容を深く理解していないと、本部側が勝手に現場に導入させても現場でうまく利用されず、余計なお世話と思われてしまうことにもなりかねません。現場の人が今の状態で行うべき業務を全て遂行するのが難しく、更にやりたいと思っている仕事に手が回らない、そういう状況には最適でしょう。また、導入する際には、現状の作業の進め方を見直し、効率化した上で、作業内容やインストールする環境を確認した上でどの製品を使うかを決める必要があります。製品から先に導入してしまい、この作業ができなかった、とならないように注意してくださいね。
2019.04.02
弊社では、RPAのプロジェクトを数多く実施しておりますが、少なからずのクライアントにおいてRPAの開発と並行して、現場担当者様へのトレーニングの依頼もお受けすることがあります。RPAというものの性質上、その哲学に「現場で業務改善を進められるようになる」というコンセプトがあります。そのために、UiPathを始めRPA各種ツールのUIは比較的プログラミング初心者でも取り組みやすい構成になっています。ただ、正直申し上げますと、このRPAツールは確かに、スクラッチでJavaやC言語でシステム開発するより数段簡単ではありますが、とはいえ初心者が明日からすぐできるかというとそこまでは容易くはないのが実情です。そこで弊社の様な会社にトレーニングの依頼が来ることになります。
弊社のトレーニングプログラム「RPA Lab」のご紹介
弊社では、今まで多くの企業様にトレーニングをしてきた実績を活かし、RPAの研修プログラムを開発しております。詳細は上記にリンクを貼っている弊社サイトで紹介しております。今回のこのブログでは、このトレーニングについての所見を述べたいと思います。
RPAのトレーニングをしていて、よく課題になるのは「受講者様がその研修を通じてどこまでのスキルを身につけるのを目標とするか」です。その際に重要となるは、RPAの開発工程というものをしっかりと理解することです。RPAの開発工程というものは、シンプルに分解すると以下になります。
ただ、現在PoC段階でほんの数種の業務のみを取り組む場合、ここまで一つ一つステップを踏む必要は無いかもしれません。
このくらいにシンプルでも、単純な業務であれば可能です。まずはこのレベルにおいて、初めてRPAの研修を受ける方にどこまでを期待するのか設計する必要があります。
受講者のスキルに合わせたゴール設計
研修のゴールを設定するには、まず社内の人材に一連のRPAの取り組み中で何を任せられるようになりたいか考える必要があります。完全にインハウスでRPA開発を進める場合、まず重要になるのは「最終的に誰に開発をしてもらうか」ということになります。RPAのプログラミングは先述したように、他のシステム開発と比べて比較的取り組みやすいものですが、とはいえ誰でもすぐにできるものではありません。自然、プログラマーとしての向き・不向きが関係します。社内で、自分でVBAをいじってエクセルのマクロを作っているような人は向いており、同じようにRPAも業務改善の延長線上なので取り組み易いかと思います。ただ、最初のPoCの段階ではそれで大丈夫なのですが、規模が大きくなると、サーバー上でRPAを回す話であったり、開発/テスト環境の整備/実業務環境との整合性確認など、細々とした業務が発生します。そのようなステージにいったら、いずれにせよIT部門のサポートは必要になります。
また、このような「開発できる」人材が対象部署では中々見つからない場合もあります。また、該当する方がいたとしても、日々の本業のほうに忙殺されており、この「RPA開発」の役目を担えないケースもあります。そのようなときは、やはり「開発」機能はIT部門のほうで引き取るといったケースが多いのが実情です。
そこで、現場部署の人材に求める事として、次に挙げられるのが「改修」となります。大がかりなシナリオの変更は難しいかもしれませんが、簡単なパラメータ変更であったり、RPAが作業するシステム/Web画面の少しのUI変更なら対応できるレベルです(UiPathで言うとセレクターを取り直す作業です)。簡単な改修であれば現場サイドのRPA推進リーダーが完遂できるようになることで、IT部門側の負担は大きく減りますし、何よりも改修が早く済み、その分その部署がRPAの恩恵に預かれることになります。特に、現場サイドの人材に研修プログラムを施す場合は、この「改修はできる」レベルの人材を如何に育てるかが重要です。彼ら/彼女らが、現場部署に1名ずつでもいれば、その部署のRPA化は非常に早く促進されます。
次に、「改修できる」レベルまで行かないまでも「目利き」ができる人を育てることも重要です。「目利き」とは自身や周囲が日々行っている業務の中でどのあたりがRPAに向いているか判断できる「選球眼」を持つことです。RPAの推進をインハウスで進める場合、専門のコンサルタントがいるわけでは無いですから、RPAの対象となる業務の選出は、必然、現場サイドからになります。その際に、現場サイドにRPAへの理解があり、向いているものそうでいないものの判定ができる方がいると非常に生産的になります。このような方が社内に育っていないと、現場サイドから幾つかRPAのアイデアが出てきたとしても、そもそもRPA化は不可能なものであったり、RPA化できたとしても人間の業務負担はさして減らないものが出て来る恐れがあります。
