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RPA Biz > 2018年 > 1月

今さら聞けないRPAとは?

2018.01.31

Robotic Process Automation、つまりRPAの技術が間接業務の効率化領域を中心に昨今脚光を浴びています。
もともと企業は規模の大小に関わらず、業務の効率化、生産性の向上に取り組んでいました。まずこの企業の効率化の取り組みはトヨタ生産方式によるジャスインタイムシステムや、リーン生産方式に代表されるように製造現場の改善として行われました。その流れは更に、シックスシグマ等の手法を通じて営業/企画などの間接部門への適用、またサービス業などの非製造業への適用と進んでいきます。
更に1990年代から本格的に間接部門へのPC導入が進み、エクセル等のオフィス用ツールの普及に伴い、事業の数値管理の負荷と精度が飛躍的に向上し、今現代に活きるビジネスマンにとってはそれらのツールをいかに使いこなせるかが作業のスピードを決める上での必須の要件となっています。また、2000年あたりからITテクノロジーを使った間接部署の業務効率化が、企業にとって一大トレンドとなりました。そこでは、ERP、CSM、SCMといったベンダー由来のパッケージの導入もありながら、自社特有の業務フロー/ルールを変更することが難しいために、高額の開発費を投資して自社専用のシステム開発をするケースも非常に多く存在しています。
確かに既存のITソリューションは大きく人々の業務の効率化/リードタイムの短縮に寄与しました。しかし、それにより人の手による業務が全く無くなったわけではありません。「定型業務」と呼ばれている作業においても多くが依然として人の手によらざるを得ない状況が続いています。例えば、顧客からの契約書、請求書などの紙帳票を用いた転記業務、ある社内システムから別のシステム(SAP等ERPや会計システムなど)への情報移管の作業、外部Webサイトからの情報取得・モニタリング業務、そしてエクセルを使った日々の経理や人事・総務、営業の管理等、既存のITシステムでは手の届かない、もしくは開発費を積めば届くのかもしれないが費用対効果を考えると手を出しにくい領域というのは厳として存在します。

そのような状況の中で、人間の代わりに定型業務を担う働き手、仮想知的労働者(Digital Labor)としてRPAが登場してきました。特に2017年は日本にとってRPA元年と呼んでもふさわしいほどに、大手金融機関の間接部門を中心にRPAを使った自動化の取り組み、そして画期的な成果の報告がなされてきています。このRPAの技術は現時点でも発展途上の段階であり、最終的にはAIの技術を結びついて「定型業務」以外の、より高度な判断を要する仕事も自動化できるようになると言われています。このRPAの発展フェーズは一般的に3つのフェーズに分けて説明されることが多いです。

Phase 1:完全定型業務の自動化

  • 作業の流れやルールが明確に決まっており、マニュアル通り行えば誰でも完遂できる業務。例えば、定型フォーマットに書き込まれた情報を別のフォーマットに転記するなどが当てはまります。
  • 現在のRPA技術は残念ながら「ほぼ」この段階での話になります。ただし、それでも適用範囲は皆さんが考えている以上に広く、使用例としては例えば以下のような自動化が適います。主にバックオフィス=間接業務での用途が主流となっています。
    1. OCR技術と合わせて顧客からの手書きの契約書の処理
    2. Webサイトの認識技術を使った、対象商品の市場価格変動のモニタリング
    3. コールセンター上で必要顧客データの参照
    4. 多店舗展開するチェーン店のシフト管理
  • このフェーズでのRPAのロボットはいわゆる「Excelマクロ(VBA)のPC全体版」の様なイメージです。マクロをいじった方なら分かると思いますが、マクロや他のプログラムもそうですが、人間がコードで書いたもの以上のことはできません。判断基準、例外処理などのルールは予め人間が決めておいておかないとロボットは機能できなくなってしまいます。
  • 従って、このフェーズでは非定型で、(あいまいな状況の中で)人間の判断が必要な工程については人の支援が必要です。実際では、完全にロボットに任せる、というよりかは、人間のアシスタントとして大量でかつ定型な業務については高速でお手伝いしている、といった様態で使われることが多いです。

Phase 2:一部の非定型業務(基準やルールが若干あいまいな領域)の自動化

  • このフェーズになると、ビッグデータ等の教師データを活用し機械学習や、非構造化処理技術の発展により、(精度はおいといて)ロボット側が何かしらの判断/予測をするようになると言われています。ただし、正直ここまでのものは現段階のRPAでは商業化されるまでには至っておらず、できていてもPOC段階で取り組んでいる程度のケースが依然多いです。
  • また、この段階になると既存のRPAアプリケーションでは対応しておらず、別のソリューションと組み合わせるケースが主流です。例えば、契約書/申請書などの手書き入力帳票のOCR認識にAI技術が取り組まれたり、Web行動解析の分野で非構造化データ処理技術が特に取り入れられていたりするように、それらの外部ソリューションと既存の「定型しか行わない」RPAを組み合わせるような形となるケースが多いようです。

Phase 3:高度な自動化(AIとRPAの融合)

  • このフェーズにまでくると、ロボットの方で失敗/成功を自発的に学習して、自らルールや基準を再設定していくことができると言われています。また、人間が気付かないような業務上のリスクの検知や、改善提案、高度な意思決定までできることを期待されています。
  • 正直、ここまでくるとほぼSFの世界に近くなります。もちろん、現在でもIBM Watsonをはじめ高度なAIは存在しており、それを間接業務の現場で活用しようとする事例(社内用/顧客用Chatbot等)はあります。ただ、現在のニューラルネットワーク理論を応用したDeep Learningの技術は言語認識と画像認識では既に成果を挙げていますが、まだ日進月歩の世界であり、一般企業が使えるような、日常の細々とした業務のフローやルールを自動で認識するような便利なツールはまだ登場していないのが現状です。

先述しました通り、現在のRPAは上記のうちPhase 1 の段階であり、まだまだ発展、さらなる利便性の向上余地を残した技術です。そのPhase1の段階であっても、十分ロボットが適用できる余地は現代日本の作業現場には多数存在しているのが実情であり、その点に目を付けた大手企業から積極的に導入を進めています。

次に、RPAのロボットが実際にどのように動くのかについて説明したいと思います。まず、ロボット=自動化のプログラムがどこで作られ、保存されるかということですが、これは大きく、デスクトップ型(この場合を特にRDPと呼ぶこともあります)とサーバ型に分かれます。
デスクトップ型はRPAのプログラム自体は個々のローカルPC端末に保存される形となり、そのパソコンからの起動となります。自動で定期的にプログラムを作動させたい場合はWindowsのスケジューラー機能を使うなどしたりします。このデスクトップ型は投資費用が低く抑えられるため、初期の試験導入や中小企業での導入の場合に広く検討されるやり方です。
一方、サーバ型は、プログラムはサーバ端末に置かれます。定期起動型のプログラムはサーバ内で設定し、そのほかに現場のローカルPCからピンポイントでサーバに指示を出してプログラムを起動させることができます。メリットとしては、ロボットプログラムの数が膨大になった場合、管理がしやすい点と、複数のプログラムを同時並列で動かせることにあります。ただし、その際に必要な投資コストはサーバ等のハードだけでなく、専用のアプリケーションとなり高額になる傾向にあります。大規模企業での実行に向いたやり方になります。

それぞれデスクトップ型、サーバ型はメリット・デメリットがありますが、ユーザー側で自身の会社の規模、RPAの導入段階に併せて適宜検討する必要があります。最初の検討フェーズであれば、まずは低額から始められるデスクトップ型をお勧めします。

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