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RPA対象業務の実例(3) ~ 経理財務、人事総務、営業事務、購買等における実導入事例のパターン(後編)

2018.05.24

今回のコラムでは、前回コラムの内容を引き継ぎ、更にRPAの事例を紹介していきます。前回コラムの内容については下記リンクをご参照ください。

 

RPA対象業務の実例(2) ~ 経理財務、人事総務、営業事務、購買等における実導入事例のパターン(前編)

 

 

4.レポーティング業務

  

経理財務や人事総務、営業事務といった部署は、単に何かの処理だけをしていれば良い部門ではありません。都度、経営層等に対して各種指標のレポーティングが求められます。市販の業務システムを導入している企業であっても、このレポーティングの為の情報加工作業は手作業で行っているケースが散見されます。これは、偏に経営層が必要とする情報形式が企業によって異なり、市販システムのアウトプットフォーマットでは対応しきれないからです。また自社でスクラッチ開発したシステムでもあっても、宿命的に経営陣の変化によりレポート内容の変革が求められるものです。これを一々システム改変で対応していくような余裕のある企業は大企業であっても稀有かと思います。

必然、管理部門の現場担当者が毎月、もしくは毎四半期レベルでレポーティングの為の膨大な手作業が発生しています。このようなレポート資料としてパワーポイントが活用されていますが、定型情報の報告であればExcelでグラフを作り、それをパワーポイントに貼り付けるだけで済ますケースが多いようです。更に、このあたりの効率化およびレポート内容のビジュアル性向上のために、近年TableauのようなBIツールが取締役会等の経営会議で用いられるケースが増えてきているようです。これら一連のレポート作成業務は正にRPAの強い領域です。

営業活動の進捗/結果のレポーティング: セールスフォースのようなCRMツールでは、既にレポーティング機能は付いていますが、細かいカスタマイズ、途中段階での計算式の追加といった微に入り細に入ったレポート作成となるとどうしても手作業が発生してしまいます。また、セールスフォース情報をTableauで表現する際にも若干の仕込み作業が発生します。このあたりをRPAにより自動化することで、現場担当者の業務負荷の軽減だけでなく、経営陣にとってより迅速な状況把握が可能となります。

採用活動の進捗/結果のレポーティング: 人事部による中途や新卒の採用活動の進捗報告や、更に採用を確定した新入社員の略歴紹介を、経営会議で行っている企業は多いですが、そのレポート作成をRPA化します。社内の採用管理システムから都度情報を抽出し、所定のExcelフォーマットに落としてグラフ化する作業を自動化するといったアイデアが考えられます。

 

5.外部ウェブサイトを使ったモニタリング業務

  

市況データのモニタリング: これは購買部や調達部が行っている業務になります。例えば主要購買品についてamazonaskulといった外部サイトから最低価格をモニタリングしたり、または電気料金では、各電力会社から基本料金の単価であったり、燃料調整費および再エネ賦課金といった料金算定の基礎情報が公開されています。これらの市況データのモニタリングをRPAにより自動化します。

交通費チェック: 人事総務では、申請された通勤費をチェックするためにYahoo等の外部サイトで経路検索を行い、その金額が妥当かを検証しています。この業務をRPAにより自動化する場合は、予め社員が提出する申請フォーマットをExcelやワークフローシステムで規定する必要がありますが、それができれば、得られた出発地および到着地情報から金額を外部サイトで検出し、その情報を収集するといった作業をロボットに行わせることが可能になります。

Webマーケティング情報モニタリング: 社内にSEOやリスティング、更にSNSといったオウンドメディアの効果測定をしている部署がいる場合、これらWeb上の各種情報を担当者は都度定期的にモニタリングする必要があります。具体的にはGoogleアナリティクス等の複数の分析ツールを組み合わせてモニタリングをするのですが、その定期的な情報収集および異常値検出の際のアラート通知を自動化できます。これらはもちろんある程度は既存の分析ツール内で完結できるものですが、会社特有の細かい仕様については対応できないためRPAの出番となるケースが多いようです。

 

 

6.紙書類の入力業務

 

 

この紙書類における入力業務の効率化は、電子化が進んだ昨今おいても未だ管理部にとって永遠の課題であります。申請書のような社内向けの帳票や、これから入社してくる新入社員の履歴書といった分野なら比較的電子化は進めやすいですが、お客様からの注文書、サプライヤーからの請求書となると中々こちら側でコントロールが難しいのが実情です。これら紙からの情報をRPAで取り扱う際には、ワークフローシステムや定型Excelフォーマット添付によるメールでのやり取り等に切り替えることにより電子書類化を進めてしまうか、もしくはOCRの技術が必須となります。

社員からの申請書: こちらについては、真っ先にワークフローシステムの導入のほうを勧めています。そうすることで、紙からの入力業務を一気に無くすことができます。

新入社員の履歴書: 採用された社員が入社する際に、マイナンバーや生年月日、性別、所在地といった基礎情報を人事管理システムに入力しなければなりません。こちらについて会社側で決められたフォーマットに入力・メール提出をお願いできるのであれば、その業務をRPAによる自動化できる余地があります。

社員からの領収書(経費申請): 毎月膨大な量になる、経費申請書に添付される領収書ですが、こちらの紙情報について自動で読み込むことは現在のOCR技術ではかなり難しいと思われます。領収書のフォーマットは各社によってかなりばらつきがあり、金額と日付、会社情報だけを抽出するにしてもOCRでさせるにはかなり難航します。このようなケースの場合、まずは基本情報を社員自らワークフローシステム等で入力させることをお勧めします。実物の紙領収書とその申請内容を照合する作業が残りますが、そちらについてはやはり人間によるチェックは不可欠です。チェック後、その電子申請された情報が正であることが保証されれば、あとはRPAによりその情報を自由に他のシステム入力や集計に使うことができます。