そのように現場サイドに「目利き」の能力を上げてもらうことは、実はRPAを推進する上で非常に重要なことです。RPAの研修というと簡単に「開発できる」ことを目標としがちですが、この「目利き」をさせるためだけでも現場の従業員が研修を受ける意味はあります。簡易的な研修でも構いませんので、この「目利き」を増やすための研修プログラムの実施は、ぜひ各社で取り組んでいただきたい活動です。
このように、社内の人材にRPAトレーニングを施すときには、まずは各受講者対象のゴール設定を予め想定していく事が重要です。ただ、研修により、各従業員がどの程度までスキルが向上できるのかは、実際に実施してみないとわからない事もあるかと思います。研修の結果、想定していたゴールに行かない場合、つまり想定していたスキルセットをもつ社内人材が確保できなかった場合、インハウスのリソースではなく、コンサルタントやエンジニアといた外部リソースの投入で補填する考えも併せて持つ柔軟性も大事かと思います。
今回はRPAトレーニングについての知見を紹介させていただきましたが、このような話をもっと相談したい方は、リードエグジビジョン ジャパン社主催で2019年5月8日~10日に東京ビッグサイトで開催する「AI・業務自動化 展」に弊社も出展しますので、是非相談の事前予約をしていただければと思います。
今回の展示会では、弊社アーツアンドクラフツがRPAの数々のプロジェクト現場で培った知見を来場者の方に御披露したいと考えています。アーツアンドクラフツでは、金融、不動産や自治体、教育団体、製造業や会計事務所、医療事務など幅広い業界でRPA化の取り組みにチャレンジしています。また、RPA以外にもOCR(AI-OCR含む)や、他の業務ツールと連携した取り組みも行っておりますので、ご興味あるかたは是非、下記のURLにアクセスしていただき、事前の面談申請をしていただければと思います。
アーツアンドクラフツ株式会社
AI・業務自動化 展(5月8日(水)〜5月10日(金)@東京ビッグサイト)
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弊社以外にも数々のRPAやAIの事業者が参加する展示会となっていますので、興味ある方は是非参加をご検討されてはいかがと思います。
2019.04.01
昨年10月に株式会社イデア・レコード(以下イデア・レコード)がマーケティング支援を含む店舗型ビジネス向けの業務支援プラットフォーム「G.A.T.E(ゲート)」の開発およびテスト運営にあたり、株式会社コラボス(以下コラボス)と協力して実証実験を進めると発表がありましたが、ついに実証実験を開始したと発表がありました。
参考記事
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000017143.html
それでは、それぞれの会社の提供するサービスについて見ていきましょう。
“お席トットくんは、飲食店に特化した「クラウド型の予約管理システム」です。予約台帳としての機能はもちろん、予約ステータス管理機能、予約情報の共有、店舗の予約売上、予約獲得件数や各種グルメ媒体の費用対効果がリアルタイムで計測される機能などを備えています。
さらに、Google Maps API™ に対応したAPIの無償提供も開始。位置情報を活用した店舗検索やエリア・路線検索を、簡単に店舗のWEBサイトに組み込んでいただけるようになりました“
ワタミ株式会社(以下ワタミ)は2017年にこのシステムを導入し、かねてからの課題であった予約管理業務が改善され、来店予約の最大化へつながりました。
ワタミは他にもイデア・レコードの提供する飲食店特化型コールセンター「よやくるー」やSEO/MEO等の施策を行う「Popeye」等を展開しており、顧客の予約・購買およびオンラインのWeb行動データ等を蓄積しています。
今回、コラボスが提供するのは「DMP(Data Management Platform)」ですが、本来は以下のようなサービスをメインにしているようです。
“当社は、お客様相談室や製品問い合わせセンター等のコールセンターで利用されるシステムを、企業の皆様が手軽に利用できるよう、クラウドサービスという形態で提供しております。”
このクラウド型というところが重要で、ユーザーは自身で設備を持たずにネットワーク経由でサービスを利用できます。
なので、設備投資やメンテナンスという煩わしいことから解放されるという大きなメリットを得る事ができます。
さらに、このサービスは月額制なので、費用を気にすることなく繁閑に応じて減席や増席を柔軟に変動可能です。
なので、通常よりも費用を安く抑えられます。
上記施策により、現在の導入実績は600拠点だそうです。
このようなコールセンタークラウドサービスのパイオニアだからこそ、運営やデータ集積に関することを活用し、今まで統合することが難しく分析できなかったことを深堀りし、既存顧客の満足度向上だけでなく、新規顧客獲得のためのマーケティングが可能になる事でしょう。
いかがでしたでしょうか?
イデア・レコードは今回の実証実験により「G.A.T.E」を店舗型ビジネス業務支援プラットフォームとして成長させ、各種マーケティング分析など豊富な経験と知識が求められる業務についてのRPA化を目指しているようです。
現在、人材不足の売り手市場の影響か、一部の人材による悪質な行動により、不本意な形で話題をさらっている外食企業ですが、今後、この「G.A.T.E」が普及することにより人材不足解消が解消され、本来の業務に集中することによって、より良いサービスを提供してくれることでしょう。
参考ページ