お客様からの注文書・サプライヤーからの見積/請求書: 購買部や経理部にとって、この社外からの紙書類の取り扱いは毎月骨の折れる作業となっています。巷にあるBPO事業者で主にこの領域をサービス対象にしている会社が多いのも、その業務負荷の裏返しとも言えます。これらの社外から来る紙帳票は、RPAOCR技術にとって非常に難易度の高い領域として課題となっています。まずこれらの紙書類は各社により様式がバラバラ、OCRを使うにもその設定作業が困難を極める、といった理由が挙げられます。将来的に、教師データの増大によりAI技術を活用できれば現在の音声認識技術の発展のように、この紙帳票認識の技術も格段に向上することが期待できますが、今現在市販されているOCRツールにそこまでを求めることはできません。

このようなケースの場合、RPA化の方針としてあり得るのは、「主要なお客様・サプライヤー2~3社に絞り、その企業だけ対象とする」という取り組みです。OCRを適用する場合、仮に1社からの請求書であっても様々な入力パターンを検証する必要があります(購入数が少ないとき/多いときどのような表現になるのか、季節による表現の違いはあるか、等)。またOCRが設定できたとしても精度は100%ではないため、人間によるチェック業務は残ります。

このようにOCR設定は非常に負荷がかかる一方、精度も保証できないため、RPAのプロジェクトではどうしても敬遠されがちです。このような状況の打開策として、お勧めしているのが、主要なお客様・サプライヤーについて電子発注書/請求書の発行をお願いすることです。実際にこれら企業は、捺印の必要から紙書類の送付を行っていますが、実はその帳票作成自体はExcel等で行っていることが多いです。また、電力会社等の大手サプライヤーであればウェブサイト等からIDPASSを入力して利用明細をCSV形式で取得することができます。そのような電子書類の方が、わざわざ紙書類をOCRにかけるよりかよほど信頼性は増し、開発コストも低く済みます。この注文書・見積/請求書といった分野においては闇雲にOCRに突っ走るよりか、まずは一旦落ち着いて電子書類での入手ができないかを検討すべきです。

お客様からの契約書: 金融機関で始まったRPA化の波で脚光を浴びたのがこの契約書関連の入力業務です。この特にB2C事業における消費者からの契約書情報は捺印の必要性から電子化が進まない領域であり、膨大な手入力作業を金融機関側は行っています。また、姓名・住所など手書き文字の取り扱いが必要な領域でもあり、AIによるOCR技術もまずこの業務領域に狙いを定めて発展したと言っても過言ではないでしょう。手書き文字の場合、これはどうしてもOCRの対象になりますが、ここで唯一救いとなるのは「契約書は企業側がフォーマットを指定できる」ということです。この点が、前述した注文書・見積/請求書との大きな違いです。何千枚、何万枚と紙帳票を扱うのだとしてもそのフォーマットが1種類だけで且つ自社でその様式を決められるのあれば、自動化の光明が見えてきます。網掛けを無くすことや、一文字一文字記入欄を切り分けるなどOCRしやすいフォーマットに予め設計することが可能になります。何千枚、何万枚もある紙もそれが全て1種類のフォーマットであれば全て教師データとして扱え、むしろAI学習を容易にさせることができます。

 

7.印刷業務

 

 

一件地味に見えながら、実は現場担当者の時間を奪っているのが紙書類の印刷業務です。本来は全て、電子化しPC上で済ましてしまえれば何の問題もないのですが、実際の経理財務、人事総務といった業務では諸々の事情により印刷業務が発生しています。

請求書発行業務(+仕訳入力): 自社からお客様への請求書発行業務はB2Cであれば既に効率化されていますが、ことB2Bの業態であれば依然として経理社員が月末・月初に膨大な量を印刷出力している場合があります。これは捺印の必要性からの印刷であったり、今までの慣習から漠然と続いているケース等様々です。 請求書は取引先ごとに1枚ずつ発行するものであり、それぞれ各ページを開き印刷ボタンを押す業務は1020件であれば問題ないですが、数百件~千件となると苦行以外の何物でもありません。この11件は軽いが重なると馬鹿にできない業務をRPAにより自動化します。印刷の仕方は、特定のプリンターに限定したり、特定の時間での印刷、もしくは実印刷まではしなくともプリンター内の予約フォルダに対象書類を登録しておくといった柔軟な方法が可能です。また、この請求書発行業務では、更に発展版として、その請求情報をもとに会計システムへの仕訳入力まで繋げることもRPAだと可能になります。

面接官向け応募者情報の印刷配布: 中途や新卒の採用において、面接官に対して人事部担当者は応募者の情報をまとめ、事前に伝える必要があります。このあたりの情報共有は人事採用システムを導入していれば、PC上で全て確認できるものですが、面接官によっては面接時にPCやタブレットの持ち込みを好まず、紙による情報提出することが慣習となっている企業もあります。このような場合、面接前日に採用面接用のカレンダーから明日の応募者の情報を抽出し、必要情報をロボットにより印刷しておくというアイデアが考えられます。

 

 

 

以上が、RPAで取り上げられる主な業務領域の事例となります。ここで出された例は、未だ一部であり、RPAはアイデアによって、更に広範囲な領域での適応が可能な技術です。外部コンサルタントからの知見を参考にしつつも、自社の現場担当者でもこのような事例を踏まえながら自分でアイデアを創出していく姿勢が求められます。

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